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第一章 召喚
勇者が嫌いだ
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気に食わない。
何が勇者だ。
僕は、謁見の間を辞して、足音高く回廊を歩いた。
ふとした時に、あいつの顔がちらついて、また腹を立ててしまう。
父である王に朝の挨拶をした際に、思い出したくもないあの男の話になった。
「三日後の儀には、お前も出るのだぞ、エスティン」
釘を刺されて、僕は静かに頭を下げた。
そして、謁見の間を出るなり、抑えきれない怒りに顔を顰める。
これから、魔法学を教わるために神官の塔へ赴くのだけれど、それまでに落ち着けるだろうか。
八つ当たりしてしまわないよう、僕は深呼吸を繰り返し、頭の中を切り替える。
回廊は、風によって吹き込んだ雨粒に晒されていた。
僕は、本が濡れてしまわないよう、長い回廊を早足で歩く。
王太子であれば城に招いて教わるのだけれど、第三王子である僕は自ら出向かなくちゃいけないのだ。
学びの間のある高い塔からは、白亜の神殿がよく見えた。
結界に守られた神殿は、雨に当たることもなく白金に輝いている。
僕はそれを遠くに望みながら、あの男のことを考えた。
恐らくは今頃、神殿の地下で禊ぎの儀の最中だ。
父の言う通り、三日後には聖剣を授けるミーアの儀を行う予定だ。
あの男は、その準備に追われているに違いない。
召喚された勇者の名前は、レイという。
漆黒の髪と瞳。僕たちとは違う、淡いクリーム色の肌をした男だ。
国に魔物が出て、僕の国リデアスは闇に呑まれようとしている。
そこで、神官が召喚したのが、レイだ。
──「この者は、闇を払う光となろう!」
ドミートスは高らかに宣言したけれど、僕には信じられない。
あいつこそが、闇の手先じゃないのか。
この国に不吉をもたらし、未来に暗雲をかける。
見た目からして、どこに光を感じられるというのか。
でも、そんなことを父や兄たちには言えない。
彼らは、ドミートスの言葉を信じている。
この国を救うのは、勇者レイしかいないのだと。
この国には、太古から伝わる伝説の剣がある。
予言によると、伝説の剣はこの国の災いを晴らす勇者にしか抜けないということだ。
勇者は、神官たちの召喚の儀に応えて、この国を危機から救い出すと言われている。
その勇者が使う剣こそが、国宝として神殿の地下深くに収められている伝説のミーアの剣だ。
ミーアの剣は、勇者にしか抜けないと言われている。
そのため、これまで誰も剣には触ったことがない。
僕は思う。
誰にでも抜ける剣を、抜けないと言って重宝がっているんじゃないのかと。
もしくは、剣が錆び付いていて、誰であっても鞘から抜けないだけかもしれない。
いずれにせよ、聖剣なんて眉唾だ。
そんなもので、勇者の適正なんて測れるはずがない。
たとえ、ミーアの剣が本当に聖剣で、勇者にしか抜けないとしても、レイの手で抜けるなんて僕には信じられない。
僕は、あの男が気に入らない。
斜に構えて、偉そうな態度の無礼な男。
それは、この国に召喚された時からそうだった。
僕はあの日、神殿で執り行われる召喚の儀に参列していた。
召喚の儀は、これまでにも十年に一度の頻度で行われてきた。
でも、歴史上、今まで勇者を呼び出せたことはない。
今となっては、形骸化した儀式のようなものだ。
ここのところ、この国の外れの森に魔物が出るということで、勇者の出現は望まれていた。
今回の召喚の儀で、ついに勇者が現れるかと期待されていたのも知っている。
でも、そんな奴が現れなくても、国が選りすぐった冒険者で事足りる。
実際、魔物は討伐されていて、街中に被害はない。
だからこそ、僕は思っていた。
今更、勇者なんて呼び出してどうするんだ、と。
そんなどこの馬の骨ともわからないヤツに、国の未来を任せるなんて馬鹿げている。
それでも、僕には反対する権利はない。
たとえ、反対しなくても、どうせ召喚の儀は今回も空振りに終わって勇者は現れない。
そう思っていたのに。
ドミートスが弟子を従えて、魔法陣に魔力を乗せると、十年前とは違い白金に輝いた。
誰もが息を呑み、中には失神する者までいた。
