海神アオハル

華子

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海神コンビ結成

海神コンビ結成14

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 着地した俺は、へなへなと地に膝をつける男の前で仁王立つ。

「なにが高校生ガキじゃ俺に勝てない、だよっ。めちゃんこ体力負けしてんじゃねえかっ」

 肩で息をする彼からは血走る目を向けられるだけで、拳はすっかりほどかれパーのかたち。俺はボキッと指を鳴らす。

「立てよ、おい」

 眩い頭頂部に朝陽が反射し後光がさす。
 鷲掴む髪は一本として生えていないから、俺はそこをベチベチ叩いた。

「はい、じゃあおっさんの負けね。組長とかに言うのだめだよ。ってか高校生に負けたとか内緒にしといた方がいいよ。すんごい恥ずかしいことだから」

 ベチベチベチ。男は俺の手を振り払う。

「い、いつか、ぜってえ殺すからな……」

 貫禄ある強い目つきに身の毛がよだつが、それは格好悪いからおもてには出さない。

「だめだめ、おっさんはもう過去に悪いことしてんでしょ?俺、今から警察行っておっさんの似顔絵描いちゃうんだから。この辺にいましたーって言っちゃうんだから。もうおっさんはこの近辺彷徨うろつけないよ。そして俺はこの近辺でしか遊ばないから、もう二度と会えないよ」

 グッバイ、と最後に手を振った俺は、コンクリートで胡座あぐらをかき傍観していた海を起こす。

「学校行こ~」
「ええ、今から行くの?」
「だってまだ一限目の時間だぜ?」
「なんかだりいなぁ」
「じゃあ海の家でイチャイチャする?」
「……がっこ行こ」

 外で腕は組んでくれない、手も繋いではくれない。
 なんだかずっと、物足りない。
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