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第103話 帝国騎士団
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「頭!見慣れない奴らがメルト村に向かってますぜ!!」
「なに?!・・・どれ・・」
お頭は立ち上がり外に出て望遠鏡を覗くと森の街道を細長く隊列を組んで進む騎馬隊の姿があった。
(おう・・どこかの騎士団みたいだな・・ん?あの旗は確か・・ドルビナ帝国の旗だ・・良い噂は聞かねぇ奴等だ・・・)
「ま、まさか奴等・・・メルト村に手を出そうってんじゃないだろうな・・・もしそうなら・・・面白ぇじゃねーか!!」
お頭はニヤリと笑い振り返る!
「野郎共!!近くまで行って高みの見物と洒落込むぞ!!酒と食い物を用意しろ!!今のメルト村の戦力を確認出来るぞ!!」
ミハエル達はガインの屋敷でイルシスの街での出来事を報告していた。
「そうか・・・アンリルからある程度の事は聞いていたがイルシスの街でそんな事があったのか・・ミハエルは只者では無いと思っていたが・・とんでもない存在だったんだな・・・」
ガインは顎を摩りながらミハエルを見る。
「・・まあ・・何にしてもクラインド王国で3年間良く頑張ったな。今日は皆んなを集めて・・・」
「「んっ?!」」
突然弾けるようにミハエルとガインが話をやめて同時に同じ方向を見る!そして2人で頷く。
「何?!どうしたの?!」
アンリルが2人を見る。
「後5分ぐらいでここに悪意が来る!それも数百だよ。すぐに準備しなきゃ!!ガインさん!先に行きます!!」
ミハエルとガインが立ち上がるとアンリルもすくっと立ち上がる。
「へー・・・いい度胸じゃない!まだこの村に手を出す馬鹿が居るのね。
ふっふっふ・・・久しぶりに暴れてやるわよ・・さあ!行くわよ!!」
アンリルがパキパキと指を鳴らしミハエルの後に着いて行く!
するとサリア達も顔を見合わせて頷く。
「もちろん私達も手伝うわよ!!悪い人にはお仕置きしないとね!!」
「うん。そうね・・お仕置きね・・ふふ。」
「おう!!返り討ちにしてやるぜ!!」
ミハエル達はそう言いながらガインの屋敷を出て行くのであった。
ガインは閉められた扉を暫し眺める。
「・・・どこの馬鹿だか知らないが・・・あの顔ぶれを相手にする奴等に少し同情するぞ・・・さあ俺も皆を召集するか。」
そして村の子供達と訓練を兼ねて森に来ていたニーナ達も振り向いた。
「ねえ・・この悪意・・・村に向かってるわ!でも・・今から戻っても間に合わないわね・・」
「そうだね・・・だけど村にはミハエル君達が居るから心配は無いと思うよ。」
「僕も大丈夫だと思うよ。・・心配なら様子を見に行こうよ。」
「そうね!いざとなったら私達が出て行くわよ!!」
3人は頷き子供達3人と森の中を進み村へ向かうのだった。
「あいつら・・・やっぱりメルト村に手を出す気だぞ・・」
すると突然隣から声がする。
「あぁ・・そうだな・・あれは行軍の度に小さな村を襲ってるって噂の帝国騎士団だな。」
山賊の頭が望遠鏡を覗いていると同じく望遠鏡を覗く盗賊の頭が隣に立っていた。
「なっ!お前は・・・」
「まあまあ。今は休戦と行こうじゃねぇーか!こんな面白いもん見逃す手はないぜ!」
盗賊の頭はニッと笑うと手に持ったジョッキを煽った。
お頭の後ろでは既に酒盛りが始まっており皆が片手に望遠鏡を握っていた。
「ふ、ふん!・・そうだな。野郎共!今日は休戦だ!高みの見物と行こうか!!」
「「「おう!!!」」」
帝国騎士団がメルト村を目視出来る距離まで迫っていた。
騎士団長レバイドはこれから始まる蹂躙劇を想像して薄ら笑いを浮かべている。