白金の光はやがて青白い炎のようになり、眩しさに目を眇めていると、忽然と一人の男が現れた。
夜空に浮かぶミーアのように、青白い光を放ち、一陣の風と共に出現した人物。
白い蒸気が立ち込める中、男は石造りの床から立ち上がり、目を開けた。
闇夜よりも深い黒の瞳。
神殿の中にどよめきが起こった。
「……これが、勇者か」
「まさか、魔物ではあるまいな」
だが、ドミートスは冷静だった。
ドンと杖で床を突いて皆を黙らせると、胸に手を当てて恭しく首を垂れる。
「勇者よ、よくぞ参られた」
「勇者? 俺のことか」
皮肉気に問い返した男の声は、見た目より柔らかで、不思議な響きを帯びていた。
発する言葉は理解できるのに、その発声の仕方が僕たちとは違う。
まるで、耳の傍で囁かれ、吹き込まれているような心地がする。
「左様でございます。名をお聞かせ願えぬか?」
「レイ、だ」
途端にキンと何かが弾ける音がした。
剣と剣が打ち鳴らされたような、尖った響きだ。
「レイ様は、この国の守護者であらせられる」
ドミートスの言葉を聞くと、レイと名乗った男はぐるりと辺りを見回した。
「ここは、異世界か?」
異世界。
この男にとっては、こちらが異世界となるわけか。
眉を顰めて問い、男は重々しい溜息を吐く。
「この場合、大抵帰れないと相場が決まっているが、まさか俺もか」
ドミートスは答えず、更に深々と頭を下げる。
沈黙は肯定を意味する。
僕はその様子から悟った。
もしこのレイという男が本当に異世界人なのだとしたら、本人が言う通り、もう元の世界には帰れないということか。
この国を守らせるために勝手に呼び出し、帰路を断つ。
それは、傲慢で残酷な仕打ちに思えた。
一瞬同情しそうになったが、次の一言でその感傷は掻き消える。
「なら、それ相応の態度というものがあるんじゃないのか?」
片手を腰に当て、顎を上げて僕たちを睥睨する。
それは、あまりにも国王を始めとしたその場に集った者に対して、礼儀を欠いた態度だ。
目に余るその様子に、僕は腹を立てたのだが。
突然衣擦れの音が重なった。
一斉に、誰もが膝を折ったのだ。
「父、上……」
こんな父の姿を見るのは初めてで、僕は圧倒されていた。
神官や他の家臣たちも、王に倣う。。
ただ僕だけが、身動ぐことさえできずにいた。
すると、レイと名乗った男は、跪く人々を見回した後、僕を見据えて目を眇めた。
「どうした。お前は、俺に礼を取らないのか?」
その不遜な言い方が、余計に癇に障った。
なぜ僕が、こんな得体のしれない、ポッと出の異世界人に、礼を尽くさなければならないのか。
立ったまま睨み合って、数秒後。
「エスティン」
兄が、諫めるように僕の名前を呼んで、ぐいとマントを引いた。
跪くよう促されて、僕はぐっと拳を握り、そいつをもう一度睨みつけてから跪いた。
「いいだろう。この世界を救ってやるよ」
なんて言い草だろうか。
それなのに、「おお」と父は感嘆の声を上げる。
「闇を払う勇者よ。御身に望むものを捧げよう」
すると、そいつはフンと鼻で嗤ってから、考え込む仕草をした。
「なら、そうだな」
そして、右腕を上げて、僕の方を指差した。
「お前。エスティン、と言ったか?」
口端を上げてゆったりと笑う男に、僕は眉を顰めた。
名指しされたことに、嫌な予感がする。
「そいつを捧げてもらおうじゃないか」
レイの言葉に、その場はしんと静まり返った。
僕は息を呑み、唖然として目を瞠る。
「……何を、言って」
「よろしい」
僕の言葉に被せるように、ドミートスは言った。
「癒し手であるエスティン様が、勇者であるあなた様につけば、この国の未来は安泰でございます」
どうして、そんなことを言うのか。
ドミートスが言えば、決まりじゃないか。
ぐらりと目の前が揺れ、僕は倒れてしまいそうになった。
けれども、こちらを見る楽しげな黒い瞳に屈したくはない。
僕は、そいつの顔を睨み付け、絶対に追い出してやると心に誓ったのだ。
召喚の儀から10日が経った。
3日後には、ミーアの儀がある。
それなのに、僕はあいつを追い出すことができず、何の進展もない。
召喚されたっきり、あいつを見ることさえないからだ。
あの男は、ミーアの儀式のために禊ぎ中だということだ。
恥をかけばいい。
剣を抜くこともできずに、すごすごと引き下がり、追放されてしまえ。
