30 / 38
第29話 マリーズ・ロード
しおりを挟む
一人の少女がいた
警察一家に育ち
強い正義感を持っていた
祖父も父も警察官だった
兄も警察官になると思っていたが
軍人を退役し
銀行員となった
ある日
兄が死ぬ
その死には不自然な点が多かった
一銀行員に対して
懸賞金がかけられたのだ
内容は銀行の金の不正流用に加え逃亡
犯罪の内容に対してはおかしい
しかも
デッドオアアライブ
生死を問わずだった
家族で警察やその他関係機関に抗議したが
まったく意味が無かった
そればかりか
数日後
兄は殺されたとの連絡が家へと来た
亡骸すら送られても来なかった
父は無口になった
母からは感情がなくなった
私
マリー・レッドフォードは
その出来事から
警察になる事を辞め
傭兵となった
兄が残した遺品を確認し
兄が逃げたと言われる逃亡ルートを周り
兄がかつて旅した地方を巡った
兄はトランプ傭兵団のスペードの人間に殺されたと言う
元々警察を目指していたマリーは
傭兵の世界の情報に疎かった
それから必死に調べる
トランプというのは世界でも有数の傭兵団だったと知る
だが
その傭兵団は壊滅し
団員の半数近くは死んだという
兄の無実を証明しつつ
兄の仇を討つ
それを目的に旅を始めるが
それがどんなに困難か旅の道中で思い知らされる
真面目一辺倒だった兄が
不正に手を染めるはずがない
ハメられたに決まっている
だが相手は
少なくとも世界有数の傭兵団を動かせる存在
鍛錬の日々を送る
旅の途中で元トランプのメンバーだという人間たちを
狩り続けた
その全てが偽物でかつ犯罪者だった
私は傭兵の世界でも知名度が上がっていたらしい
兄の仇を探す女傭兵
赤い髪と赤い竜から
ついた通り名が
ブラッディ・マリー
名前などどうでも良かった兄の無念さえ晴らせれば
だが名前が広がると便利な点もあった
情報が向こうからやってくるのだ
ただ
その情報が正しいか正しくないか
有益か有益ではないか
その精査は必須の能力となる
それも実践の中で学んでいった
そん中
イリアスの地方の街のアルカディアに
元トランプの傭兵がいるという情報を手に入れる
情報主は止めときなと言ったが
真実に近づくためにも避けては通れない
仮に仇で無くとも何か情報くらいは掴めるかもしれない
私は
バーでその男を見つけた
聞いていた通りの姿だった
全身黒ずくめ
身長はあまり高くない
両脇にはホルスター
世界的に有名な名工が作った銃だとか
聞いた二つ名が
チビカラス
ふざけた呼び名がだが
腕は超一流だとか
でも
実際その男を目の前にしても
全くオーラも何も感じない
これまでヤバい奴との戦闘は
何度か経験をしていた
ヤバい奴らは雰囲気を持っている
だがこの男からは何も感じない
私でもやれるかもしれない
男の給仕に言ってその男のテーブルに
ビールを運んでもらう
その男がこちらを見てジョッキを持ち上げた瞬間に
試しにビールジョッキを撃ち抜いてみる
それを炸裂させた
だがその男はボーっとこちらを見ている
何だ?
何だあの表情は
分からない
さっぱり読めない
その時から
遠目から何度狙撃をしても
わずかな動作でかわされてしまう
自分の狙いが外れているのかと
試し撃ちをするが
何ら問題が無い
だがなぜかわされてた
遠くからの狙撃
こちらの気配も掴まれていないはずなのに
これが元トランプの傭兵の実力なのか?
