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第68話 魔導砲
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「なあ?あいつ等何してんだ?!完全に俺達の事無視してないか?」
レイザルが3人のやり取りを眺めていた。
「そうね、まるで眼中に無いって感じね・・・なんかムカつくわね。」
ミゲルの治療が終わり赤毛の女が立ち上がるとミゲルも身体を起こす。
「くそっ!サリアめ!!今まで使ってやった恩を忘れやがって!!
お前等!!奴等を半殺しにして連れて行くぞ!!相手は賢者アンリルだ!手加減は無用だ!!〈魔導砲〉だ!!準備しろ!」
ミゲルは眉間に皺を寄せながら立ち上がった
「えっ?!でも〈魔導砲〉はサリアさんの魔核と魔力が必要じゃ無いんですか?!」
小柄な蒼髪のライナードが言うとミゲルはニヤリと笑い懐から掌にすっぽり収まるぐらいの赤く四角い石のような物を取り出した。
「心配するな!こいつはサリアが緊急用に作った魔核だ!魔力は俺達が込めれば良いんだよ!!あいつは自分の作った魔核で自滅するんだよ!!クックック・・・」
「さあ行くわよ!さっさと終わらせて歓迎会をしないとね!」
仲間が出来てテンションが上がるアンリルが拳を握る!
「わあ!ありがとうございます!!」
サリアが両手を合わせて笑顔ではしゃぐ。
も、もう仲良くなってるよ・・・まあいいか・・取り敢えず王様に会うのが先決だね。
・・って・・あれは・・・
ミハエルはサリアの服の裾を引っ張って指を差す。
「ねえ、サリアさん!あれは何をしているの?」
指差す方を見れば〈八星魔導士〉達がミゲルを中心に魔力を高めている姿であった。
「あっ!あれは〈魔導砲〉です。〈八星魔導士〉の切り札なんですが・・・あれは私が開発したもので本当の名前は〈精霊砲〉なんです。他のメンバーが勝手に名前を変えてしまったんです。」
「なんでこんな所で切り札を使うの?僕達は王様に会いにだけなのに・・・」
ミハエルはムッとしてミゲル達を見るとサリアはふっと笑いながらミハエルの肩に手を置く。
「ミハエル君大丈夫だと思うよ。あの魔核はミゲルが私が居なくても使えるようにしろって無理矢理作った物なの。だけど彼等のレベルでは魔力を充填する事で手一杯でコントロールまで出来ないわ。
だって今まで私が半分以上魔力を充填してコントロールも私がしていたんだからね!根拠のない自信だけの彼等には無理よ。
ちなみに魔核はね火の精霊を宿らせた魔法石に魔力を充填する事で精霊の力を増幅して撃ち出す仕組みなの。・・・さて・・・その増幅した魔力をコントロール出来ないとどうなるか・・・見てて・・面白いものが見れるわよ・・・」
サリアに作らせた魔核に〈八星魔導士〉7人が魔力を充填しているが一向に充填出来ずに焦っていた・・・
「ミ、ミゲル・・・私・・も、もう限界・・・」
赤毛の女が崩れ落ちる・・・
「俺も・・・無理・・」
レイザルが膝を付いた。
「私も・・・」
次々と魔力切れで倒れて行く・・そして・・
「くっ・・・ど、どれだけ魔力が・・必要なんだ・・・・も、もう・・だ、駄目だ・・」
遂にミゲルさえも魔力切れで倒れる。残されたライナードとカリン兄妹は目の前で真っ赤に浮かぶ大きな魔核を抑えようと必死で魔核の制御に集中する!
こ、こんなの・・・どうやって・・・今までサリアさんは・・・・そ、そうか・・今までミゲルさん達が言っていた事は・・・サリアさんの力を妬んだ・・・嘘だ・・サリアさんこそ〈八星魔導士〉最強だったんだ・・・くっ!もう限界・・・こんな魔力の塊が暴発したら・・・
「カリン!!逃げるんだ!!ここは俺が何とかする!!早く!!!逃げろぉぉぉ!!!」
ライナードは歯を食い縛り全身を震わせて必死に叫ぶ!
