上 下
26 / 33

赤獅子国の状況

しおりを挟む
赤獅子国
大和国の東城氏康がデュエルにより手に入れた土地に建てた国だ。

戦いの中で頼れる仲間たちが増えていった。

フェンリルという極寒の土地から来た女王オルフェと狼人族
炎王朝の聖獣だったが、そこから抜けて来た黒龍ジンライ
アストリア自由連合国のエージェントだったセンドリック・サウザンド、その妹のミリア、ミリアと共に捕らえられていたセバスチャン・バスク
大和の国の忍びの一族である空牙の当主空牙陽炎とその配下の忍び4人
日本幽国の妖怪であった村井のきあとその仲間妖怪と日本幽国人
宇宙一の職人集団であるミスル星人のライザ・ガルムシルドと職人仲間たち

「人口」は、当初こそ住民は村人200ほどと狼人30人だけの小さな規模だったが、現在では2000を超えるほどの住民がいる。
「国土」は日本でいう関東と東北と丁度同じ面積は約10万2㎢、実は形も関東・東北ほぼ同じ。

「行政体勢」は未だ整っておらず、国家会議と呼んでいる小規模での会議で色々と取り決めが行われている。
なので法も定めされていないのが現状ではあったが、幸いまだ住民の数も少なく、民度の高い人間たちなので、それほど問題にはなっていない。

「住宅の様式」は、初期は木造建てが主流だったが、最近ではコンクリートと鉄も手に入るようになったため、鉄筋コンクリートの団地もたち始めた。
文化的な生活を送る上では、一番初めの問題のはずの「電気」に関しても、聖獣ジンライの力であっさりと解決してしまっている。

徐々に国としての機能を手に入れはじめ、現在では10歳までの子供は「学校」に通っており、ある旅人のおかげで高い科学・化学教育も可能になっている。

子供たちの間ではサッカーをプレイする事が人気で、そのうちプロのリーグが誕生する事になるかもしれない。
また東北の土地を得たため、雪山が生まれ始めた、センドリックはウインタースポーツを始めようと計画している。

国の中には外敵はいないのだが、最近になり、街の周りを「城壁」で覆い始めた。
まだ国としての成り立ちが浅い状態にもかかわらず、その豊かな自然に住む動植物、特に動物たちが、他の星の者、次元を超えて来た者たちの狩りの標的にされているのだ。いわゆる密猟者たちだ。
現在は狼人族オルフェの一族を中心にそれらから動物を護っている。
それとは別に防衛隊は結成されており「赤翼隊」と名がついている。現在隊員は32名で「鶴翼」「鷹翼」「梟翼」「烏翼」「鳩翼」という5つの隊に分けられそれぞれの職務を全うしている。あまり問題の無い国ではあるが、警察のような機能も担っている。

「医療」に関しては、最近現代医師が亡命してきたため、その人間を中心に急ピッチで国の医療体制を整えている。

「貿易」に関しては、国主東城氏康の祖国でもある大和国とは同盟国となっているため、定期的にやり取りがある。
また、多次元につながる中央世界から数人の商人もこの国に住み着く様になったため、色々な物が手に入るようになった。

「国の通貨」は「赤獅子金貨」。綺麗に赤みがかった黄金で作られているこの金貨は中々に価値があり、国としての信頼がまだ弱い赤獅子国ながら、この金貨で価値が補償され、貿易が可能となっている。
現在は紙幣の導入も検討しているが、まだ先の話しとなりそうだった。

「元号」はまだ正式には決めてはいないが、国が建国された年を「赤獅子歴」元年と便宜上呼んでおり、それが実質使われている。
「歴」に関しては、氏康の国と自然の営みがほぼ同じという事で、大和の国の歴がそのまま使われている。こちらも数年後には天体の観察等でちゃんとした観測を行う予定ではあるが、それも先の話しとなりそうだ。


氏康たちは、まずは行政を強化するため、優れた「文官」を探す旅を始める予定だ。
現在はその準備を着々と進めている。
そのメンバー選考が悩ましい、あまり人数を連れて行けば、国防の力も弱まる。
現在は闘士オルフェ、千里眼のミリア、女医橘さな、執事のセバスチャン、科学者経蔵。ここまでは決めている。
ジンライも連れて行きたいものの、街への電気供給の事を考えるとそうもいかない。
村井のきあにも来てもらいたいところだが、自分が留守の間、国を任せられる人材が他に見当たらない。
ミリアを連れて行くとなると、絶対センドリックもついてくるという。
経験のため赤翼隊の一隊を連れて行きたい。

「さーて、どうしたものかの」
氏康は相棒のコウにもたれかかって空を見ている。
「コウ、俺がいない間、のきあ殿の通訳頼んだからな」
「分かってるよ。僕も行きたいのに」
と柴犬のコウは答える。
「また今後な」
氏康は笑顔で返した。
しおりを挟む

処理中です...