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第66話 王宮前
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「これは・・・戦争でも始めるつもりなのかしら・・・」
「よく分からないけど・・・歓迎はされてなさそうだね・・・」
ミハエル達の呆れる目線の先には王宮の巨大な金色の門の前に武装し殺気立った兵士達が数百人整列し待ち構えている光景であった。
どれだけ警戒してるんだよ・・・
「・・取り敢えず行ってみましょうか。」
「そうだね・・・」
ミハエルはアンリルの横に並び厳重警戒中の王宮へと歩き出した。
しかし近づくにつれて兵士達がざわつき緊張が解けて行くのが分かる。
(なあ?まさかあの2人か?)
(そうみたいだな・・たかだか女子供に俺達は駆り出されたのかよ?)
(勘弁してくれよ・・・俺は今日休みだったんだぞ?!馬鹿馬鹿しい・・・)
するとそんな文句を吹き飛ばすように王宮の入り口から男が檄を飛ばす!
「黙れぇ!!陣形を崩すな!!お前等は馬鹿か?!見た目で判断するなといつも言っているだろう?!
ガキはともかく、あの女は〈S級冒険者〉賢者アンリルだ!気を抜くな!!」
そこには青い髪を手櫛で掻き揚げたような髪型で赤と黒を基調とした魔導士風な服を着た男が眼光鋭く立っていた。
(け、賢者アンリルだって?!)
(神の加護が無いにも関わらず〈神の使人〉が敵わないんだろう?!)
(で、でもレイザル様なら大丈夫だろ!)
兵士達が再びざわつく。
(まあまあ出来るみたいね。・・・でも見た目で判断してるのは同じね・・・)
(仕方ないよ。ステータスを抑えているからね。さあ・・どう出て来るかな・・)
「サリア。奴等の〈鑑定〉しろ!!何かあったら援護しろよ!!」
レイザルは黄色のショートカットで童顔の丸い眼鏡を掛けた女の子に指示を出す。
しかしサリアは既に〈鑑定〉をしてカタカタと小刻みに震えながら首を振っていた。
「う、嘘よ・・なによ・・・この馬鹿げたステータスは?!こ、こんな人間が居るはず無いわ・・・そ、それに神の加護を受けているじゃない・・・〈太陽神の加護〉?!・・レイザルさん!駄目よ!!刺激しては駄目!!私達・・・いえ!この国が束になっても敵わないわ!!」
サリアは必死の形相でレイザルの両腕を掴んで懇願する!
「馬鹿言え!!俺達はこの国で最強の魔導士なんだぞ?!おいそれとやられるものか!!ここで引いたら〈八星魔導士〉の名が廃る!」
しかしサリアは必死でレイザルに縋る!
「レイザルさん!お願い!!聞いて!!アンリルの魔力は3400万を超えているの!!これにどうしたら勝てるの?!私達の20倍以上よ?!それに、私の勘だと最も警戒するのは子供の方よ!!
私の〈鑑定〉は上位互換の〈看破〉よ。それによればステータスを擬装しているわ!
いい?!レベル800の私が見れないのよ?!どう言う事だか分かる?!私達より遥かにレベルが高いの!!ここで下手に怒らせればアンリルだけでも国が滅ぶレベルなの!!くだらないプライドは捨てて冷静に話をしてください!決していつものように喧嘩を売らないでください!!」
サリアはまさに国の危機だと判断したのだ。この2人を刺激してはいけないと。セルフィア王が警戒レベルを最高レベルにした事は正しかったと思うのであった。
「な、なんだと?!3400万?!そ、そんなはずは無い!な、何かの間違いだ!くそぉぉぉぉ!!だったら俺が試してやる!!」
しかしレイザルは納得しようとはしなかった。
自分達は最強の魔導士だと信じているのだ。自分達より優れた魔導士はいないと信じているのだ。
サリアはレイザルの腰にしがみ付いて引き止める!!
