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第7話 メルト村会議
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村の大人達が集まり今回の事件について話し合っていた。
見張り台の増設や柵の改良など多人数に襲われた時の対処法や合図の取り決めを話し合った。
そして皆が1番気になっている話題へと移って行った。
『ソフィア、勘違いしないで欲しいのだが皆感謝しているんだ。
今回、ミハエルがいなければこの村は壊滅するか山賊の喰い物になっていた。
だから皆を代表して礼を言う。』
ガインが頭を下げると同時に皆が頭を下げる。
『あっ、いや、頭を上げてください。実は私もびっくりしているんです。』
ソフィアが慌てて口を開く。
ガインは頭を上げて腰を据える。
『俺はあまり人の事情に踏み込まないのだが今回の事で話をしなければと思う。
実はな、3ヶ月程前にクラインド王国から使いが来たんだ。
使者が言うにはクラインド王が君達を探していると言うんだ。
しかしその時は事情が分からず、居ないと答えた。
理由は言わなかったがこの話は内密にして欲しいと言っていたが何か心当たりはあるのか?』
ソフィアはガインの話を聞きながら虚空を見つめ、成人した日に母から聞かされた話を思い出していた。
私の本当の父親は偉い人を助けて死んだと・・・それからずっと村に多額の寄付がされていたと。
ソフィアは気付く。村を野盗に襲われたあとも路頭に迷う事もなくセイルさんの所で何不自由なく生活して、セイルさんの勧めで晩餐会に出席してミランドと出会った。
そうだったのね・・お父さんが助けた人は・・クラインド王だったんだ。王様は今までずっと私を見守ってくれていた・・・。
自然とソフィアの目に涙が溢れてくる。
ガインは優しくソフィアに話しかける。
『心当たりがあるんだな?その様子だと悪い話では無いようだ。
それならば無理には聞かない。君の成すべき事をするといい。』
ソフィアは涙を拭き顔を上げる。
『村長さん。今の話で全てが分かりました。
ありがとうございました。
ここへ来た経緯をお話しします。』
ソフィアは自分の父親の事から順を追って語り出した。
話終わると女性達から啜り泣く声が聞こえて来る。
『我が子を捨てるなんて・・・許せないわ!!そんな男は死刑よ!!』
ガインも目尻に溜まった涙を拭く。
『大変だったな・・・この村で良ければ好きなだけ居ればいい。改めて歓迎する。
あとミハエルはもしかしたら〈神の使人〉(かみのつかいびと)かもしれん。』
『〈神の使人〉?!』
ソフィアは聞きなれない言葉に目を丸くする。
『あぁ、これは俺達冒険者の間でそう呼んでいるんだ。
俺も何度か会った事があってな・・・とにかく規格外の強さだった。
特徴的なのはステータスに〈神の加護〉がある事だ。
そしてステータスは通常の10倍以上あるんだ。
ミハエルは鑑定の儀で加護はあったのか?』
ソフィアが遠い記憶を手繰り寄せて思い出す。
『そう言えば・・確か・・〈神の枷〉だった・・』
『神の枷?!』
ガインはしばらく考え勢いよく顔を上げる!
『うん!ミハエルは正真正銘の〈神の使人〉だ。
俺の考えが間違っていなければミハエルは山賊団の前で〈神の枷〉を打ち破ったに違いない!
恐らく神はミハエルが力を使いこなせるようになるまで枷を付けたんだ!
