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第17話 抗戦
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ゴルドが町の入口へ到着するとガベル・セルバン子爵と妻のユフィリアが既に待機していた。
「ガベル!!状況はどうなってる?!」
ガベルはゴルドの声に振り向くと渋い顔で門の外に目をやる。
「うむ・・・はっきり言って厳しい状況だ・・・魔物の数は約300。偵察によれば先頭に魔族らしい奴がいるらしい。それにゴブリン、オーク、コボルトの上位種を筆頭に統率がとれた軍団だ。その上魔物達が凶暴化しているようだ。今は町に居る冒険者を募ったが高ランク冒険者はほとんどがダンジョンに行っているんだ。ここに居るのはこのCランク冒険者5組と後は駆け出し冒険者ばかりだ。」
見れば自信なさ気な冒険者達が40人程が集まっていた。
「はぁ。簡単な話・・・どうしたって私達がやらなきゃこの町は廃墟になるって事よ。上位種以外は雑魚よ!さっさと雑魚を倒して上位種に集中出来るようにするのよ!!」
四属性魔導士ユフィリアは白髪のショートヘアーに赤と青を基調としたロングのローブを着こなしている。その佇まいは歳は感じるものの眼光鋭くS級冒険者に恥じぬ魔力を滲ませていた。そして赤、青、緑、茶色のオーブを先端にはめ込んだ四属性を想像させる杖をやる気満々で杖を一振りする。
「おう!ユフィリアの言う通りだ!!よし!町の入口を閉めて籠城するぞ!救難信号を見てダンジョンから帰って来る冒険者に期待するしかねぇな!」
「そうだな。それしかあるまい。それなら町に近付く前に出来るだけ数を減らすぞ!ふっ・・まさかアレを使う時が来るとはな。」
するとユフィリアが冒険者達に振り返る。
「そうね!君達の中で魔法が使える人は私に付いてきて!外壁の上から魔法でできる限り殲滅するわ!」
「は、はい。で、でも大丈夫でしょうか・・・」
「ま、まさか・・こんな事になるなんて・・」
冒険者達が突然の危機的状況に不安を口にし出した。するとユフィリアは腰に手を添えて杖を敷き石に勢いよく立てる!
「ふん!」
ごぉぉん!!
「ひぃ!!」
あまりの音に冒険者達がびっくりしてドン引きする。
「はぁ!!あんた達は冒険者でしようが!!いつもぬるま湯みたいな冒険ばかりじゃないのよ!!時にはこんな危機的状況もあるの!!それを理解して冒険者になったんでしょうが!!死にたくなかったら死ぬ気で切り抜けなさい!!いいわね?!」
S級冒険者ユフィリアの檄が新米冒険者達の鼓膜と闘志に痛いほど響いた・・・
「は、はい!!私行きます!!」
「ほ、僕も行くよ!!やってやる!!」
「そ、そうだ!こうなったらやるしか無いよな!」
若い冒険者達から声が上がるとユフィリアも頬を緩め杖を高らかに掲げる!
「それじゃあ気合い入れなさいよ!!行くわよ!!」
「はい!!」
気合の入った冒険者達とユフィリアは急足で外壁へと向かって行った。
そんな光景をガベルとゴルドが顔を見合わせふふっと肩をすくめる。
「ふっ・・変わらねぇな・・・」
そしてゴルドが残った部下の男達と冒険者達に振り返る!
「よぉし!!冒険者は俺とガベルに付いて来い!!入口の門の死守と町へ入ってきた魔物の殲滅だ!!テメェらは練習通り魔撃砲の準備だ!さっき救難信号を打ち上げた!数時間で援軍が来るはずだ!!それまで気合い入れろ!!」
「はい!!!」
「了解!!」
そしてゴルド達は皆で頷き合い急いで持ち場へと向かって行くのであった。
ゼノア達が〈港食堂〉の扉を開けると既に避難が始り焦って走る人々が我先にと濁流のように人の流れが出来ていた。
「こ、これは・・・」
シーラはゼノアの手を引いて外に出ようとしたが人の流れが速過ぎて戸惑っていた。
「シーラさん!これじゃあ危ないよ!暫くここで様子を見た方がいいよ!!」
すると女将のジーンがゼノアの頭の上に優しく手を置く。
「そうね。ゼノアちゃんの言う通りね。これじゃあ魔物にやられる前に怪我するよ!暫くここで様子を見た方がいいね。」
ジーンが食堂内をぐるりと見渡し食堂内に居る客達に頷くと皆も了解したように頷く。
「ゴルドさん達は大丈夫かな・・・」
ポツリとゼノアが呟くとジーンがしゃがみゼノアの両肩に手を置く。
「心配しなくても大丈夫!この町の外壁はゴルドさん達が昔の経験から造ったの!だから高くて頑丈なんだよ!それに空を飛ぶ魔物にも攻撃出来るように武器も用意してあるの!援軍が来るまで耐えれば大丈夫!きっと大丈夫よ!」
ジーンが笑顔を作りゼノアの頭をわしわしと撫でる。
「・・う、うん・・・」
取り敢えず返事はしたもののゼノア胸に引っ掛かる物があった。
(・・・さっきから身体が落ち着かない・・何かが変だ・・・お願いだから皆んな無事でありますように・・・)
四属性魔導士ユフィリアが外壁の上から自慢の杖を掲げる!
