僕らの10パーセントは無限大

華子

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傘不要の降水確率と、チャップリンの名言と

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「あ、起きた」

 目が覚めたのは、ユーイチの部屋だった。ふかふかとした柔らかいベッドの上で、むくりと上半身を起こす。

「あれ、わたし……」

 わたし確か、お刺身を買ってきてくれたお母さんに怒って、それから家を飛び出して──……

 そうだ。ユーイチの家へ向かっている最中に気分が悪くなって、倒れちゃったんだ。

 頭を抱えながら、記憶をたぐり寄せる作業を終えたわたしは、ベッドのすぐ側であぐらをかいているユーイチに目を落とす。

「と、突然ですがお邪魔してます……」
「おう。いつも突然だけどな」
「よく、わたしが倒れてるとこ発見したね……」
「だって和子、俺んちの目の前で倒れてんだもん。人ひとりが倒れたあんな大きな音、気付くなって言うほーが無理」

 それに夕方には、お前がここに来ると思ってたし。と付け加えたユーイチの、なんて見透かし上手なこと。

 夕方には俺、家に帰ってるから。

 と、昼間のファミリーレストランの前で言ってきたユーイチの言葉の裏には、「それ以降なら、いつでも来ていいぞ」だなんて、そんな言葉が隠れていたのだろう。

「さすがだね、ユーイチ」
「だろ?」
「いやいや、威張るなし」
「んだよ、ここ威張るとこだろ」
「で、しかもわたしが気を失って倒れてるのにもかかわらず、救急車も呼ばなかったんだ」
「だってそーいうの嫌がんじゃん、お前」
「え?」
「病人扱いされること、最近過剰に拒んでくる」
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