「嫌よ・・お兄ちゃんだけ残して行けない・・これが・・暴発したら・・皆んな死んじゃう・・・」
カリンも額から大粒の汗を流し歯を食い縛る!
「はあ、あれは流石にまずいわね・・・」
アンリルは圧縮され今にも爆発しそうな赤い魔力の塊を見ながらため息を付く。
「そ、そうですね・・あの2人はまだ新人で何も知らないんですよ・・でも・・あそこまで膨れ上がった魔力の制御は・・私も・・無理かも・・・って・・あ、あれ?ミハエル君は?」
さっきまでそこにいたミハエルの姿が消えていた。
「お、お兄ちゃん・・・もう・・・無理・・・」
「あぁ・・俺もだ・・・奇跡が・・起きない限り・・・終わりだ・・・」
2人はこれから起こる大惨事を想像し自分達が生きて来た時間を走馬灯のように見ながら魔核から手を離して倒れ込んだ・・・
「本当に馬鹿な人達だね。」
不意に聞こえた声に目を開けるとライナードとカリンは薄れいく意識の中で巨大で真っ赤な魔力の塊を掌に浮かせて呆れ顔をするミハエルと目が合った。
う、嘘だろ・・・あの魔力の塊を・・軽々と制御している?!・・奇跡か・・・
わ、私達は・・こんな化け物を捕らえようとしていたの?!・・・馬鹿じゃない・・
2人はそのまま意識を手放すのだった・・・
サリアは肥大した魔核を軽々制御しているミハエルを見て震えていた・・・
「ア、アンリルさん・・・一体・・ミハエル君は・・何者なんですか・・・?私でも・・あんな芸当は無理です・・・」
「ふふふ・・・ミハエル君はね光と闇の申し子!この世界最強の存在よ!」
何故かアンリルがドヤ顔をするのだった。
レイザルが3人のやり取りを眺めていた。
「そうね、まるで眼中に無いって感じね・・・なんかムカつくわね。」
ミゲルの治療が終わり赤毛の女が立ち上がるとミゲルも身体を起こす。
「くそっ!サリアめ!!今まで使ってやった恩を忘れやがって!!
お前等!!奴等を半殺しにして連れて行くぞ!!相手は賢者アンリルだ!手加減は無用だ!!〈魔導砲〉だ!!準備しろ!」
ミゲルは眉間に皺を寄せながら立ち上がった
「えっ?!でも〈魔導砲〉はサリアさんの魔核と魔力が必要じゃ無いんですか?!」
小柄な蒼髪のライナードが言うとミゲルはニヤリと笑い懐から掌にすっぽり収まるぐらいの赤く四角い石のような物を取り出した。
「心配するな!こいつはサリアが緊急用に作った魔核だ!魔力は俺達が込めれば良いんだよ!!あいつは自分の作った魔核で自滅するんだよ!!クックック・・・」
「さあ行くわよ!さっさと終わらせて歓迎会をしないとね!」
仲間が出来てテンションが上がるアンリルが拳を握る!
