1 / 201
第1話 プロローグ
しおりを挟む
『・・・止めてお願い。あなたに私の力を託します・・お願い・・・』
風にそよぐ草が頬を撫でる。
『・・・んんっ・・此処はどこだ?』
少年は身体を起こすと目の前には見渡す限りの草原が広がり気持ちの良い風が吹いていた。
少年は立ち上がり身体を確認するが特に異常は無い。
『本当に此処はどこなんだ?僕は確か・・・』
少年が何かを思い出そうとした時、不意に声を掛けられる。
『橘 涼太君だね?』
少年は心臓が飛び出しそうなほど驚いて振り返る。
『わっ!とっ!!は、はいぃぃぃ?!』
だ、誰だ?知らないぞ・・・一体僕はどうなるんだろう・・・。
そこには歳は30代ぐらいの清潔感溢れる男が立っていた。
『橘 涼太君。申し訳なかった。君は私の手違いで死んでしまったんだ。
君が死ぬ運命の人間を助けてしまったんだ。私がもっと配慮すればよかった。本当に申し訳ない。』
男は少年に深々と頭を下げる。
『えっ?!し、死んだ?!・・・あぁーーっ!!!!そうだ・・・歩道に突っ込んで来た車に撥ねられて・・・そうだ!!女の子は?!あの女の子は無事なんですか?!』
『あぁ、君のお陰で死の運命を乗り越えて無事だ。人間としての寿命を全うするだろう。』
『そうですか!良かった!』
少年はガッツポーズをして喜んでいる。
その姿を見て男がふっと笑う。
『面白い男だな。自分は死んだのに他人の心配をするとはな。』
『だって目の前で何も出来ずに人が死ぬのを見る方がよっぽど辛いですよ!僕は僕が出来る事をして人が助かったんです!こんなに嬉しい事はないですよ!!』
少年は目を輝かせる。
ふふ・・何という少年だ。なんと眩しい輝きを放つ少年なんだ・・。
普段なら少し特典を付けて転生させて終わるが・・・面白い・・・。
『橘 涼太君。君を違う世界に転生出来るのだが興味はあるかい?
もし興味が無ければこのまま無に帰るだけだ。』
おお!異世界転生ってやつか!こんな機会滅多に無いもんね!
普通なら色々と特典なんかが付くんだよね。
ははっ面白そうだ!
少年がニヤニヤしながら考えていると男性もフフッと笑う。
『どうやら興味があるようだね。もちろん手助けはするつもりだよ。
それと、これまでの君の記憶は消えるし私と会った記憶も消える。
これから君が行く世界は剣と魔法の世界だ。レベルとステータスでどんどん強くなれる世界だ。
橘 涼太君。どうだい?転生するかい?』
少年は拳を握る
『はい!!!お願いします!!』
男は少年の返事に満足したように頷く。
『分かった!許可しよう!早速はじめるよ。
あと自分のステータスを見れるようにしておくから見れるようになったら確認してくれ。』
すると橘 涼太は光に包まれ光の玉になり空の彼方に消えて行った。
『素晴らしい魂の持ち主だったな・・・人間にしておくのは勿体無いな。あ・・・ステータス見れるようにって・・記憶が消えるんだった・・・まあ、取り敢えず見れるようにしておくか・・・」
男が橘 涼太のステータスを見ると眉を顰めて頭を掻く。
『あっ、しまった・・・転生先の基本設定を勘違いしていた・・・今まで神国に行ってたからな・・・転生先の設定はと・・・うわっ!!低っ!!!へ、平均レベル358?!
