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遺された種2
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ほんの数秒だろうか。はたまた数分だろうか。恐怖で感覚がおかしくなっていたが、俺の横で"ドサッ"っと音と振動がした。熊が腰をおろしたのだろうか。まだ命は取られていない以上、下手な行動はできない。だが、しばらくして状況が一変していたことに気づく。
「オッサン、生きてる?」
誰かに声を掛けられ、俺は顔を上げて辺りを確認した。そこには少年の姿と、頭を射抜かれた巨大な熊の死体があった。
少年はボサボサに伸びた髪に、ボロボロのマントを纏い、左目が黒、右目が吸い込まれるようなスカイブルーのオッドアイだった。
「い、生きてる!何が起きたんだ?」
「決まってるじゃん。俺が熊を射たんだよ。」
そう言って少年はどこかへ歩き出す。この少年が、熊を?疑問はともかく、この2ヶ月で初めての大進捗だ。少年を逃すわけにはいかない!
「待ってくれ!まずはありがとう!俺はグラン!王国の兵士だ!アリアという女性とバーロックという男性を知らないか!?」
その言葉に少年は足を止めた。
「・・・知ってるけど、なんで?」
ビッグチャンスだ!俺は立ち上がって少年に駆け寄った。
「ほ、本当か!?実は王命で彼らを探しにきたんだ!よかったら会わせてくれないか!?」
「別にいいけど。ついてきなよ。」
少年はまた歩き出した。俺は急いでその後を追った。
30分ほど歩くと、こぢんまりとした小屋が姿を現した。ここに聖女がいるのか。小屋の前まで来て、俺は気になっていることを少年に尋ねた。
「君、名前は?」
「オーリィ。」
「もしかして、オーリィはアリア様とバーロック殿の・・・」
「アリアとバーロックは俺の母様と父様だよ。」
「やはりそうか。2人は家にいるのかい?」
「いや、こっち。」
オーリィに連れられて小屋の裏手に回った。そこはとても日当たりが良く、"それ"は嫌でも俺の目に入ってきた。
「こ、これは・・・」
「母様と父様。客だよ。」
そこには2つの墓が並んでいた。オーリィは屈んで、供えてある枯れた花を手に取って捨てた。
「母様と父様はもういない。せっかく訪ねてきてもらったのに、悪いね。」
オーリィはヘラッと笑いそう言うと、小屋の中へと入っていった。俺は呆然と墓の前に立ち尽くしていた。
せっかくここまで来たのに、2人とも死んでいただなんて・・・この報告を持ち帰るか?いや、こんな終わり方はしたくない!こっちは死にかけたんだ!
俺はオーリィを追って小屋へと入った。
「オーリィ、すまない、話を聞いてくれないか?」
「オッサン、生きてる?」
誰かに声を掛けられ、俺は顔を上げて辺りを確認した。そこには少年の姿と、頭を射抜かれた巨大な熊の死体があった。
少年はボサボサに伸びた髪に、ボロボロのマントを纏い、左目が黒、右目が吸い込まれるようなスカイブルーのオッドアイだった。
「い、生きてる!何が起きたんだ?」
「決まってるじゃん。俺が熊を射たんだよ。」
そう言って少年はどこかへ歩き出す。この少年が、熊を?疑問はともかく、この2ヶ月で初めての大進捗だ。少年を逃すわけにはいかない!
「待ってくれ!まずはありがとう!俺はグラン!王国の兵士だ!アリアという女性とバーロックという男性を知らないか!?」
その言葉に少年は足を止めた。
「・・・知ってるけど、なんで?」
ビッグチャンスだ!俺は立ち上がって少年に駆け寄った。
「ほ、本当か!?実は王命で彼らを探しにきたんだ!よかったら会わせてくれないか!?」
「別にいいけど。ついてきなよ。」
少年はまた歩き出した。俺は急いでその後を追った。
30分ほど歩くと、こぢんまりとした小屋が姿を現した。ここに聖女がいるのか。小屋の前まで来て、俺は気になっていることを少年に尋ねた。
「君、名前は?」
「オーリィ。」
「もしかして、オーリィはアリア様とバーロック殿の・・・」
「アリアとバーロックは俺の母様と父様だよ。」
「やはりそうか。2人は家にいるのかい?」
「いや、こっち。」
オーリィに連れられて小屋の裏手に回った。そこはとても日当たりが良く、"それ"は嫌でも俺の目に入ってきた。
「こ、これは・・・」
「母様と父様。客だよ。」
そこには2つの墓が並んでいた。オーリィは屈んで、供えてある枯れた花を手に取って捨てた。
「母様と父様はもういない。せっかく訪ねてきてもらったのに、悪いね。」
オーリィはヘラッと笑いそう言うと、小屋の中へと入っていった。俺は呆然と墓の前に立ち尽くしていた。
せっかくここまで来たのに、2人とも死んでいただなんて・・・この報告を持ち帰るか?いや、こんな終わり方はしたくない!こっちは死にかけたんだ!
俺はオーリィを追って小屋へと入った。
「オーリィ、すまない、話を聞いてくれないか?」
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