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最終章 夢
レイと共に
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アルサイールを神殿に引き渡してから、1週間が経とうとしていた。
ようやく学びの間で朝の講義が受けられるようになったその日、僕はレイと二人で王に呼ばれた。
僕とレイは顔を見合わせ、嫌な予感がしながらも学びの間を出た。
恐らくは、僕たちの処遇についての話だろう。
ドミートスからは、一体どんな風に伝わっているのか。
もう幽閉されることはないだろうが、やっぱり不安は残る。
「エスティン、行こう」
謁見の間の前で動けずにいた僕に、レイはそう言って腕に囲った。
「何があっても、俺は離れない」
「……レイ様」
レイから香る肌の匂いに、僕はホッと息を吐く。
父や兄の前ではどうしても委縮してしまうが、今日は隣にレイがいる。
僕は俯けていた顔を上げて、開かれた扉から中へ入る。
謁見の間には父と母の他に、王太子である兄、宰相のモルストム、そしてドミートスまでいた。この場に神官長までいるなんて、僕は想像していなかった。
アルサイールを文字通り放り投げて以来、ドミートスとは顔を合わせていなかった。
あの場で啖呵を切った手前、どんな顔をしていいのかと、僕は目を泳がせた。
だが、何もかもが今更だ。
ここは、腹を括るしかない。
僕は父の前まで進み出て、ゆっくりと跪いた。
レイは立礼のみで、父と向き合っている。
こういう姿勢は、この国に召喚された時から変わっていないようだ。
けれども、最初の時とは違い、もう反感を抱くことはない。
レイは、この国に囚われた人間じゃない。
父の庇護を受けているわけでもない。
むしろ、この世界を救うために無理矢理連れて来られ、人生を捻じ曲げられた一人なのだから。
マントを後ろに流す衣擦れの音がした後、父が話し始めた。
「さて、魔王アルサイールの件。ドミートスから聞き及んでおる」
やはり、その件で呼び出したのか。
僕は頭を下げたまま、父からの叱責を覚悟した。
「よくやった」
聞こえてきた言葉に、僕は思わず顔を上げた。
父は、破顔一笑。晴れ晴れとした顔で僕たちを見ている。
こんな顔をした父を、僕は生まれて初めて見た。
緑の瞳を細め、口元を綻ばせて柔らかく笑う。
心の底から喜んでいるのだと、その表情から察することができる。
魔王アルサイールの存在は、それほどに父に、そしてこの国の王家に圧し掛かっていたのか。あんな方法で捕え、神殿に丸投げしたというのに、それでも父は褒めてくれた。
呆然として見つめ返していると、父は更に続ける。
「二人には褒賞を与えよう」
褒賞?
何を言われたのかわからないくらいに、僕は驚いた。
叱責ではなく、褒美を取らせるというのか。
てっきり、魔王討伐は義務であり責務でしかないと思っていたため、ここまで手放しに喜ばれるなんて考えたこともなかった。
「何でもいい。希望を申してみよ」
父は片手を振り、僕たちに言葉を発するよう促している。
ちらりと宰相のモルストムを見たが、彼もまた微笑みを浮かべて、父を止めようとしない。
僕が落ち着かない気持ちでいる中、レイははっきりと口にした。
「それでは、エスティンを俺にください」
途端に、その場の視線が僕に集中する。
僕はというと、レイを見ていた。
そんなことを願い出るなんて、僕は思ってもみなかったのだ。
レイは揺るがぬ瞳で父を見ていて、決意のほどが窺えた。
「エスティン、お前はどうしたい?」
父は、慌てることもなく、静かに僕に問うた。
もしかしたら、僕とレイのことを知っていたのかもしれない。
僕がやっと気付いた自分自身の感情を、父は見越していたのだろうか。
そういえば、妃選びも頓挫したままだ。
候補者に会うよう、急かされることもなかった。
しっかりと僕にだけ向けられた父の瞳を、僕は逸らすことなく見つめ返した。
こんな風に父と対峙したのは、初めてのことだ。
胸元に手を当てて、怯むことも気負うこともなく、自身の本心を語った。
「私は、リデアス国を愛しています。どこにあっても、どの立場でも、その想いは変わりません。だからこそ、お願いします。レイ様とと共に生きることを、お許しください」
