シンキクサイレン

秋旻

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 この時間、御手洗の両親は仕事でいなく、夕方六時を回らないと帰ってこないらしい。御手洗は部屋を出て、台所の冷蔵庫からペットボトルのウーロン茶をとってきて、グラスの注いで僕に差し出した。
「ねえ、正座疲れない?なんだったらこっちに座っていいよ」
 僕のお堅い姿勢を気にしたのか、御手洗は僕を、自分が座っているベッドの方へ座るよう促した。僕はそれに従い、彼女の隣に座った。
 そのまままた沈黙が続いた。御手洗は今日、なぜ僕を自分の家に呼んだのだろうか。しばらくすると、屋根に水滴が落ちる音がし始めた。雨だ。今日は雨が降る予報では無かったため、僕は傘を持ってきてはいない。
 雨はどんどん強くなってきた。夕立だ。雷が力強い音で落ちた。
「きゃあっ!」
 雷が鳴ると同時に、御手洗は僕の胸元に抱きついてきた。その後、何度も雷は落ち続けた。御手洗は震えながら、僕から離れずにいた。
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