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第52話 そして屋敷では

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男達が襲い掛かる!
『お前ら!大人しくしやがれ!!!!』

ギエンとジンがブレた。
前衛15人が原型を留めないほどバラバラになる!!
男達の背後からドラゴンが現れ5人纏めて喰らい付く!

パルの【アースジャベリン】で4人の男達が地面に縫い付けられる!
後ろの女は戦意無しと見て放置してある。

『ぐっあ!痛てぇぇー!!さっきのは何なんだ!!でかい生き物に食われたぞ!!』
男達が叫ぶと背後から、生暖かい鼻息が近づき舌舐めずりをする。

男達は恐る恐る後ろを見ると赤いドラゴンの鼻がすぐそこにあった。

『ぎゃぁぁぁぁ!!!なんで!なんで!ドラゴンがぁぁぁ!!』
『助けて!助けて!助けてぇぇぇ!!!』
少し離れたところに居る2人が騒ぐ。

ドラゴンが2人を喰らおうと口を開けた瞬間、ノームを召喚したエルと目が合う・・。
ドラゴンが口を開けたまま2人の男達の上で止まる。
エルがドラゴンを睨む・・・私の出番・・
ドラゴンが首を傾げて『食べちゃ駄目?』って顔をする。
エルはお腹が空いて居るドラゴンに同情して笑顔で親指を立てて頷く!

男達は一瞬助かったと思う。
違う。死に方が決まったのだ。
問答無用でドラゴンの口の中に消える・・。

『何なんだ・・お前らは・・・セシル!鑑定したのか?!』

『遅い!遅い!遅い!!!なんで最初に私の話しを聞かなかったんですか!!!!!なんで話しを進めるんですか!!!アホなんですか?!私はずっと言ってましたよね?!
とんでもないレベルとステータスだって!!!なんであんたらはくだらないプライドで認めないんですか!!!
目の前に居るのはレベル2500オーバーの正真正銘の化け物です!!
剣神、槍神、魔法神、竜神、聖神、精霊王
私達が聞いたこともない職業!!私達なんてどう頑張っても吐息一つで終わる存在です!!!!!』

『なんで早く言わないんだ!!!お前の責任だぞ!!!!』
『あほなのっ!!!!!!私は最初から言ってただろうがっっっ!!!』

女が項垂れる。

『どの道私達はここで終わる。これは確かです。』

男はまだ強気に話し出す!
『取り引きだ!お前らの師匠に15人行かせてる!!リーダーはレベル130を超えている!
俺達を解放すれば悪い様にはしない!
俺達を解放しろ!!!』

弟子達が大爆笑する!!
『し,師匠をレベル130程度が15人?!
あーはっはっはっは!!!!!お腹痛い!お腹痛い!!それで捕まえる?!面白い冗談だよ!!!!あーはっはっはっ!!!
お前ら、俺達がレベル2500超えてるのに師匠がそれ以下な訳ないだろう?!
教えてやるよ。師匠のレベルは有に3500を超えてるんだよ!!
今頃、串刺しにされて首が飛んでるよ!!』

男が訳が分からず叫ぶ。
『出まかせを言うな!!レベル3500なんて馬鹿げた人間が居るか!!!
そんなもん信じるか!!!』

遂に女が立ち上がり本気でブチ切れる!!
『お前はぁぁぁ!!アホかぁぁぁぁ!!目の前の現実を見ろぉぉぉぉ!!
あんたの、くだらない、あってもなくても良い、クソみたいなプライドのせいで皆んな死んだんだぁぁぁぁ!!
せめて死んで詫びろぉぉぉぉ!!!』

『パル、あの女は情報の為に生かしておいてくれ。』
『分かった。戦意も無さそうだしね。』
しかし次の瞬間
叫んでいる女を頭からドラゴンが喰らい付いて持ち上げる。
口から出ている足首がぶらぶら動いている。

『『『『『『あっ!!!!』』』』』』

弟子達がドラゴンを睨む!
ドラゴンはびっくりして動きを止める。
首を傾げて、目を泳がせ『え?!駄目なの?』って顔をする。
ロウがドラゴンに向かって、ゆっくり首を横に振る。

ドラゴンは恐る恐るロウの前まで顔を下げて舌に乗せた女を静かに置く。
白目をむいて気絶して足首が千切れかけているがまだ生きていた。

ドラゴンが上目遣いで許しを乞うと、ロウが2人の男達に指を指す。
ドラゴンが男達に振り返りゆっくり口を開ける!

男達が焦る!!
『ま、待て!待ってくれ!いや!待ってください!!!
俺達は、指示されただけなんだ!
だかr・・・・』
問答無用で頭から喰われ咀嚼されていた。

すると、門からエマがボロボロの男2人を引きずって入ってきた。

『襲って来たから死なない様に殺しておいたよ!』
エマが男達を放り投げる。
『お疲れさん!』
ギエンが親指を立てる!
『エマ、この女を治してやってくれ。』
『うん!【ハイヒール】!!』
魔力が身体を包み千切れかけてた足首も元に戻った。
ただ、ドラゴンの涎でベタベタなので
パルが水をぶっ掛ける。

女は上半身だけ跳ね起きる。
『ぶはっ!げほっ!げほっ!わ、私、生きてる?!生きてるの?!』
自分の身体を確認していてる。
そして顔を上げると見下ろしている弟子達と目が合う。
女は凄いスピードで土下座する。

『ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!私は鑑定する為に来ただけなんです!
でもあいつらが信じなくて!!
私は止めたんです!!!たから、だから、』

『そんな事はどうでもいいの。ここへ来た目的は何?
私達は機嫌が悪いの!さっさと答えて!』
パルが威圧する。

女が動揺する。
『あ、あの、それは、い、言えなくt・・・』
『あ”っ?!』
直ぐ後ろに倒れている男達にドラゴンが襲い掛かり、女の直ぐ隣で不快な音を立てながら咀嚼する。

『ひぃぃぁぁ!!こ、ご、ごめんなさい!!!わ、私は奴隷なんです!!主の不利になる事は言えないんです!!』

弟子達が眉を顰める。
『奴隷?!ちなみに言ったらどうなるの?』
『し、心臓が止まってし、死にます。』
怯えた顔になる。
パルが悪い顔になる。
『あんた、もしかして生きてここを出られると思っているの?!
謝罪の代わりに話して死ぬか、ドラゴンに食べられて死ぬか選びなさい!!』

女は絶望する、、、。何故こんな所で死ぬの?私は何の為に生きて来たの?
涙が溢れてくる。

『早く決めなさい!!』パルが急かす。
女は覚悟を決める。
『わ,私はゲランド帝国の奴隷です。』
『ぐっ!!うっ!』
女は苦しみ出して地面に頭を付けて動かなくなった。
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