はは・・・やってしまった・・・・。
・・・ん?こ、これは・・・ふふ、そうか。君は既に・・・
ま、まあ彼なら大丈夫だろう・・・そうだ擬装でしばらくステータスを隠して・・・力の調節が出来るまで枷を付けておこう。
しかしこの判断が転生先で試練となる事を知る由もなかった。
神国の設定でステータスを10倍にした神様。
しかし転生先で換算するとなんと100倍のステータスになっていた。そして更に・・・
これから彼の冒険が始まる。一体何が待ち受けているのか?どんな人生を歩むのか?物語の始まりである。
風にそよぐ草が頬を撫でる。
『・・・んんっ・・此処はどこだ?』
少年は身体を起こすと目の前には見渡す限りの草原が広がり気持ちの良い風が吹いていた。
少年は立ち上がり身体を確認するが特に異常は無い。
『本当に此処はどこなんだ?僕は確か・・・』
少年が何かを思い出そうとした時、不意に声を掛けられる。
『橘 涼太君だね?』
少年は心臓が飛び出しそうなほど驚いて振り返る。
『わっ!とっ!!は、はいぃぃぃ?!』
だ、誰だ?知らないぞ・・・一体僕はどうなるんだろう・・・。
そこには歳は30代ぐらいの清潔感溢れる男が立っていた。
『橘 涼太君。申し訳なかった。君は私の手違いで死んでしまったんだ。
君が死ぬ運命の人間を助けてしまったんだ。私がもっと配慮すればよかった。本当に申し訳ない。』
男は少年に深々と頭を下げる。
『えっ?!し、死んだ?!・・・あぁーーっ!!!!そうだ・・・歩道に突っ込んで来た車に撥ねられて・・・そうだ!!女の子は?!あの女の子は無事なんですか?!』
『あぁ、君のお陰で死の運命を乗り越えて無事だ。人間としての寿命を全うするだろう。』
『そうですか!良かった!』
少年はガッツポーズをして喜んでいる。
その姿を見て男がふっと笑う。
『面白い男だな。自分は死んだのに他人の心配をするとはな。』
『だって目の前で何も出来ずに人が死ぬのを見る方がよっぽど辛いですよ!僕は僕が出来る事をして人が助かったんです!こんなに嬉しい事はないですよ!!』
少年は目を輝かせる。
ふふ・・何という少年だ。なんと眩しい輝きを放つ少年なんだ・・。
普段なら少し特典を付けて転生させて終わるが・・・面白い・・・。
『橘 涼太君。君を違う世界に転生出来るのだが興味はあるかい?
もし興味が無ければこのまま無に帰るだけだ。』
おお!異世界転生ってやつか!こんな機会滅多に無いもんね!
普通なら色々と特典なんかが付くんだよね。
ははっ面白そうだ!
少年がニヤニヤしながら考えていると男性もフフッと笑う。
『どうやら興味があるようだね。もちろん手助けはするつもりだよ。
それと、これまでの君の記憶は消えるし私と会った記憶も消える。
これから君が行く世界は剣と魔法の世界だ。レベルとステータスでどんどん強くなれる世界だ。
橘 涼太君。どうだい?転生するかい?』
少年は拳を握る
『はい!!!お願いします!!』
男は少年の返事に満足したように頷く。
『分かった!許可しよう!早速はじめるよ。
あと自分のステータスを見れるようにしておくから見れるようになったら確認してくれ。』
すると橘 涼太は光に包まれ光の玉になり空の彼方に消えて行った。
『素晴らしい魂の持ち主だったな・・・人間にしておくのは勿体無いな。あ・・・ステータス見れるようにって・・記憶が消えるんだった・・・まあ、取り敢えず見れるようにしておくか・・・」
男が橘 涼太のステータスを見ると眉を顰めて頭を掻く。
『あっ、しまった・・・転生先の基本設定を勘違いしていた・・・今まで神国に行ってたからな・・・転生先の設定はと・・・うわっ!!低っ!!!へ、平均レベル358?!