僕の希望を父が叶えてくれるとしたら、まずこの国を追い出されることは決まりだろう。
第三王子とはいえ、王家の人間が男を伴侶にするなんて、許されるはずがない。
しかも、この国には勇者不要論が囁かれているのだ。
ただでさえ、今となっては弱い立場にあるレイだ。
国民も、僕と添い遂げるとわかれば、王家に対して反発し、決定した王への風当たりが強くなるに違いない。
それでも僕は、自分の願いを押し通したかった。
レイと共に、二人で生きていく。
今の僕の願いは、唯一それだけだ。
父は僕の言葉に、深く頷いた。
「良かろう。──ただし、条件がある」
条件付きとはいえ、願いは認められたのか。
僕だけではなく、隣にいるレイですらも驚いているのが伝わってきた。
しかも、父の言葉を遮る人はいないようだ。
宰相も神官も、僕たちの願いを聞き入れるつもりなのだろうか。
父は、肘掛けをトンと叩いてから言った。
「この国を去ることは許さぬ」
僕はその一言に、ぶわりと感情が揺れ動いた。
身体の熱が目元に集まり、唇が戦慄く。
堪えなければ、涙が溢れ出てきそうだ。
国外追放を免れるなんて、予想していなかった。
父は僕とレイの関係を認め、リデアス国に置いてくれるようだ。
父の条件は、まだ終わらない。
もう一本、指を立ててから続ける。
「わしから邸を贈る。そこに住むように」
住処まで与えられて、僕は感嘆して声が出てしまいそうになった。
魔王アルサイール討伐は、そこまで称賛されることなのか。
それともこれは、父の情けなんだろうか。
父は、次いで3本目の指を立てる。
「それから、エスティンを泣かせるな。こう見えて、涙もろいのだ」
その一言は、僕ではなくレイに向けられたものだった。
レイは、今度こそ深々と頭を下げた。
「承知しました」
僕も、同時に顔を伏せた。
「エスティンよ。今まで、すまなかった」
最後にそう言われて、僕は返す言葉がなかった。
父には父の事情があり、理由があったのだ。
僕はそれを責める気はない。
今はただ、新たな人生を歩む許可を出してもらえたことを喜びたい。
「罪滅ぼしになるとは思わん。この程度で、許されることではない」
「父上、私は……──」
続く言葉が思い浮かばなかった。
過去から今までの事が脳内を駆け巡り、自身の想いを言い表すことができない。
この容姿に生まれなければと、何度思ったかわからない。
それでも、父母を責める気にはなれなかった。
王であり、王妃である彼らには、僕では計り知れない重責がある。
ドミートスを始めとした神殿側の思惑を知った今となっては、命を守ってくれたことに感謝の念まで抱いている。
父に話しかけたところで、感情に思考が追い付かず、言葉が宙に浮いた。
すると、僕の代わりにレイが言った。
「過去はやり直せない。ですが、俺たちは二人で歩む未来をいただいた。今は、ただ感謝します」
レイの言葉に、少しだけ場の空気が和らいだ。
「おめでとう、ルカーシュ。私からも、祝いの品を贈らせてくれ」
兄のエメリックは、柔らかな声を僕に掛けて来た。
「あとで、邸の方に届けさせる」
兄からの贈り物なんて、小さい頃にもらって以来だ。
一体何を届けてくれるのだろう。
「ありがとうございます。エメリック兄様」
僕が答えると、ふふっと笑う声がした。
「あなたの幸せを、私も祝福をいたします」
母は、そういうと玉座から立ち上がって僕の方へと降りて来た。
そして、ぎゅっと僕を抱き締めて、耳元で囁いた。
「あなたは、昔から見る目があるわね。素敵な人を選んだわ」
頬にキスをして身を離した母は、涙を浮かべている。
僕は頷きながら、何とか微笑むことができた。
謁見の間を出る時には、レイに支えてもらわないと歩けないくらいに感情が高ぶっていた。扉が閉まると同時にぽんぽんと頭を撫でられて、僕は声を殺してしばらく泣いた。
レイが僕の背中を撫でさすってくるから、余計に涙が止まらなかった。
こうして僕は、レイと共に生きることを許されると同時に、祝福された。
ようやく学びの間で朝の講義が受けられるようになったその日、僕はレイと二人で王に呼ばれた。
僕とレイは顔を見合わせ、嫌な予感がしながらも学びの間を出た。
恐らくは、僕たちの処遇についての話だろう。
ドミートスからは、一体どんな風に伝わっているのか。