「さあ!遠慮は要らないわ!ここで殲滅するつもりで撃ちなさい!!こんな風にね!!〈インフェルノ〉!!!」
ずっどぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!
ユフィリアが火属性上級魔法を放つと圧倒的熱量の火柱が迫り来る魔物の群の中央で顕現する!魔物達は突然現れた絶望的な熱量に成す術無く焼かれ舞い上がって行く!
冒険者達は詠唱する事も忘れてその光景を唖然と見つめていた。
「・・す、すごい威力・・それに無詠唱・・」
「ま、マジか・・・こ、これが上級魔法・・」
「た、ただのおばさんじゃなかった・・・」
ごぉん!!
ユフィリアの杖が若い男の冒険者の頭を襲う!
「おぐっ!!」
「・・・あんた今、何か言った?」
「・・・い、いえ!!な、何でもありません!い、いつまでもお若いと!!」
「ふ、ふん・・・そんな事はどうでもいいからさっさと撃ちなさい!!ここは戦場よ!!」
「は、はいぃぃぃぃ!!!」
そう言われて慌てて冒険者達は全力で初級魔法を放つ。
外壁の上で対スタンピード用武器である魔撃砲の確認をしていたゴルドが立ち昇る火柱に手を止める。
「ひゅう・・・流石ユフィリアだな!これなら何とかなりそうだ!!よし!テメェらぁ!!!魔法隊の援護をたのんだぞ!!
「了解!!!」
魔撃砲は全長2メートルの固定式の大砲である。砲弾には魔法が付与されており着弾すれば中級魔法程度の威力があるのだ。そして激鉄には風魔法が付与され発射速度が強化されている。更に対空であれば砲弾の代わりに魔法付与された鋼の矢を束ね打ち出す事もできるのだ。
ゴルドの部下達は二人一組みで外壁の上に設置された二台の魔撃砲の発射台に各自陣取り魔物の群れを見据える!
「よし!空を飛んでくる奴はいなさそうだな!それじゃあ一丁ぶちかますぜぇぇ!!うおりぁぁ!!!」
ずどぉぉぉん!!どぉぉん!!どおぉおん!どどぉぉぉん!!
男達が勢いに乗って発射レバーを引くと衝撃と共に外壁の二箇所から砲弾が打ち出される!そして魔物の集団に着弾すると赤い爆炎を撒き散らし魔物達を吹き飛ばした。
「はんっ!!どんなもんだぁぁ!!まだまだ弾はあるんだ!!どんどん行くぜぇぇぇ!!」
そしてその様子を外壁の上から初級魔法を必死に放つ冒険者達が唖然として見ていた・・
「な、何だよアレは・・・まるでこの日の為に用意してあったみたいじゃないか・・」
「わ、私達の魔法なんかより・・・凄いよね・・・」
「う、うん・・・なんか・・自信無くなるよ・・・」
冒険者達が項垂れる。
「何をいっているの?!あんた達に何の自信があるって言うの?!あんた達はまだまだひよっこでしょうが!!今は余計な事を考えずに町を護る事だけを考えなさい!!」
「あっ・・は、はい!!」
冒険者達はユフィリアの檄に肩を跳ね上げ再び魔法を放ち始める。Cランクに上がり自分達の力に自信を持ち始めていた冒険者達は己の未熟さを痛感するのだった。
「へぇーー・・・人間の癖に頑張るじゃん・・・でもなんかムカつく・・僕は人間がもがいて足掻いて絶望しながら死んでいく姿が見たいんだよ。・・・ふふん・・じゃあちょっと絶望してもらおうかな・・・」
木の枝に腰掛けた黒いフードの男の子が不適に笑う。そして立てた人差し指の先に拳大の黒い魔力の塊を浮かべるのであった・・・
「ガベル!!状況はどうなってる?!」
ガベルはゴルドの声に振り向くと渋い顔で門の外に目をやる。
「うむ・・・はっきり言って厳しい状況だ・・・魔物の数は約300。偵察によれば先頭に魔族らしい奴がいるらしい。それにゴブリン、オーク、コボルトの上位種を筆頭に統率がとれた軍団だ。その上魔物達が凶暴化しているようだ。今は町に居る冒険者を募ったが高ランク冒険者はほとんどがダンジョンに行っているんだ。ここに居るのはこのCランク冒険者5組と後は駆け出し冒険者ばかりだ。」
見れば自信なさ気な冒険者達が40人程が集まっていた。