その日の夜
その男が私の寝床に侵入して
私を縄で縛った
迂闊だった
死を覚悟した
だがその男は私に決闘を申し込んできた
更に勝ったらデートしてほしいと言っている
何を言っているのかよくわからなかった
翌日一日中
命を狙っては狙撃し続けたが
全て避けられる
結局私の狙撃は一度も当たらず
最後には一瞬の隙をつかれて背中に水鉄砲を食らってしまった
その後は
かつて襲撃した傭兵団が逆恨みから仕掛けて来たのを
その男と撃退
その戦闘中に不思議な感覚におそわれた
長く忘れていた
人への興味
正確には好意だろう
ナイン・スペード
私の仇がかつて所属した傭兵団の一員で
おそらく私にはこの人は殺せない
不思議な人だ
同じく互いに銃二つのツーハンドのスタイルだったが
ラッキーストライクという彼の銃と
兄が使っていたワイルドターキーを
交換する事になった
今度会った時にちゃんとしたデートの約束をして
その彼とは別れた
兄の足取りを追う旅を続ける
ある街の情報屋から
兄が射殺された際の事情を知るという者と会った
兄を殺した人間は
エイト・スペード
ギルドの記録を調べて見ると
その男はトランプ傭兵団壊滅の日に死んだという
力が抜けた
仇として追っていた人間が
もう既に命を落としていたとは
数日間何も考えられなかったが
何とか立ち直る
少なくとも
兄の無実を証明しなければ
自分の旅は終われない
少なくとも
それを済まさねば
自分の人生を始める事は出来ない
兄の旅の最後の国
スパニア
その第3の都市バレンヌに来ていた
そこで
ナイン・スペードと再会することとなった
色々な感情がこみあげて
涙が出そうだったが
必死でこらえた
更に
どうやら彼が追っていた人物は
私の兄の死に関係していたらしい
この男は
やはり
私の運命の人なんだろうか?
警察一家に育ち
強い正義感を持っていた
祖父も父も警察官だった
兄も警察官になると思っていたが
軍人を退役し
銀行員となった
ある日
兄が死ぬ
その死には不自然な点が多かった
一銀行員に対して
懸賞金がかけられたのだ
内容は銀行の金の不正流用に加え逃亡
犯罪の内容に対してはおかしい
しかも
デッドオアアライブ
生死を問わずだった
家族で警察やその他関係機関に抗議したが
まったく意味が無かった
そればかりか
数日後
兄は殺されたとの連絡が家へと来た
亡骸すら送られても来なかった
父は無口になった
母からは感情がなくなった
私
マリー・レッドフォードは
その出来事から
警察になる事を辞め
傭兵となった
兄が残した遺品を確認し
兄が逃げたと言われる逃亡ルートを周り
兄がかつて旅した地方を巡った
兄はトランプ傭兵団のスペードの人間に殺されたと言う
元々警察を目指していたマリーは
傭兵の世界の情報に疎かった
それから必死に調べる
トランプというのは世界でも有数の傭兵団だったと知る
だが
その傭兵団は壊滅し
団員の半数近くは死んだという
兄の無実を証明しつつ
兄の仇を討つ
それを目的に旅を始めるが
それがどんなに困難か旅の道中で思い知らされる
真面目一辺倒だった兄が
不正に手を染めるはずがない
ハメられたに決まっている
だが相手は
少なくとも世界有数の傭兵団を動かせる存在
鍛錬の日々を送る
旅の途中で元トランプのメンバーだという人間たちを
狩り続けた
その全てが偽物でかつ犯罪者だった
私は傭兵の世界でも知名度が上がっていたらしい
兄の仇を探す女傭兵
赤い髪と赤い竜から
ついた通り名が
ブラッディ・マリー
名前などどうでも良かった兄の無念さえ晴らせれば
だが名前が広がると便利な点もあった
情報が向こうからやってくるのだ
ただ
その情報が正しいか正しくないか
有益か有益ではないか
その精査は必須の能力となる
それも実践の中で学んでいった
そん中
イリアスの地方の街のアルカディアに
元トランプの傭兵がいるという情報を手に入れる
情報主は止めときなと言ったが
真実に近づくためにも避けては通れない
仮に仇で無くとも何か情報くらいは掴めるかもしれない
私は
バーでその男を見つけた
聞いていた通りの姿だった
全身黒ずくめ
身長はあまり高くない
両脇にはホルスター
世界的に有名な名工が作った銃だとか
聞いた二つ名が
チビカラス
ふざけた呼び名がだが
腕は超一流だとか
でも
実際その男を目の前にしても
全くオーラも何も感じない
これまでヤバい奴との戦闘は
何度か経験をしていた
ヤバい奴らは雰囲気を持っている
だがこの男からは何も感じない
私でもやれるかもしれない
男の給仕に言ってその男のテーブルに
ビールを運んでもらう
その男がこちらを見てジョッキを持ち上げた瞬間に
試しにビールジョッキを撃ち抜いてみる
それを炸裂させた
だがその男はボーっとこちらを見ている
何だ?