「レイザルさん!!駄目です!!冷静に!!試したその日が命日になりますよ!!」
「なんか揉めてるわね・・・〈看破〉か・・いい判断するじゃない。こんな所にもちゃんと出来る人材がいるのね。」
アンリルが肩をすくめるとミハエルも頷く。
「そうだね。男の人は納得して無さそうだね・・・本当に意地の塊だよね。仕方ないな・・・これじゃあ埒が開かないよ。・・アンリルさん。少しだけあの人達を大人しくさせるから気を付けてね!」
「えっ?どうやって?」
アンリルは少し嫌な予感がする。
するとミハエルは指輪を3つ外した・・
「えっ?!3つ?!ちょ、ちょっと待って・・〈フォースフィールド〉!!!」
アンリルは焦って自分の周りだけシールドを張った。
するとサリアがミハエルの魔力にいち早く反応した。
「レイザルさん!!あの子何かするつもりよ!!あの魔力は異質よ!!全力で防御してください!!!
皆さんも魔力全開で防御して!!!!」
「何?!何をするって?!・・・」
レイザルの魔法防御が一瞬遅れる・・・
そしてミハエルは魔力を解放して拡散する!!
「よっと!!」
ずおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
ミハエルを中心に神力という名の魔力が暴風の如く吹き荒れる!!
「ぐはぁぁぁぁぁ!!!!」
兵士達の魔法防御など無いも等しく吹き飛ばし数百人の男達が将棋倒しで崩れ去る。
「ごはっ!!!」
レイザルはミハエルの魔力をモロに喰らい吹き飛ばされ泡を吹いて仰向けで倒れる!
「あふっっ!!!」
サリアも全力で魔法防御したもののサリアの魔力障壁を容易く突き破り咽せ狂う魔力に塗れて意識を失うのであった。
「ふう。こんなもんかな!」
ミハエルは指輪をはめて歩き出す。
あ、危なかった・・・〈フォースフィールド〉でもギリギリだった・・・
魔力を解放しただけで・・・この威力・・それもまだ全力じゃ無い・・・セルフィア王・・・同情するわ・・
【世界神の部屋】
「・・・ミハエルか・・この歳でもうこの世界では役不足であろうな・・・」
「そうなのだ・・・だが、いつの時代にも愚かな者が蔓延り秩序を乱し世界を荒廃させて行くのだ。それを正す者が必要なのだよ。」
まあ、今回は偶然そうなっただけなのだが・・
「ほう。それがミハエルと言う事か・・・確かに〈光の末裔〉なら悪に染まる事はないだろう。ふっ・・・面白い。」
「よく分からないけど・・・歓迎はされてなさそうだね・・・」
ミハエル達の呆れる目線の先には王宮の巨大な金色の門の前に武装し殺気立った兵士達が数百人整列し待ち構えている光景であった。
どれだけ警戒してるんだよ・・・
「・・取り敢えず行ってみましょうか。」
「そうだね・・・」
ミハエルはアンリルの横に並び厳重警戒中の王宮へと歩き出した。
しかし近づくにつれて兵士達がざわつき緊張が解けて行くのが分かる。
(なあ?まさかあの2人か?)
(そうみたいだな・・たかだか女子供に俺達は駆り出されたのかよ?)
(勘弁してくれよ・・・俺は今日休みだったんだぞ?!馬鹿馬鹿しい・・・)
するとそんな文句を吹き飛ばすように王宮の入り口から男が檄を飛ばす!
「黙れぇ!!陣形を崩すな!!お前等は馬鹿か?!見た目で判断するなといつも言っているだろう?!
ガキはともかく、あの女は〈S級冒険者〉賢者アンリルだ!気を抜くな!!」
そこには青い髪を手櫛で掻き揚げたような髪型で赤と黒を基調とした魔導士風な服を着た男が眼光鋭く立っていた。
(け、賢者アンリルだって?!)
(神の加護が無いにも関わらず〈神の使人〉が敵わないんだろう?!)
(で、でもレイザル様なら大丈夫だろ!)
兵士達が再びざわつく。
(まあまあ出来るみたいね。・・・でも見た目で判断してるのは同じね・・・)
(仕方ないよ。ステータスを抑えているからね。さあ・・どう出て来るかな・・)
「サリア。奴等の〈鑑定〉しろ!!何かあったら援護しろよ!!」
レイザルは黄色のショートカットで童顔の丸い眼鏡を掛けた女の子に指示を出す。
しかしサリアは既に〈鑑定〉をしてカタカタと小刻みに震えながら首を振っていた。
「う、嘘よ・・なによ・・・この馬鹿げたステータスは?!こ、こんな人間が居るはず無いわ・・・そ、それに神の加護を受けているじゃない・・・〈太陽神の加護〉?!・・レイザルさん!駄目よ!!刺激しては駄目!!私達・・・いえ!この国が束になっても敵わないわ!!」
サリアは必死の形相でレイザルの両腕を掴んで懇願する!