「はぁ。簡単な話・・・どうしたって私達がやらなきゃこの町は廃墟になるって事よ。上位種以外は雑魚よ!さっさと雑魚を倒して上位種に集中出来るようにするのよ!!」
四属性魔導士ユフィリアは白髪のショートヘアーに赤と青を基調としたロングのローブを着こなしている。その佇まいは歳は感じるものの眼光鋭くS級冒険者に恥じぬ魔力を滲ませていた。そして赤、青、緑、茶色のオーブを先端にはめ込んだ四属性を想像させる杖をやる気満々で杖を一振りする。
「おう!ユフィリアの言う通りだ!!よし!町の入口を閉めて籠城するぞ!救難信号を見てダンジョンから帰って来る冒険者に期待するしかねぇな!」
「そうだな。それしかあるまい。それなら町に近付く前に出来るだけ数を減らすぞ!ふっ・・まさかアレを使う時が来るとはな。」
するとユフィリアが冒険者達に振り返る。
「そうね!君達の中で魔法が使える人は私に付いてきて!外壁の上から魔法でできる限り殲滅するわ!」
「は、はい。で、でも大丈夫でしょうか・・・」
「ま、まさか・・こんな事になるなんて・・」
冒険者達が突然の危機的状況に不安を口にし出した。するとユフィリアは腰に手を添えて杖を敷き石に勢いよく立てる!
「ふん!」
ごぉぉん!!
「ひぃ!!」
あまりの音に冒険者達がびっくりしてドン引きする。
「はぁ!!あんた達は冒険者でしようが!!いつもぬるま湯みたいな冒険ばかりじゃないのよ!!時にはこんな危機的状況もあるの!!それを理解して冒険者になったんでしょうが!!死にたくなかったら死ぬ気で切り抜けなさい!!いいわね?!」
S級冒険者ユフィリアの檄が新米冒険者達の鼓膜と闘志に痛いほど響いた・・・
「は、はい!!私行きます!!」
「ほ、僕も行くよ!!やってやる!!」
「そ、そうだ!こうなったらやるしか無いよな!」
若い冒険者達から声が上がるとユフィリアも頬を緩め杖を高らかに掲げる!
「それじゃあ気合い入れなさいよ!!行くわよ!!」
「はい!!」
気合の入った冒険者達とユフィリアは急足で外壁へと向かって行った。
そんな光景をガベルとゴルドが顔を見合わせふふっと肩をすくめる。
「ふっ・・変わらねぇな・・・」
そしてゴルドが残った部下の男達と冒険者達に振り返る!
「よぉし!!冒険者は俺とガベルに付いて来い!!入口の門の死守と町へ入ってきた魔物の殲滅だ!!テメェらは練習通り魔撃砲の準備だ!さっき救難信号を打ち上げた!数時間で援軍が来るはずだ!!それまで気合い入れろ!!」
「はい!!!」
「了解!!」
そしてゴルド達は皆で頷き合い急いで持ち場へと向かって行くのであった。
ゼノア達が〈港食堂〉の扉を開けると既に避難が始り焦って走る人々が我先にと濁流のように人の流れが出来ていた。
「こ、これは・・・」
シーラはゼノアの手を引いて外に出ようとしたが人の流れが速過ぎて戸惑っていた。
「シーラさん!これじゃあ危ないよ!暫くここで様子を見た方がいいよ!!」
すると女将のジーンがゼノアの頭の上に優しく手を置く。
「そうね。ゼノアちゃんの言う通りね。これじゃあ魔物にやられる前に怪我するよ!暫くここで様子を見た方がいいね。」
ジーンが食堂内をぐるりと見渡し食堂内に居る客達に頷くと皆も了解したように頷く。
「ゴルドさん達は大丈夫かな・・・」
ポツリとゼノアが呟くとジーンがしゃがみゼノアの両肩に手を置く。
「心配しなくても大丈夫!この町の外壁はゴルドさん達が昔の経験から造ったの!だから高くて頑丈なんだよ!それに空を飛ぶ魔物にも攻撃出来るように武器も用意してあるの!援軍が来るまで耐えれば大丈夫!きっと大丈夫よ!」
ジーンが笑顔を作りゼノアの頭をわしわしと撫でる。
「・・う、うん・・・」
取り敢えず返事はしたもののゼノア胸に引っ掛かる物があった。
(・・・さっきから身体が落ち着かない・・何かが変だ・・・お願いだから皆んな無事でありますように・・・)
四属性魔導士ユフィリアが外壁の上から自慢の杖を掲げる!
