海神アオハル

華子

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海神コンビ結成

海神コンビ結成08

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 西校の校門を一歩出たところで、海が呟く。

「や、やばかった……」

 俺は、ははっと鼻で笑う。

「ハマーまじやべえよな。ふたりまとめてボッコボコとか言っておいて、かすり傷ひとつ負わせられてねえでやんのっ」
「いや、そうじゃなくって……」
「うん?」

 ふいと海を見上げると、彼は口元を手で覆っていた。

「惚れた」
「掘れた?」
「俺、神に惚れたかも」

 神に惚れたかも神に惚れたかも神に惚れたかも。
 俺、神に惚れたかも。

 頭で反芻はんすうされたその一文の意味を理解してしまえば、顔がぽっぽと火照りいく。けれど素直には受け取れない。俺は男で海も男。だから確かめたいことがある。

「どういう意味で?」

 緊張しながらそう聞いた。

「ハマーを倒した俺が一瞬カッコよく見えたから、尊敬した的なこと?それとも……」

 そこまで言って、言葉に詰まる。

「つまりは、ええっと、その、だから……」

 恋愛的な面で?
 たったのこれが、言い出せない。

「れれれれ……」

 壊れた俺に、眉を顰める海。ここで的外れなことを言ってしまえば、その眉はさらに曲がるのだろう。だから、言えないんだ。

「れれれれ、れん、れん、れんこんさん……」

 くすりともしない、ツッコミもしない海を前に、『れん』が頭に付く面白い単語は他にないかと必死に模索していると、彼は俺の手を優しく取った。

「これは、恋愛感情だと思う。俺は、神が好きだ」

 その瞬間に俺は卒倒。
 校庭での濱口のように、意識を失いかけた。
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