何だあの表情は
分からない
さっぱり読めない
その時から
遠目から何度狙撃をしても
わずかな動作でかわされてしまう
自分の狙いが外れているのかと
試し撃ちをするが
何ら問題が無い
だがなぜかわされてた
遠くからの狙撃
こちらの気配も掴まれていないはずなのに
これが元トランプの傭兵の実力なのか?
その日の夜
その男が私の寝床に侵入して
私を縄で縛った
迂闊だった
死を覚悟した
だがその男は私に決闘を申し込んできた
更に勝ったらデートしてほしいと言っている
何を言っているのかよくわからなかった
翌日一日中
命を狙っては狙撃し続けたが
全て避けられる
結局私の狙撃は一度も当たらず
最後には一瞬の隙をつかれて背中に水鉄砲を食らってしまった
その後は
かつて襲撃した傭兵団が逆恨みから仕掛けて来たのを
その男と撃退
その戦闘中に不思議な感覚におそわれた
長く忘れていた
人への興味
正確には好意だろう
ナイン・スペード
私の仇がかつて所属した傭兵団の一員で
おそらく私にはこの人は殺せない
不思議な人だ
同じく互いに銃二つのツーハンドのスタイルだったが
ラッキーストライクという彼の銃と
兄が使っていたワイルドターキーを
交換する事になった
今度会った時にちゃんとしたデートの約束をして
その彼とは別れた
兄の足取りを追う旅を続ける
ある街の情報屋から
兄が射殺された際の事情を知るという者と会った
兄を殺した人間は
エイト・スペード
ギルドの記録を調べて見ると
その男はトランプ傭兵団壊滅の日に死んだという
力が抜けた
仇として追っていた人間が
もう既に命を落としていたとは
数日間何も考えられなかったが
何とか立ち直る
少なくとも
兄の無実を証明しなければ
自分の旅は終われない
少なくとも
それを済まさねば
自分の人生を始める事は出来ない
兄の旅の最後の国
スパニア
その第3の都市バレンヌに来ていた
そこで
ナイン・スペードと再会することとなった
色々な感情がこみあげて
涙が出そうだったが
必死でこらえた
更に
どうやら彼が追っていた人物は
私の兄の死に関係していたらしい
この男は
やはり
私の運命の人なんだろうか?
0
あなたにおすすめの小説
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
可愛らしい人
はるきりょう
恋愛
「でも、ライアン様には、エレナ様がいらっしゃるのでは?」
「ああ、エレナね。よく勘違いされるんだけど、エレナとは婚約者でも何でもないんだ。ただの幼馴染み」
「それにあいつはひとりで生きていけるから」
女性ながらに剣術を学ぶエレナは可愛げがないという理由で、ほとんど婚約者同然の幼馴染から捨てられる。
けれど、
「エレナ嬢」
「なんでしょうか?」
「今日の夜会のパートナーはお決まりですか?」
その言葉でパートナー同伴の夜会に招待されていたことを思い出した。いつものとおりライアンと一緒に行くと思っていたので参加の返事を出していたのだ。
「……いいえ」
当日の欠席は著しく評価を下げる。今後、家庭教師として仕事をしていきたいと考えるのであれば、父親か兄に頼んででも行った方がいいだろう。
「よければ僕と一緒に行きませんか?」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる