海神アオハル

華子

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海神作戦

海神作戦09

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✴︎

「もう俺、お前と今まで通りできねえわ」

 そう言われたのは、中一の冬。当時好意を寄せていた甘党な彼へ贈るために一生懸命作ったチョコを携えて、愛を告げたバレンタインの日。

「神人のことは友達だって思ってたから楽しくできたのに、お前が俺に恋愛感情抱いちゃ、おしまいじゃん」

 おしまいとは、何がおしまいなのだろう。寸刻悩むが答えは出なかった。

「神人の中身は女ってこと?」
「いや、ちげえ。ただ好きになったのが、男のお前だっただけ」
「じゃあ女のことも恋愛対象?」
「いや、それはねえかも」
「じゃあお前は、男なのに男を好きなんだ」

 この広い空の下、そういう人もいる。それを俺は知っていたから、自分が変だとか間違っているとか、そんなことを思ったことは一度もなかった。それなのに。

「もう俺、お前と今まで通りできねえわ。だってお前、変だもん」

「好き」のたったの二文字ふたもじが、俺と彼の関係にピリオドを打たせた。
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