はは・・・やってしまった・・・・。
・・・ん?こ、これは・・・ふふ、そうか。君は既に・・・
ま、まあ彼なら大丈夫だろう・・・そうだ擬装でしばらくステータスを隠して・・・力の調節が出来るまで枷を付けておこう。
しかしこの判断が転生先で試練となる事を知る由もなかった。
神国の設定でステータスを10倍にした神様。
しかし転生先で換算するとなんと100倍のステータスになっていた。そして更に・・・
これから彼の冒険が始まる。一体何が待ち受けているのか?どんな人生を歩むのか?物語の始まりである。
192
あなたにおすすめの小説
前世は最強の宝の持ち腐れ!?二度目の人生は創造神が書き換えた神級スキルで気ままに冒険者します!!
yoshikazu
ファンタジー
主人公クレイは幼い頃に両親を盗賊に殺され物心付いた時には孤児院にいた。このライリー孤児院は子供達に客の依頼仕事をさせ手間賃を稼ぐ商売を生業にしていた。しかしクレイは仕事も遅く何をやっても上手く出来なかった。そしてある日の夜、無実の罪で雪が積もる極寒の夜へと放り出されてしまう。そしてクレイは極寒の中一人寂しく路地裏で生涯を閉じた。
だがクレイの中には創造神アルフェリアが創造した神の称号とスキルが眠っていた。しかし創造神アルフェリアの手違いで神のスキルが使いたくても使えなかったのだ。
創造神アルフェリアはクレイの魂を呼び寄せお詫びに神の称号とスキルを書き換える。それは経験したスキルを自分のものに出来るものであった。
そしてクレイは元居た世界に転生しゼノアとして二度目の人生を始める。ここから前世での惨めな人生を振り払うように神級スキルを引っ提げて冒険者として突き進む少年ゼノアの物語が始まる。
封印されていたおじさん、500年後の世界で無双する
鶴井こう
ファンタジー
「魔王を押さえつけている今のうちに、俺ごとやれ!」と自ら犠牲になり、自分ごと魔王を封印した英雄ゼノン・ウェンライト。
突然目が覚めたと思ったら五百年後の世界だった。
しかもそこには弱体化して少女になっていた魔王もいた。
魔王を監視しつつ、とりあえず生活の金を稼ごうと、冒険者協会の門を叩くゼノン。
英雄ゼノンこと冒険者トントンは、おじさんだと馬鹿にされても気にせず、時代が変わってもその強さで無双し伝説を次々と作っていく。
異世界に召喚されて2日目です。クズは要らないと追放され、激レアユニークスキルで危機回避したはずが、トラブル続きで泣きそうです。
もにゃむ
ファンタジー
父親に教師になる人生を強要され、父親が死ぬまで自分の望む人生を歩むことはできないと、人生を諦め淡々とした日々を送る清泉だったが、夏休みの補習中、突然4人の生徒と共に光に包まれ異世界に召喚されてしまう。
異世界召喚という非現実的な状況に、教師1年目の清泉が状況把握に努めていると、ステータスを確認したい召喚者と1人の生徒の間にトラブル発生。
ステータスではなく職業だけを鑑定することで落ち着くも、清泉と女子生徒の1人は職業がクズだから要らないと、王都追放を言い渡されてしまう。
残留組の2人の生徒にはクズな職業だと蔑みの目を向けられ、
同時に追放を言い渡された女子生徒は問題行動が多すぎて退学させるための監視対象で、
追加で追放を言い渡された男子生徒は言動に違和感ありまくりで、
清泉は1人で自由に生きるために、問題児たちからさっさと離れたいと思うのだが……
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
異世界は流されるままに
椎井瑛弥
ファンタジー
貴族の三男として生まれたレイは、成人を迎えた当日に意識を失い、目が覚めてみると剣と魔法のファンタジーの世界に生まれ変わっていたことに気づきます。ベタです。
日本で堅実な人生を送っていた彼は、無理をせずに一歩ずつ着実に歩みを進むつもりでしたが、なぜか思ってもみなかった方向に進むことばかり。ベタです。
しっかりと自分を持っているにも関わらず、なぜか思うようにならないレイの冒険譚、ここに開幕。
これを書いている人は縦書き派ですので、縦書きで読むことを推奨します。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる