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第1話
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たくさんの人が、石畳の道の両脇で手を振っていた。
道を真ん中を歩きながらそれに応えるのは、立派な剣と盾を背中に背負った、一人の黒髪の青年。
彼こそが、魔王を倒してこの世界を救ったという勇者。
現在は、まだ生き残っている魔獣を討伐するため世界を回っているという。
端正な顔立ちに笑みを浮かべたその顔は、まだまだ若々しさがあふれていた。
金髪の少年・エルは、街の人々の中に交じり、その景色を眺めていた。
……最初だけは。
勇者が通り過ぎると、エルはじっとしていられなくなった。
そして行動に出た。
道に飛び出し、駆け足で彼の背中に近づいていく。
その足音で気づいた彼が後ろを振り向くと同時に、エルは叫んだ。
「おい! 勇者さん!」
勇者は一瞬不思議そうな顔をしたが、すぐに穏やかな顔に戻った。
「何だい?」
エルはその問いに答えず、そのまま彼の足元に行くと………………
……股間を触った。
まるで、時間が止まったかのようだった。
腰を引いた勇者。
そして口を開けた街の人たち。
この場にいるすべての人間たちが、固まった。
「勇者、でけえっ!」
一人、触った自分の手を見つめながら笑うエルをのぞいて。
(続く)
道を真ん中を歩きながらそれに応えるのは、立派な剣と盾を背中に背負った、一人の黒髪の青年。
彼こそが、魔王を倒してこの世界を救ったという勇者。
現在は、まだ生き残っている魔獣を討伐するため世界を回っているという。
端正な顔立ちに笑みを浮かべたその顔は、まだまだ若々しさがあふれていた。
金髪の少年・エルは、街の人々の中に交じり、その景色を眺めていた。
……最初だけは。
勇者が通り過ぎると、エルはじっとしていられなくなった。
そして行動に出た。
道に飛び出し、駆け足で彼の背中に近づいていく。
その足音で気づいた彼が後ろを振り向くと同時に、エルは叫んだ。
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「何だい?」
エルはその問いに答えず、そのまま彼の足元に行くと………………
……股間を触った。
まるで、時間が止まったかのようだった。
腰を引いた勇者。
そして口を開けた街の人たち。
この場にいるすべての人間たちが、固まった。
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一人、触った自分の手を見つめながら笑うエルをのぞいて。
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