「馬鹿言え!!俺達はこの国で最強の魔導士なんだぞ?!おいそれとやられるものか!!ここで引いたら〈八星魔導士〉の名が廃る!」
しかしサリアは必死でレイザルに縋る!
「レイザルさん!お願い!!聞いて!!アンリルの魔力は3400万を超えているの!!これにどうしたら勝てるの?!私達の20倍以上よ?!それに、私の勘だと最も警戒するのは子供の方よ!!
私の〈鑑定〉は上位互換の〈看破〉よ。それによればステータスを擬装しているわ!
いい?!レベル800の私が見れないのよ?!どう言う事だか分かる?!私達より遥かにレベルが高いの!!ここで下手に怒らせればアンリルだけでも国が滅ぶレベルなの!!くだらないプライドは捨てて冷静に話をしてください!決していつものように喧嘩を売らないでください!!」
サリアはまさに国の危機だと判断したのだ。この2人を刺激してはいけないと。セルフィア王が警戒レベルを最高レベルにした事は正しかったと思うのであった。
「な、なんだと?!3400万?!そ、そんなはずは無い!な、何かの間違いだ!くそぉぉぉぉ!!だったら俺が試してやる!!」
しかしレイザルは納得しようとはしなかった。
自分達は最強の魔導士だと信じているのだ。自分達より優れた魔導士はいないと信じているのだ。
サリアはレイザルの腰にしがみ付いて引き止める!!
「レイザルさん!!駄目です!!冷静に!!試したその日が命日になりますよ!!」
「なんか揉めてるわね・・・〈看破〉か・・いい判断するじゃない。こんな所にもちゃんと出来る人材がいるのね。」
アンリルが肩をすくめるとミハエルも頷く。
「そうだね。男の人は納得して無さそうだね・・・本当に意地の塊だよね。仕方ないな・・・これじゃあ埒が開かないよ。・・アンリルさん。少しだけあの人達を大人しくさせるから気を付けてね!」
「えっ?どうやって?」
アンリルは少し嫌な予感がする。
するとミハエルは指輪を3つ外した・・
「えっ?!3つ?!ちょ、ちょっと待って・・〈フォースフィールド〉!!!」
アンリルは焦って自分の周りだけシールドを張った。
するとサリアがミハエルの魔力にいち早く反応した。
「レイザルさん!!あの子何かするつもりよ!!あの魔力は異質よ!!全力で防御してください!!!
皆さんも魔力全開で防御して!!!!」
「何?!何をするって?!・・・」
レイザルの魔法防御が一瞬遅れる・・・
そしてミハエルは魔力を解放して拡散する!!
「よっと!!」
ずおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!
ミハエルを中心に神力という名の魔力が暴風の如く吹き荒れる!!
「ぐはぁぁぁぁぁ!!!!」
兵士達の魔法防御など無いも等しく吹き飛ばし数百人の男達が将棋倒しで崩れ去る。
「ごはっ!!!」
レイザルはミハエルの魔力をモロに喰らい吹き飛ばされ泡を吹いて仰向けで倒れる!
「あふっっ!!!」
サリアも全力で魔法防御したもののサリアの魔力障壁を容易く突き破り咽せ狂う魔力に塗れて意識を失うのであった。
「ふう。こんなもんかな!」
ミハエルは指輪をはめて歩き出す。
あ、危なかった・・・〈フォースフィールド〉でもギリギリだった・・・
魔力を解放しただけで・・・この威力・・それもまだ全力じゃ無い・・・セルフィア王・・・同情するわ・・
【世界神の部屋】
「・・・ミハエルか・・この歳でもうこの世界では役不足であろうな・・・」
「そうなのだ・・・だが、いつの時代にも愚かな者が蔓延り秩序を乱し世界を荒廃させて行くのだ。それを正す者が必要なのだよ。」
まあ、今回は偶然そうなっただけなのだが・・
「ほう。それがミハエルと言う事か・・・確かに〈光の末裔〉なら悪に染まる事はないだろう。ふっ・・・面白い。」
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