僕らの10パーセントは無限大

華子

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ちーちゃんの手紙と、ユーイチへの愛と

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「あれ……?」

 法要を終えたお坊さんを見送って、三人でお墓の掃除をしている時だった。

 墓石の側面に見えたのは、片瀬家のご先祖様の名前と命日。その中にはもちろん、ユーイチのお父さんのものもあった。

 八月五日……

 今日の日付け、ユーイチのお父さんの命日。その数字を見て、フラッシュバックした記憶があった。

 わたしの手術ね、八月五日に決まったの!なんと誕生日と同じ日なんだ!

 ふと蘇ったのは、病院でのちーちゃんの声。

 ちーちゃんの誕生日は八月だと知っていたはずなのに、わたしはその日付けが今日だということを、たったの今思い出したのだ。

 十年前、あげられなかった誕生日プレゼント。今年こそは必ず手渡ししたいと思っていたのに、また会えなかった。

 なんで、どうして。

 どうしてわたしはこの十年間一度も、大好きなちーちゃんと会えていないの。

「和子ちゃん?」

 ユーイチのお母さんに名前を呼ばれて、はっと目の前に浮遊する空気を吸った。いつの間にやらこめかみを伝う汗。
 彼女はわたしに日傘を差し出す。

「今日はありがとうね。あっちに食事処があるから、お昼ご飯ご馳走するわ」
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