「さあ!遠慮は要らないわ!ここで殲滅するつもりで撃ちなさい!!こんな風にね!!〈インフェルノ〉!!!」
ずっどぉぉぉぉぉぉぉぉん!!!!
ユフィリアが火属性上級魔法を放つと圧倒的熱量の火柱が迫り来る魔物の群の中央で顕現する!魔物達は突然現れた絶望的な熱量に成す術無く焼かれ舞い上がって行く!
冒険者達は詠唱する事も忘れてその光景を唖然と見つめていた。
「・・す、すごい威力・・それに無詠唱・・」
「ま、マジか・・・こ、これが上級魔法・・」
「た、ただのおばさんじゃなかった・・・」
ごぉん!!
ユフィリアの杖が若い男の冒険者の頭を襲う!
「おぐっ!!」
「・・・あんた今、何か言った?」
「・・・い、いえ!!な、何でもありません!い、いつまでもお若いと!!」
「ふ、ふん・・・そんな事はどうでもいいからさっさと撃ちなさい!!ここは戦場よ!!」
「は、はいぃぃぃぃ!!!」
そう言われて慌てて冒険者達は全力で初級魔法を放つ。
外壁の上で対スタンピード用武器である魔撃砲の確認をしていたゴルドが立ち昇る火柱に手を止める。
「ひゅう・・・流石ユフィリアだな!これなら何とかなりそうだ!!よし!テメェらぁ!!!魔法隊の援護をたのんだぞ!!
「了解!!!」
魔撃砲は全長2メートルの固定式の大砲である。砲弾には魔法が付与されており着弾すれば中級魔法程度の威力があるのだ。そして激鉄には風魔法が付与され発射速度が強化されている。更に対空であれば砲弾の代わりに魔法付与された鋼の矢を束ね打ち出す事もできるのだ。
ゴルドの部下達は二人一組みで外壁の上に設置された二台の魔撃砲の発射台に各自陣取り魔物の群れを見据える!
「よし!空を飛んでくる奴はいなさそうだな!それじゃあ一丁ぶちかますぜぇぇ!!うおりぁぁ!!!」
ずどぉぉぉん!!どぉぉん!!どおぉおん!どどぉぉぉん!!
男達が勢いに乗って発射レバーを引くと衝撃と共に外壁の二箇所から砲弾が打ち出される!そして魔物の集団に着弾すると赤い爆炎を撒き散らし魔物達を吹き飛ばした。
「はんっ!!どんなもんだぁぁ!!まだまだ弾はあるんだ!!どんどん行くぜぇぇぇ!!」
そしてその様子を外壁の上から初級魔法を必死に放つ冒険者達が唖然として見ていた・・
「な、何だよアレは・・・まるでこの日の為に用意してあったみたいじゃないか・・」
「わ、私達の魔法なんかより・・・凄いよね・・・」
「う、うん・・・なんか・・自信無くなるよ・・・」
冒険者達が項垂れる。
「何をいっているの?!あんた達に何の自信があるって言うの?!あんた達はまだまだひよっこでしょうが!!今は余計な事を考えずに町を護る事だけを考えなさい!!」
「あっ・・は、はい!!」
冒険者達はユフィリアの檄に肩を跳ね上げ再び魔法を放ち始める。Cランクに上がり自分達の力に自信を持ち始めていた冒険者達は己の未熟さを痛感するのだった。
「へぇーー・・・人間の癖に頑張るじゃん・・・でもなんかムカつく・・僕は人間がもがいて足掻いて絶望しながら死んでいく姿が見たいんだよ。・・・ふふん・・じゃあちょっと絶望してもらおうかな・・・」
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