海神アオハル

華子

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完全復活

完全復活02

「そういやあさあ。俺、クリスマスに美咲へ指輪あげたんだわ」

 卓の中心にひらいたメニュー表を立てて置き、スメルハラスメントへ対抗していると、海はその上から槍を放り投げてきた。
 ブスッと胸元に刺さる、痛いもの。

「ゆ、ゆ、ゆゆゆ指輪スカ?」
「おう、指輪」
「ゆゆゆ指輪って、あの、婚約とか、結婚とか、そそそそそういう時にあげるような高価なのじゃないですよねねね……」
「ホワイトゴールド。六万」
「ヤメテ」

 メニュー表の上から、吹きかけられる溜め息。咄嗟に鼻を摘みかけた俺だった、が。

「俺、美咲に本当のこと話して、別れようと思う」

 この件に関しては真摯に向き合わなければならない。俺等は我欲のためだけに、美咲の恋心を利用した。
 箸を置いて、俺は言う。

「俺、今朝の美咲見てたらさ……悔しいけど、なんかすっげえ海への愛感じちまって。超一瞬だけど、海とお似合いじゃん、このまままじで海と付き合っちまえよって思った。まあ、若干やけくそ入ってたんだけどさ」

 あの時美咲が俺を叩いたのは、彼女が海を想うが故の行動だ。彼女サイドに視点を切り替えてしまえばもう、罪悪感に苛まれる。

「俺も、美咲に謝りたい」
「え、神も?」
「うん」
「なんでだよお前は関係ねえじゃん。俺が美咲と付き合うって決めて、俺がオッケーして、俺が美咲を裏切ってたんだから」
「んなことねえよ、俺も加担した。てかむしろ、当事者だ」

 いいっていいってと、何度も横に首を振り続ける海だったが、耳にタコができたところで、根負けしてくれた。

「じゃあ今年の懺悔は今年のうちに。明日美咲が空いてるか、聞いとくわ」
「おう、よろしく」
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