今のミハエルは恐らく・・いや絶対に神の加護を受けている!』
ガインは珍しくテンションが上がり子供の様にそわそわして期待の眼差しでソフィアを見る。
『ソフィア!明日ミハエルを鑑定したいんだがいいか?』
『えぇ、いいと思うわ。ミハエルが嫌がらなければ・・・ところで村長は鑑定が使えるんですか?』
『いや、俺の仲間に鑑定を使える奴が居るんだ。・・・実は既に連絡してある・・・』
バツが悪く頭を掻きながらソフィアの顔を見るのであった。
〈?????〉
『ふっ。〈神の使人〉か・・面白い。
それにしても鋭い人間もいるのだな・・。それならば偽装を解除してやろう。
ミハエルも使えるから問題無いな。
見張り台の増設や柵の改良など多人数に襲われた時の対処法や合図の取り決めを話し合った。
そして皆が1番気になっている話題へと移って行った。
『ソフィア、勘違いしないで欲しいのだが皆感謝しているんだ。
今回、ミハエルがいなければこの村は壊滅するか山賊の喰い物になっていた。
だから皆を代表して礼を言う。』
ガインが頭を下げると同時に皆が頭を下げる。
『あっ、いや、頭を上げてください。実は私もびっくりしているんです。』
ソフィアが慌てて口を開く。
ガインは頭を上げて腰を据える。
『俺はあまり人の事情に踏み込まないのだが今回の事で話をしなければと思う。
実はな、3ヶ月程前にクラインド王国から使いが来たんだ。
使者が言うにはクラインド王が君達を探していると言うんだ。
しかしその時は事情が分からず、居ないと答えた。
理由は言わなかったがこの話は内密にして欲しいと言っていたが何か心当たりはあるのか?』
ソフィアはガインの話を聞きながら虚空を見つめ、成人した日に母から聞かされた話を思い出していた。
私の本当の父親は偉い人を助けて死んだと・・・それからずっと村に多額の寄付がされていたと。
ソフィアは気付く。村を野盗に襲われたあとも路頭に迷う事もなくセイルさんの所で何不自由なく生活して、セイルさんの勧めで晩餐会に出席してミランドと出会った。
そうだったのね・・お父さんが助けた人は・・クラインド王だったんだ。王様は今までずっと私を見守ってくれていた・・・。
自然とソフィアの目に涙が溢れてくる。
ガインは優しくソフィアに話しかける。
『心当たりがあるんだな?その様子だと悪い話では無いようだ。
それならば無理には聞かない。君の成すべき事をするといい。』
ソフィアは涙を拭き顔を上げる。
『村長さん。今の話で全てが分かりました。
ありがとうございました。
ここへ来た経緯をお話しします。』
ソフィアは自分の父親の事から順を追って語り出した。
話終わると女性達から啜り泣く声が聞こえて来る。
『我が子を捨てるなんて・・・許せないわ!!そんな男は死刑よ!!』
ガインも目尻に溜まった涙を拭く。
『大変だったな・・・この村で良ければ好きなだけ居ればいい。改めて歓迎する。
あとミハエルはもしかしたら〈神の使人〉(かみのつかいびと)かもしれん。』
『〈神の使人〉?!』
ソフィアは聞きなれない言葉に目を丸くする。
『あぁ、これは俺達冒険者の間でそう呼んでいるんだ。
俺も何度か会った事があってな・・・とにかく規格外の強さだった。
特徴的なのはステータスに〈神の加護〉がある事だ。
そしてステータスは通常の10倍以上あるんだ。
ミハエルは鑑定の儀で加護はあったのか?』
ソフィアが遠い記憶を手繰り寄せて思い出す。
『そう言えば・・確か・・〈神の枷〉だった・・』
『神の枷?!』
ガインはしばらく考え勢いよく顔を上げる!
『うん!ミハエルは正真正銘の〈神の使人〉だ。
俺の考えが間違っていなければミハエルは山賊団の前で〈神の枷〉を打ち破ったに違いない!
恐らく神はミハエルが力を使いこなせるようになるまで枷を付けたんだ!
今のミハエルは恐らく・・いや絶対に神の加護を受けている!』
ガインは珍しくテンションが上がり子供の様にそわそわして期待の眼差しでソフィアを見る。
『ソフィア!明日ミハエルを鑑定したいんだがいいか?』
『えぇ、いいと思うわ。ミハエルが嫌がらなければ・・・ところで村長は鑑定が使えるんですか?』
『いや、俺の仲間に鑑定を使える奴が居るんだ。・・・実は既に連絡してある・・・』
バツが悪く頭を掻きながらソフィアの顔を見るのであった。
〈?????〉
『ふっ。〈神の使人〉か・・面白い。
それにしても鋭い人間もいるのだな・・。それならば偽装を解除してやろう。
ミハエルも使えるから問題無いな。
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