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第4話 セリディクの町
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『大丈夫?』
『えっ!あっ!ありがとうございます!!』
『僕はロウと言います。』
『俺は天草隼人だ。』
『アマクサ ハヤト・・・』
『ハヤトでいいよ。』
『それにしても大変だったな・・。』
ロウはさっきの事を思い出して項垂れる。
『仲間なのか?』
『いいえ。僕は日雇いのポーターです。』
『それにしてもハヤトは物凄く強いんですね。ゴブリン10匹とゴブリンファイターを一瞬で倒すなんて!!』
『あっ痛たっ!』
『足刺されてたの忘れてた。』
『見せてみな。』
【ヒール】!
傷が跡形も無くなる。
『もう痛くない・・・。』
ロウは立ち上がって地面を踏んでみる。
『ハヤトは凄すぎます!!』
『それでロウはこれからどうするんだ?』
『とりあえず町に帰ります。妹も居るし多分僕は死んだ事になっているだろうから心配してると思うから』
『そうか。俺も町に行くつもりだったから案内してくれるか?』
『は、はい!もちろんです!こちらからお願いします!!』
『そうだゴブリンの魔石と討伐部位を回収しないと!!』
『ここがセリディクの町です。』
2人で入口に近づくと門兵が声を掛けてくる。
『ロウ、大丈夫なのか!!殲滅の刃の奴らがお前が死んだと言ってたぞ!!』
『はい。危なかったですが大丈夫です。ここにいるハヤトに助けてもらいました。』
『そうか!!エルちゃんも心配してるから早く行ってやれ!!』
『ロウ、俺はいいから早く行ってやれ!』
『ハヤト!本当にありがとう!また後で!』
ロウの走る後ろ姿を見送った。
『お前はハヤトというんだな?』
『そうだ。』
『身分証を見せてくれ。』
『田舎から出てきてここが初めての町なんだ。だから身分証は持ってないんだ。』
『そうか・・。無ければ銀貨二枚なんだが・・ロウの事もあるし特別だ!俺の奢りだ!!』
『町に入ったらギルドに行って身分証を作ってもらうといいぞ。』
『いいのか?』
『いいさ!ようこそセリディクの町へ!』
殲滅の刃side
リーダーのギエンが『今日はゴブリン10匹討伐依頼を受けるぞ!!』と息巻く。
前衛の槍使いジンも頷く。
魔法使いパルは『この依頼を達成してCランクに上がるわよ!』
聖魔法使いエマは『今回は荷物が多いからポーターを雇って欲しい。』
ギエンは『そうだな。大事な依頼だから万全の準備をしていこう!』
『おい、ロウ!!一緒に来い!!荷物持ちしか脳がないだろう?使ってやる!!』
『おい!モタモタするな!!サッサと来い!日が暮れるぞ!』
『ギエン、声が大きい。』
『気付かれたら囲まれるわよ。』
『分かってるよっ!!パル、お前も注意しろよ!!』
『だから声が大きいって・・・っ!』
不意に気配に気付く・・・。
ジンが戦闘態勢をとる。
ギエンも剣を抜き構える。
パルも詠唱を始める。
エマも警戒を強める。
しかしもうすでに囲まれてる。
『あんたの声が大きいからよ!!』
エマが愚痴る。
『うるさい!目の前の事に集中しろ!!』
『おい、正面にいるのゴブリンファイターじゃねぇーか!!Bランクモンスターがなんでここに!!』
ジンが渾身の突きをゴブリンファイターに繰り出す!しかし棍棒の一振りで槍をへし折りジンの腹部にめり込み吹っ飛ぶ!!
『ぐあっ!!』
槍がクッションになり致命傷にはならなかったがもう戦える状態ではない。
それを見たギエンは無理だと判断する。
『駄目だ!逃げるぞっ!』
草むらに隠れていたロウも逃げ出そうとするが後ろからギエンに捕まりナイフで右足を刺されてゴブリンの前に投げ飛ばされる!!
