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幕間の物語5 大和国のくノ一 空牙陽炎
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大和国
ここは東城氏康の祖国である
氏康の父「東の獅子」と呼ばれた東城成康は死に、長男の成忠が国を治めることとなった。
そうして氏康は国を追われ、自らの赤獅子国を建国することとなった。
氏康は幼少期、氏康村という小さな村で過ごした。それは東条家の習わしからだった。その村で楓という少女と仲良く過ごしていた。その楓とは後の空牙陽炎だ。楓は空牙の一族から護衛の任も密かに受けていたのだ。
小さな頃の氏康はヤンチャな少年であり、よく竹刀を持って裏山に行き猪を狩りに行った。
自己の鍛錬と狩った猪を村の皆で分けて食べるのが目的だった。
野生の猪のスピードと破壊力は並みの大人ならば簡単に殺す事ができるほどで、氏康も何度も生命の危機を感じた。それを横からさりげなくサポートし続けたのは楓だった。
はじめの頃は氏康も気づかなかったが、野生の熊に襲われた際、流石の楓も陰ながらのサポートはあきらめあからさまな助太刀をした。結果熊は討ったのだが、氏康と楓の仲も壊れた。
それから氏康は楓を避ける様になったのだ。
仲の良い友達と思っていた存在が、ただの自分の護衛だったと知ったのだから、それは無理も無い事だった。
楓もはじめは任務であり感情は一切なかったが、氏康と過ごすうちに姉の様な感情が芽生えていた。しかし忍の身でありそれは許されず、その気持ちは押し殺すしか他なかった。
時が経ち、氏康は城に戻り戦にも参加する事も増え、いくつかの武勲をあげ将となる。
一方で楓もメキメキを腕と実績をあげ、頭領の死も重なり陽炎の名を継ぐこととなる。
戦場にて東城家のサポートにまわる陽炎、氏康とも戦場で会う事があっても昔の様な会話はそこにはなかった。元来心を持たぬ忍だが、幼少期を共に過ごした事がでできた心の穴は埋める事は出来なかった。
国を分ける二つの大戦「笹ヶ原の大戦」「西京の決戦」の後東城家の天下となった。
だが国主様である成康は死に、長男成忠が後を継ぎ、氏康はどこか異国に派遣というなの国流しとなった。
陽炎は新しい国主である氏康の兄である成忠に対して、氏康との同行を求めたが、これが逆鱗に触れ数カ月里にて謹慎となった。その間に氏康は異国へと旅立ってしまった。
成忠の治める世になり半年以上の時が経ったある時から境に、ただひたすらに国が乱れた。
陽炎の謹慎はさすがに解かれてはいたが、成忠は自分独自の密偵を組織しだした。
空牙一族は東城家次男成高の警護の任が与えられた。
成高は優れた知性とその豊富な知識で、これからの国を豊かにするだろうと期待された俊才だったが、病弱の身であり、兄成忠を支える事はできず、離れた里に移されていた。
陽炎は成忠の治世で何が起こっているかを調査するように任務を受ける。
ただ、その事実はもうこの国の人間だけではどうにもならない状況になっていた。
ここは東城氏康の祖国である
氏康の父「東の獅子」と呼ばれた東城成康は死に、長男の成忠が国を治めることとなった。
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氏康は幼少期、氏康村という小さな村で過ごした。それは東条家の習わしからだった。その村で楓という少女と仲良く過ごしていた。その楓とは後の空牙陽炎だ。楓は空牙の一族から護衛の任も密かに受けていたのだ。
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自己の鍛錬と狩った猪を村の皆で分けて食べるのが目的だった。
野生の猪のスピードと破壊力は並みの大人ならば簡単に殺す事ができるほどで、氏康も何度も生命の危機を感じた。それを横からさりげなくサポートし続けたのは楓だった。
はじめの頃は氏康も気づかなかったが、野生の熊に襲われた際、流石の楓も陰ながらのサポートはあきらめあからさまな助太刀をした。結果熊は討ったのだが、氏康と楓の仲も壊れた。
それから氏康は楓を避ける様になったのだ。
仲の良い友達と思っていた存在が、ただの自分の護衛だったと知ったのだから、それは無理も無い事だった。
楓もはじめは任務であり感情は一切なかったが、氏康と過ごすうちに姉の様な感情が芽生えていた。しかし忍の身でありそれは許されず、その気持ちは押し殺すしか他なかった。
時が経ち、氏康は城に戻り戦にも参加する事も増え、いくつかの武勲をあげ将となる。
一方で楓もメキメキを腕と実績をあげ、頭領の死も重なり陽炎の名を継ぐこととなる。
戦場にて東城家のサポートにまわる陽炎、氏康とも戦場で会う事があっても昔の様な会話はそこにはなかった。元来心を持たぬ忍だが、幼少期を共に過ごした事がでできた心の穴は埋める事は出来なかった。
国を分ける二つの大戦「笹ヶ原の大戦」「西京の決戦」の後東城家の天下となった。
だが国主様である成康は死に、長男成忠が後を継ぎ、氏康はどこか異国に派遣というなの国流しとなった。
陽炎は新しい国主である氏康の兄である成忠に対して、氏康との同行を求めたが、これが逆鱗に触れ数カ月里にて謹慎となった。その間に氏康は異国へと旅立ってしまった。
成忠の治める世になり半年以上の時が経ったある時から境に、ただひたすらに国が乱れた。
陽炎の謹慎はさすがに解かれてはいたが、成忠は自分独自の密偵を組織しだした。
空牙一族は東城家次男成高の警護の任が与えられた。
成高は優れた知性とその豊富な知識で、これからの国を豊かにするだろうと期待された俊才だったが、病弱の身であり、兄成忠を支える事はできず、離れた里に移されていた。
陽炎は成忠の治世で何が起こっているかを調査するように任務を受ける。
ただ、その事実はもうこの国の人間だけではどうにもならない状況になっていた。
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