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すれ違うふたり
すれ違うふたり11
「なんだよその傷!誰にやられた!」
翌朝。クラスに入室した途端、怒声を上げたのは海だった。美咲は不安げに、遠くから見つめていた。
もう何日も会話をしていない海にそう言われ、俺は借りてきた猫のようになる。
「ニャ、ニャ……?」
「神にそんなことしたの誰だよ!その傷、どっからどう見ても明らかに刃物じゃねえか!」
「ニャ、ニャンでもニャいっ……」
「相手は誰だ!!」
怒髪衝天とはこのさまのことだろうか。荒々しい波が、彼の背景に見えた。
「で、電球さんニャ……」
「はあ?電球?」
「自販機ボディーの、スキンヘッドの、後光がさしまくりの奴ニャ……」
「ちっ、あのヤクザかっ。なんでまたそいつとやり合ってんだよ」
「た、たまたま出くわしたニャ……」
顔を歪ませた海は、俺の背後にある壁へと怒りをぶつけた。壁と海に挟まれる、150センチ。彼の大きな影で、俺の周りだけ暗がりに。
「なんで俺を呼ばねえんだよ……」
「ニャ、ニャに?」
「どうして俺を寄越さない」
「ニャ、ニャッて……」
「あんなでっけえ奴と対戦すんなら、俺を呼べよ!」
海にとっては優しさだったかもしれないその言葉。けれど俺は、猫から虎に化けてしまう。
「……あ?」
海の胸ぐらを掴んで、睨みをきかせる。
「お前が……海が前に言ったんじゃねえのかよ、美咲といる時は喧嘩できねえって」
わりぃ。今俺美咲と一緒だから、喧嘩できねえわ。
俺は忘れない。海が俺より美咲を選んだ、あの時を。
「昨日は美咲と仲良くクリスマスデートだったんだろ……?そんな時にどうやって俺が、てめえを呼ぶんだよ……」
恋人である俺のピンチを、彼は見過ごした。それなのに、こんな時だけ偽善者振る海には蕁麻疹が出そうになる。
翌朝。クラスに入室した途端、怒声を上げたのは海だった。美咲は不安げに、遠くから見つめていた。
もう何日も会話をしていない海にそう言われ、俺は借りてきた猫のようになる。
「ニャ、ニャ……?」
「神にそんなことしたの誰だよ!その傷、どっからどう見ても明らかに刃物じゃねえか!」
「ニャ、ニャンでもニャいっ……」
「相手は誰だ!!」
怒髪衝天とはこのさまのことだろうか。荒々しい波が、彼の背景に見えた。
「で、電球さんニャ……」
「はあ?電球?」
「自販機ボディーの、スキンヘッドの、後光がさしまくりの奴ニャ……」
「ちっ、あのヤクザかっ。なんでまたそいつとやり合ってんだよ」
「た、たまたま出くわしたニャ……」
顔を歪ませた海は、俺の背後にある壁へと怒りをぶつけた。壁と海に挟まれる、150センチ。彼の大きな影で、俺の周りだけ暗がりに。
「なんで俺を呼ばねえんだよ……」
「ニャ、ニャに?」
「どうして俺を寄越さない」
「ニャ、ニャッて……」
「あんなでっけえ奴と対戦すんなら、俺を呼べよ!」
海にとっては優しさだったかもしれないその言葉。けれど俺は、猫から虎に化けてしまう。
「……あ?」
海の胸ぐらを掴んで、睨みをきかせる。
「お前が……海が前に言ったんじゃねえのかよ、美咲といる時は喧嘩できねえって」
わりぃ。今俺美咲と一緒だから、喧嘩できねえわ。
俺は忘れない。海が俺より美咲を選んだ、あの時を。
「昨日は美咲と仲良くクリスマスデートだったんだろ……?そんな時にどうやって俺が、てめえを呼ぶんだよ……」
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