僕は、頭の中でそんな未来を思い描きながら留飲を下げていた。
何が勇者だ。
僕は、謁見の間を辞して、足音高く回廊を歩いた。
ふとした時に、あいつの顔がちらついて、また腹を立ててしまう。
父である王に朝の挨拶をした際に、思い出したくもないあの男の話になった。
「三日後の儀には、お前も出るのだぞ、エスティン」
釘を刺されて、僕は静かに頭を下げた。
そして、謁見の間を出るなり、抑えきれない怒りに顔を顰める。
これから、魔法学を教わるために神官の塔へ赴くのだけれど、それまでに落ち着けるだろうか。
八つ当たりしてしまわないよう、僕は深呼吸を繰り返し、頭の中を切り替える。
回廊は、風によって吹き込んだ雨粒に晒されていた。
僕は、本が濡れてしまわないよう、長い回廊を早足で歩く。
王太子であれば城に招いて教わるのだけれど、第三王子である僕は自ら出向かなくちゃいけないのだ。
学びの間のある高い塔からは、白亜の神殿がよく見えた。
結界に守られた神殿は、雨に当たることもなく白金に輝いている。
僕はそれを遠くに望みながら、あの男のことを考えた。
恐らくは今頃、神殿の地下で禊ぎの儀の最中だ。
父の言う通り、三日後には聖剣を授けるミーアの儀を行う予定だ。
あの男は、その準備に追われているに違いない。
召喚された勇者の名前は、レイという。
漆黒の髪と瞳。僕たちとは違う、淡いクリーム色の肌をした男だ。
国に魔物が出て、僕の国リデアスは闇に呑まれようとしている。
そこで、神官が召喚したのが、レイだ。
──「この者は、闇を払う光となろう!」
ドミートスは高らかに宣言したけれど、僕には信じられない。
あいつこそが、闇の手先じゃないのか。
この国に不吉をもたらし、未来に暗雲をかける。
見た目からして、どこに光を感じられるというのか。
でも、そんなことを父や兄たちには言えない。
彼らは、ドミートスの言葉を信じている。
この国を救うのは、勇者レイしかいないのだと。
この国には、太古から伝わる伝説の剣がある。
予言によると、伝説の剣はこの国の災いを晴らす勇者にしか抜けないということだ。
勇者は、神官たちの召喚の儀に応えて、この国を危機から救い出すと言われている。
その勇者が使う剣こそが、国宝として神殿の地下深くに収められている伝説のミーアの剣だ。
ミーアの剣は、勇者にしか抜けないと言われている。
そのため、これまで誰も剣には触ったことがない。
僕は思う。
誰にでも抜ける剣を、抜けないと言って重宝がっているんじゃないのかと。
もしくは、剣が錆び付いていて、誰であっても鞘から抜けないだけかもしれない。
いずれにせよ、聖剣なんて眉唾だ。
そんなもので、勇者の適正なんて測れるはずがない。
たとえ、ミーアの剣が本当に聖剣で、勇者にしか抜けないとしても、レイの手で抜けるなんて僕には信じられない。
僕は、あの男が気に入らない。
斜に構えて、偉そうな態度の無礼な男。
それは、この国に召喚された時からそうだった。
僕はあの日、神殿で執り行われる召喚の儀に参列していた。
召喚の儀は、これまでにも十年に一度の頻度で行われてきた。
でも、歴史上、今まで勇者を呼び出せたことはない。
今となっては、形骸化した儀式のようなものだ。
ここのところ、この国の外れの森に魔物が出るということで、勇者の出現は望まれていた。
今回の召喚の儀で、ついに勇者が現れるかと期待されていたのも知っている。
でも、そんな奴が現れなくても、国が選りすぐった冒険者で事足りる。
実際、魔物は討伐されていて、街中に被害はない。
だからこそ、僕は思っていた。
今更、勇者なんて呼び出してどうするんだ、と。
そんなどこの馬の骨ともわからないヤツに、国の未来を任せるなんて馬鹿げている。
それでも、僕には反対する権利はない。
たとえ、反対しなくても、どうせ召喚の儀は今回も空振りに終わって勇者は現れない。
そう思っていたのに。
ドミートスが弟子を従えて、魔法陣に魔力を乗せると、十年前とは違い白金に輝いた。
誰もが息を呑み、中には失神する者までいた。
白金の光はやがて青白い炎のようになり、眩しさに目を眇めていると、忽然と一人の男が現れた。
夜空に浮かぶミーアのように、青白い光を放ち、一陣の風と共に出現した人物。