「ドルム!いつも通り斥候部隊と一緒に行って偵察と交渉に行け!多少強引でも構わん!」
「はっ!!了解しました。」
「ゼガル!聞いての通りだ!行くぞ!」
「はっ!!」
副団長のドルムが馬の腹を蹴り速度を上げると斥候部隊長ゼガルが部下10人を引き連れそれに続いた。
しかしメルト村に近付くにつれてドルム達の全身から嫌な汗が滲み出した。
(な、なんだ・・この感じた事の無い空気は・・まるで殺気の樹海の中を進んでいるような圧力だ・・・山賊や盗賊が手を出さない村か・・・)
するとそれを察したようにゼガルが横に並んだ。
「副団長!」
「な、なんだ?!」
「この空気をどう思いますか?!経験上危険だと思うのですが・・・その上〈索敵〉で見る限り俺達の動きはバレています。相手は既に戦闘体制で待ち受けてます。どうしますか?」
「なんだと?!それは本当か?!奴等の中にも〈索敵〉持ちがいるって事か・・それに俺達のやり口は承知の上って事か・・・」
ドルムが速度を落とし考え込んでいると〈索敵〉をしていたゼガルが何かに気づいて顔を上げる。
「副団長。俺に一つ考えがあります。」
「何だ?言ってみろ。」
ゼガルが考えを話すとドルムも頷き口元を緩める。
「ほう・・確かにそれしか無いな・・よし!お前に任せる!行け!!」
「はっ!」
(ただ・・・これも賭けだかな・・・)
ゼガルは一抹の不安を抱えながらも部下を連れて走り出すのだった。
【世界神の部屋】
「ふむ。1200年前に村を襲った者達も帝国軍であったな・・・昔も今も変わらぬものよ。そんな性根まで受け継ぐとは・・・」
「そうですね。でも今の彼等なら問題はないでしょう。
それよりゼムス様!皆の加護が最上位神になっています!!私の見立て通りでしたわ!この世界始まって以来の事です!!」
「むう!!何と!!人間が最上位神の加護?!ゼムス殿。一体彼等は何者ですか?!」
「ふっふっふ・・ヘルビスよ。お主の見立てた少年も凄いが、私の見立てたミハエルも凄いのだよ。
それにしても・・2人が出会う事があれば・・面白いのだがな・・・」
「なに?!・・・どれ・・」
お頭は立ち上がり外に出て望遠鏡を覗くと森の街道を細長く隊列を組んで進む騎馬隊の姿があった。
(おう・・どこかの騎士団みたいだな・・ん?あの旗は確か・・ドルビナ帝国の旗だ・・良い噂は聞かねぇ奴等だ・・・)
「ま、まさか奴等・・・メルト村に手を出そうってんじゃないだろうな・・・もしそうなら・・・面白ぇじゃねーか!!」
お頭はニヤリと笑い振り返る!
「野郎共!!近くまで行って高みの見物と洒落込むぞ!!酒と食い物を用意しろ!!今のメルト村の戦力を確認出来るぞ!!」
ミハエル達はガインの屋敷でイルシスの街での出来事を報告していた。
「そうか・・・アンリルからある程度の事は聞いていたがイルシスの街でそんな事があったのか・・ミハエルは只者では無いと思っていたが・・とんでもない存在だったんだな・・・」
ガインは顎を摩りながらミハエルを見る。
「・・まあ・・何にしてもクラインド王国で3年間良く頑張ったな。今日は皆んなを集めて・・・」
「「んっ?!」」
突然弾けるようにミハエルとガインが話をやめて同時に同じ方向を見る!そして2人で頷く。
「何?!どうしたの?!」
アンリルが2人を見る。
「後5分ぐらいでここに悪意が来る!それも数百だよ。すぐに準備しなきゃ!!ガインさん!先に行きます!!」
ミハエルとガインが立ち上がるとアンリルもすくっと立ち上がる。
「へー・・・いい度胸じゃない!まだこの村に手を出す馬鹿が居るのね。
ふっふっふ・・・久しぶりに暴れてやるわよ・・さあ!行くわよ!!」
アンリルがパキパキと指を鳴らしミハエルの後に着いて行く!