『お前は囮になるんだよ!!無能がっ!!』
と吐き捨てて一目散に逃げ出した。
町の入口まで逃げてきた所で門兵に
『どうした?何があった?』と聞かれる。
『森にゴブリンファイターが出たんだ!』
『何!!Bランクモンスターが!?』
ふと門兵は違和感を覚える。
『ん?ロウはどうした・・?』
ギエンは悔しそうな演技をしながら
『ロウは逃げ遅れた・・。振り返った時には・・・もう・・。
どうしようもなかったんだよ!』
門兵は『分かった。残念だ。エルちゃんにも言わねばならないな・・・』
『お前達もギルドに詳細を報告しに行けよ!』
『ああ、分かってる。』
ギエンがギルドの受け付け嬢イレーナに報告する。
『俺たちは順調にゴブリンを討伐していたんだ。そしたらいきなりゴブリンファイターが現れてジンを吹っ飛ばしたんだ!!
俺達では無理だと判断して皆に逃げようと指示したんだ!!だけどロウが逃げ遅れて・・・。振り返った時には・・・もう手遅れだった・・・。俺たちにはもうどうしようもなかったんだっ!!!!いい奴だったのに・・・残念だよ。』
と迫真の演技で乗り切ろうと必死だ。
後ろのパルとエマも『いい子だったのに・・。』と泣いてるフリをしている。
イレーナは聞き終わると労う様に、
『そうですか、大変でしたね。事情は分かりました。所でゴブリンの魔石か討伐部位はありますか?』
『討伐部位と魔石はロウが持っていたんだ。俺達はゴブリンを10以上倒していたんだ!!』
『残念ながら証明が出来ないと討伐達成は認められません。今回は依頼失敗となります。
次回、頑張ってください。』
イレーナは受け付け嬢らしく頭を下げる。
ギエンは悔しそうな顔をしながら、
(何とか誤魔化せたな。)と胸を撫で下ろしていた。
しかし、ギエン達にとって絶望という名のギルドの扉が開く・・・・。
『えっ!あっ!ありがとうございます!!』
『僕はロウと言います。』
『俺は天草隼人だ。』
『アマクサ ハヤト・・・』
『ハヤトでいいよ。』
『それにしても大変だったな・・。』
ロウはさっきの事を思い出して項垂れる。
『仲間なのか?』
『いいえ。僕は日雇いのポーターです。』
『それにしてもハヤトは物凄く強いんですね。ゴブリン10匹とゴブリンファイターを一瞬で倒すなんて!!』
『あっ痛たっ!』
『足刺されてたの忘れてた。』
『見せてみな。』
【ヒール】!
傷が跡形も無くなる。
『もう痛くない・・・。』
ロウは立ち上がって地面を踏んでみる。
『ハヤトは凄すぎます!!』
『それでロウはこれからどうするんだ?』
『とりあえず町に帰ります。妹も居るし多分僕は死んだ事になっているだろうから心配してると思うから』
『そうか。俺も町に行くつもりだったから案内してくれるか?』
『は、はい!もちろんです!こちらからお願いします!!』
『そうだゴブリンの魔石と討伐部位を回収しないと!!』
『ここがセリディクの町です。』
2人で入口に近づくと門兵が声を掛けてくる。
『ロウ、大丈夫なのか!!殲滅の刃の奴らがお前が死んだと言ってたぞ!!』
『はい。危なかったですが大丈夫です。ここにいるハヤトに助けてもらいました。』
『そうか!!エルちゃんも心配してるから早く行ってやれ!!』
『ロウ、俺はいいから早く行ってやれ!』
『ハヤト!本当にありがとう!また後で!』
ロウの走る後ろ姿を見送った。
『お前はハヤトというんだな?』
『そうだ。』
『身分証を見せてくれ。』
『田舎から出てきてここが初めての町なんだ。だから身分証は持ってないんだ。』
『そうか・・。無ければ銀貨二枚なんだが・・ロウの事もあるし特別だ!俺の奢りだ!!』