白い蒸気が立ち込める中、男は石造りの床から立ち上がり、目を開けた。
闇夜よりも深い黒の瞳。
神殿の中にどよめきが起こった。
「……これが、勇者か」
「まさか、魔物ではあるまいな」
だが、ドミートスは冷静だった。
ドンと杖で床を突いて皆を黙らせると、胸に手を当てて恭しく首を垂れる。
「勇者よ、よくぞ参られた」
「勇者? 俺のことか」
皮肉気に問い返した男の声は、見た目より柔らかで、不思議な響きを帯びていた。
発する言葉は理解できるのに、その発声の仕方が僕たちとは違う。
まるで、耳の傍で囁かれ、吹き込まれているような心地がする。
「左様でございます。名をお聞かせ願えぬか?」
「レイ、だ」
途端にキンと何かが弾ける音がした。
剣と剣が打ち鳴らされたような、尖った響きだ。
「レイ様は、この国の守護者であらせられる」
ドミートスの言葉を聞くと、レイと名乗った男はぐるりと辺りを見回した。
「ここは、異世界か?」
異世界。
この男にとっては、こちらが異世界となるわけか。
眉を顰めて問い、男は重々しい溜息を吐く。
「この場合、大抵帰れないと相場が決まっているが、まさか俺もか」
ドミートスは答えず、更に深々と頭を下げる。
沈黙は肯定を意味する。
僕はその様子から悟った。
もしこのレイという男が本当に異世界人なのだとしたら、本人が言う通り、もう元の世界には帰れないということか。
この国を守らせるために勝手に呼び出し、帰路を断つ。
それは、傲慢で残酷な仕打ちに思えた。
一瞬同情しそうになったが、次の一言でその感傷は掻き消える。
「なら、それ相応の態度というものがあるんじゃないのか?」
片手を腰に当て、顎を上げて僕たちを睥睨する。
それは、あまりにも国王を始めとしたその場に集った者に対して、礼儀を欠いた態度だ。
目に余るその様子に、僕は腹を立てたのだが。
突然衣擦れの音が重なった。
一斉に、誰もが膝を折ったのだ。
「父、上……」
こんな父の姿を見るのは初めてで、僕は圧倒されていた。
神官や他の家臣たちも、王に倣う。。
ただ僕だけが、身動ぐことさえできずにいた。
すると、レイと名乗った男は、跪く人々を見回した後、僕を見据えて目を眇めた。
「どうした。お前は、俺に礼を取らないのか?」
その不遜な言い方が、余計に癇に障った。
なぜ僕が、こんな得体のしれない、ポッと出の異世界人に、礼を尽くさなければならないのか。
立ったまま睨み合って、数秒後。
「エスティン」
兄が、諫めるように僕の名前を呼んで、ぐいとマントを引いた。
跪くよう促されて、僕はぐっと拳を握り、そいつをもう一度睨みつけてから跪いた。
「いいだろう。この世界を救ってやるよ」
なんて言い草だろうか。
それなのに、「おお」と父は感嘆の声を上げる。
「闇を払う勇者よ。御身に望むものを捧げよう」
すると、そいつはフンと鼻で嗤ってから、考え込む仕草をした。
「なら、そうだな」
そして、右腕を上げて、僕の方を指差した。
「お前。エスティン、と言ったか?」
口端を上げてゆったりと笑う男に、僕は眉を顰めた。
名指しされたことに、嫌な予感がする。
「そいつを捧げてもらおうじゃないか」
レイの言葉に、その場はしんと静まり返った。
僕は息を呑み、唖然として目を瞠る。
「……何を、言って」
「よろしい」
僕の言葉に被せるように、ドミートスは言った。
「癒し手であるエスティン様が、勇者であるあなた様につけば、この国の未来は安泰でございます」
どうして、そんなことを言うのか。
ドミートスが言えば、決まりじゃないか。
ぐらりと目の前が揺れ、僕は倒れてしまいそうになった。
けれども、こちらを見る楽しげな黒い瞳に屈したくはない。
僕は、そいつの顔を睨み付け、絶対に追い出してやると心に誓ったのだ。
召喚の儀から10日が経った。
3日後には、ミーアの儀がある。
それなのに、僕はあいつを追い出すことができず、何の進展もない。
召喚されたっきり、あいつを見ることさえないからだ。
あの男は、ミーアの儀式のために禊ぎ中だということだ。
恥をかけばいい。
剣を抜くこともできずに、すごすごと引き下がり、追放されてしまえ。
僕は、頭の中でそんな未来を思い描きながら留飲を下げていた。
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