「わあ!ありがとうございます!!」
サリアが両手を合わせて笑顔ではしゃぐ。
も、もう仲良くなってるよ・・・まあいいか・・取り敢えず王様に会うのが先決だね。
・・って・・あれは・・・
ミハエルはサリアの服の裾を引っ張って指を差す。
「ねえ、サリアさん!あれは何をしているの?」
指差す方を見れば〈八星魔導士〉達がミゲルを中心に魔力を高めている姿であった。
「あっ!あれは〈魔導砲〉です。〈八星魔導士〉の切り札なんですが・・・あれは私が開発したもので本当の名前は〈精霊砲〉なんです。他のメンバーが勝手に名前を変えてしまったんです。」
「なんでこんな所で切り札を使うの?僕達は王様に会いにだけなのに・・・」
ミハエルはムッとしてミゲル達を見るとサリアはふっと笑いながらミハエルの肩に手を置く。
「ミハエル君大丈夫だと思うよ。あの魔核はミゲルが私が居なくても使えるようにしろって無理矢理作った物なの。だけど彼等のレベルでは魔力を充填する事で手一杯でコントロールまで出来ないわ。
だって今まで私が半分以上魔力を充填してコントロールも私がしていたんだからね!根拠のない自信だけの彼等には無理よ。
ちなみに魔核はね火の精霊を宿らせた魔法石に魔力を充填する事で精霊の力を増幅して撃ち出す仕組みなの。・・・さて・・・その増幅した魔力をコントロール出来ないとどうなるか・・・見てて・・面白いものが見れるわよ・・・」
サリアに作らせた魔核に〈八星魔導士〉7人が魔力を充填しているが一向に充填出来ずに焦っていた・・・
「ミ、ミゲル・・・私・・も、もう限界・・・」
赤毛の女が崩れ落ちる・・・
「俺も・・・無理・・」
レイザルが膝を付いた。
「私も・・・」
次々と魔力切れで倒れて行く・・そして・・
「くっ・・・ど、どれだけ魔力が・・必要なんだ・・・・も、もう・・だ、駄目だ・・」
遂にミゲルさえも魔力切れで倒れる。残されたライナードとカリン兄妹は目の前で真っ赤に浮かぶ大きな魔核を抑えようと必死で魔核の制御に集中する!
こ、こんなの・・・どうやって・・・今までサリアさんは・・・・そ、そうか・・今までミゲルさん達が言っていた事は・・・サリアさんの力を妬んだ・・・嘘だ・・サリアさんこそ〈八星魔導士〉最強だったんだ・・・くっ!もう限界・・・こんな魔力の塊が暴発したら・・・
「カリン!!逃げるんだ!!ここは俺が何とかする!!早く!!!逃げろぉぉぉ!!!」
ライナードは歯を食い縛り全身を震わせて必死に叫ぶ!
「嫌よ・・お兄ちゃんだけ残して行けない・・これが・・暴発したら・・皆んな死んじゃう・・・」
カリンも額から大粒の汗を流し歯を食い縛る!
「はあ、あれは流石にまずいわね・・・」
アンリルは圧縮され今にも爆発しそうな赤い魔力の塊を見ながらため息を付く。
「そ、そうですね・・あの2人はまだ新人で何も知らないんですよ・・でも・・あそこまで膨れ上がった魔力の制御は・・私も・・無理かも・・・って・・あ、あれ?ミハエル君は?」
さっきまでそこにいたミハエルの姿が消えていた。
「お、お兄ちゃん・・・もう・・・無理・・・」
「あぁ・・俺もだ・・・奇跡が・・起きない限り・・・終わりだ・・・」
2人はこれから起こる大惨事を想像し自分達が生きて来た時間を走馬灯のように見ながら魔核から手を離して倒れ込んだ・・・
「本当に馬鹿な人達だね。」
不意に聞こえた声に目を開けるとライナードとカリンは薄れいく意識の中で巨大で真っ赤な魔力の塊を掌に浮かせて呆れ顔をするミハエルと目が合った。
う、嘘だろ・・・あの魔力の塊を・・軽々と制御している?!・・奇跡か・・・
わ、私達は・・こんな化け物を捕らえようとしていたの?!・・・馬鹿じゃない・・
2人はそのまま意識を手放すのだった・・・
サリアは肥大した魔核を軽々制御しているミハエルを見て震えていた・・・
「ア、アンリルさん・・・一体・・ミハエル君は・・何者なんですか・・・?私でも・・あんな芸当は無理です・・・」
「ふふふ・・・ミハエル君はね光と闇の申し子!この世界最強の存在よ!」
何故かアンリルがドヤ顔をするのだった。
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