するとサリア達も顔を見合わせて頷く。
「もちろん私達も手伝うわよ!!悪い人にはお仕置きしないとね!!」
「うん。そうね・・お仕置きね・・ふふ。」
「おう!!返り討ちにしてやるぜ!!」
ミハエル達はそう言いながらガインの屋敷を出て行くのであった。
ガインは閉められた扉を暫し眺める。
「・・・どこの馬鹿だか知らないが・・・あの顔ぶれを相手にする奴等に少し同情するぞ・・・さあ俺も皆を召集するか。」
そして村の子供達と訓練を兼ねて森に来ていたニーナ達も振り向いた。
「ねえ・・この悪意・・・村に向かってるわ!でも・・今から戻っても間に合わないわね・・」
「そうだね・・・だけど村にはミハエル君達が居るから心配は無いと思うよ。」
「僕も大丈夫だと思うよ。・・心配なら様子を見に行こうよ。」
「そうね!いざとなったら私達が出て行くわよ!!」
3人は頷き子供達3人と森の中を進み村へ向かうのだった。
「あいつら・・・やっぱりメルト村に手を出す気だぞ・・」
すると突然隣から声がする。
「あぁ・・そうだな・・あれは行軍の度に小さな村を襲ってるって噂の帝国騎士団だな。」
山賊の頭が望遠鏡を覗いていると同じく望遠鏡を覗く盗賊の頭が隣に立っていた。
「なっ!お前は・・・」
「まあまあ。今は休戦と行こうじゃねぇーか!こんな面白いもん見逃す手はないぜ!」
盗賊の頭はニッと笑うと手に持ったジョッキを煽った。
お頭の後ろでは既に酒盛りが始まっており皆が片手に望遠鏡を握っていた。
「ふ、ふん!・・そうだな。野郎共!今日は休戦だ!高みの見物と行こうか!!」
「「「おう!!!」」」
帝国騎士団がメルト村を目視出来る距離まで迫っていた。
騎士団長レバイドはこれから始まる蹂躙劇を想像して薄ら笑いを浮かべている。
「ドルム!いつも通り斥候部隊と一緒に行って偵察と交渉に行け!多少強引でも構わん!」
「はっ!!了解しました。」
「ゼガル!聞いての通りだ!行くぞ!」
「はっ!!」
副団長のドルムが馬の腹を蹴り速度を上げると斥候部隊長ゼガルが部下10人を引き連れそれに続いた。
しかしメルト村に近付くにつれてドルム達の全身から嫌な汗が滲み出した。
(な、なんだ・・この感じた事の無い空気は・・まるで殺気の樹海の中を進んでいるような圧力だ・・・山賊や盗賊が手を出さない村か・・・)
するとそれを察したようにゼガルが横に並んだ。
「副団長!」
「な、なんだ?!」
「この空気をどう思いますか?!経験上危険だと思うのですが・・・その上〈索敵〉で見る限り俺達の動きはバレています。相手は既に戦闘体制で待ち受けてます。どうしますか?」
「なんだと?!それは本当か?!奴等の中にも〈索敵〉持ちがいるって事か・・それに俺達のやり口は承知の上って事か・・・」
ドルムが速度を落とし考え込んでいると〈索敵〉をしていたゼガルが何かに気づいて顔を上げる。
「副団長。俺に一つ考えがあります。」
「何だ?言ってみろ。」
ゼガルが考えを話すとドルムも頷き口元を緩める。
「ほう・・確かにそれしか無いな・・よし!お前に任せる!行け!!」
「はっ!」
(ただ・・・これも賭けだかな・・・)
ゼガルは一抹の不安を抱えながらも部下を連れて走り出すのだった。
【世界神の部屋】
「ふむ。1200年前に村を襲った者達も帝国軍であったな・・・昔も今も変わらぬものよ。そんな性根まで受け継ぐとは・・・」
「そうですね。でも今の彼等なら問題はないでしょう。
それよりゼムス様!皆の加護が最上位神になっています!!私の見立て通りでしたわ!この世界始まって以来の事です!!」
「むう!!何と!!人間が最上位神の加護?!ゼムス殿。一体彼等は何者ですか?!」
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