『町に入ったらギルドに行って身分証を作ってもらうといいぞ。』
『いいのか?』
『いいさ!ようこそセリディクの町へ!』
殲滅の刃side
リーダーのギエンが『今日はゴブリン10匹討伐依頼を受けるぞ!!』と息巻く。
前衛の槍使いジンも頷く。
魔法使いパルは『この依頼を達成してCランクに上がるわよ!』
聖魔法使いエマは『今回は荷物が多いからポーターを雇って欲しい。』
ギエンは『そうだな。大事な依頼だから万全の準備をしていこう!』
『おい、ロウ!!一緒に来い!!荷物持ちしか脳がないだろう?使ってやる!!』
『おい!モタモタするな!!サッサと来い!日が暮れるぞ!』
『ギエン、声が大きい。』
『気付かれたら囲まれるわよ。』
『分かってるよっ!!パル、お前も注意しろよ!!』
『だから声が大きいって・・・っ!』
不意に気配に気付く・・・。
ジンが戦闘態勢をとる。
ギエンも剣を抜き構える。
パルも詠唱を始める。
エマも警戒を強める。
しかしもうすでに囲まれてる。
『あんたの声が大きいからよ!!』
エマが愚痴る。
『うるさい!目の前の事に集中しろ!!』
『おい、正面にいるのゴブリンファイターじゃねぇーか!!Bランクモンスターがなんでここに!!』
ジンが渾身の突きをゴブリンファイターに繰り出す!しかし棍棒の一振りで槍をへし折りジンの腹部にめり込み吹っ飛ぶ!!
『ぐあっ!!』
槍がクッションになり致命傷にはならなかったがもう戦える状態ではない。
それを見たギエンは無理だと判断する。
『駄目だ!逃げるぞっ!』
草むらに隠れていたロウも逃げ出そうとするが後ろからギエンに捕まりナイフで右足を刺されてゴブリンの前に投げ飛ばされる!!
『お前は囮になるんだよ!!無能がっ!!』
と吐き捨てて一目散に逃げ出した。
町の入口まで逃げてきた所で門兵に
『どうした?何があった?』と聞かれる。
『森にゴブリンファイターが出たんだ!』
『何!!Bランクモンスターが!?』
ふと門兵は違和感を覚える。
『ん?ロウはどうした・・?』
ギエンは悔しそうな演技をしながら
『ロウは逃げ遅れた・・。振り返った時には・・・もう・・。
どうしようもなかったんだよ!』
門兵は『分かった。残念だ。エルちゃんにも言わねばならないな・・・』
『お前達もギルドに詳細を報告しに行けよ!』
『ああ、分かってる。』
ギエンがギルドの受け付け嬢イレーナに報告する。
『俺たちは順調にゴブリンを討伐していたんだ。そしたらいきなりゴブリンファイターが現れてジンを吹っ飛ばしたんだ!!
俺達では無理だと判断して皆に逃げようと指示したんだ!!だけどロウが逃げ遅れて・・・。振り返った時には・・・もう手遅れだった・・・。俺たちにはもうどうしようもなかったんだっ!!!!いい奴だったのに・・・残念だよ。』
と迫真の演技で乗り切ろうと必死だ。
後ろのパルとエマも『いい子だったのに・・。』と泣いてるフリをしている。
イレーナは聞き終わると労う様に、
『そうですか、大変でしたね。事情は分かりました。所でゴブリンの魔石か討伐部位はありますか?』
『討伐部位と魔石はロウが持っていたんだ。俺達はゴブリンを10以上倒していたんだ!!』
『残念ながら証明が出来ないと討伐達成は認められません。今回は依頼失敗となります。
次回、頑張ってください。』
イレーナは受け付け嬢らしく頭を下げる。
ギエンは悔しそうな顔をしながら、
(何とか誤魔化せたな。)と胸を撫で下ろしていた。
しかし、ギエン達にとって絶望という名のギルドの扉が開く・・・・。
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