もう幽閉されることはないだろうが、やっぱり不安は残る。
「エスティン、行こう」
謁見の間の前で動けずにいた僕に、レイはそう言って腕に囲った。
「何があっても、俺は離れない」
「……レイ様」
レイから香る肌の匂いに、僕はホッと息を吐く。
父や兄の前ではどうしても委縮してしまうが、今日は隣にレイがいる。
僕は俯けていた顔を上げて、開かれた扉から中へ入る。
謁見の間には父と母の他に、王太子である兄、宰相のモルストム、そしてドミートスまでいた。この場に神官長までいるなんて、僕は想像していなかった。
アルサイールを文字通り放り投げて以来、ドミートスとは顔を合わせていなかった。
あの場で啖呵を切った手前、どんな顔をしていいのかと、僕は目を泳がせた。
だが、何もかもが今更だ。
ここは、腹を括るしかない。
僕は父の前まで進み出て、ゆっくりと跪いた。
レイは立礼のみで、父と向き合っている。
こういう姿勢は、この国に召喚された時から変わっていないようだ。
けれども、最初の時とは違い、もう反感を抱くことはない。
レイは、この国に囚われた人間じゃない。
父の庇護を受けているわけでもない。
むしろ、この世界を救うために無理矢理連れて来られ、人生を捻じ曲げられた一人なのだから。
マントを後ろに流す衣擦れの音がした後、父が話し始めた。
「さて、魔王アルサイールの件。ドミートスから聞き及んでおる」
やはり、その件で呼び出したのか。
僕は頭を下げたまま、父からの叱責を覚悟した。
「よくやった」
聞こえてきた言葉に、僕は思わず顔を上げた。
父は、破顔一笑。晴れ晴れとした顔で僕たちを見ている。
こんな顔をした父を、僕は生まれて初めて見た。
緑の瞳を細め、口元を綻ばせて柔らかく笑う。
心の底から喜んでいるのだと、その表情から察することができる。
魔王アルサイールの存在は、それほどに父に、そしてこの国の王家に圧し掛かっていたのか。あんな方法で捕え、神殿に丸投げしたというのに、それでも父は褒めてくれた。
呆然として見つめ返していると、父は更に続ける。
「二人には褒賞を与えよう」
褒賞?
何を言われたのかわからないくらいに、僕は驚いた。
叱責ではなく、褒美を取らせるというのか。
てっきり、魔王討伐は義務であり責務でしかないと思っていたため、ここまで手放しに喜ばれるなんて考えたこともなかった。
「何でもいい。希望を申してみよ」
父は片手を振り、僕たちに言葉を発するよう促している。
ちらりと宰相のモルストムを見たが、彼もまた微笑みを浮かべて、父を止めようとしない。
僕が落ち着かない気持ちでいる中、レイははっきりと口にした。
「それでは、エスティンを俺にください」
途端に、その場の視線が僕に集中する。
僕はというと、レイを見ていた。
そんなことを願い出るなんて、僕は思ってもみなかったのだ。
レイは揺るがぬ瞳で父を見ていて、決意のほどが窺えた。
「エスティン、お前はどうしたい?」
父は、慌てることもなく、静かに僕に問うた。
もしかしたら、僕とレイのことを知っていたのかもしれない。
僕がやっと気付いた自分自身の感情を、父は見越していたのだろうか。
そういえば、妃選びも頓挫したままだ。
候補者に会うよう、急かされることもなかった。
しっかりと僕にだけ向けられた父の瞳を、僕は逸らすことなく見つめ返した。
こんな風に父と対峙したのは、初めてのことだ。
胸元に手を当てて、怯むことも気負うこともなく、自身の本心を語った。
「私は、リデアス国を愛しています。どこにあっても、どの立場でも、その想いは変わりません。だからこそ、お願いします。レイ様とと共に生きることを、お許しください」
僕の希望を父が叶えてくれるとしたら、まずこの国を追い出されることは決まりだろう。
第三王子とはいえ、王家の人間が男を伴侶にするなんて、許されるはずがない。
しかも、この国には勇者不要論が囁かれているのだ。
ただでさえ、今となっては弱い立場にあるレイだ。
国民も、僕と添い遂げるとわかれば、王家に対して反発し、決定した王への風当たりが強くなるに違いない。
それでも僕は、自分の願いを押し通したかった。
レイと共に、二人で生きていく。
今の僕の願いは、唯一それだけだ。
父は僕の言葉に、深く頷いた。
「良かろう。──ただし、条件がある」
条件付きとはいえ、願いは認められたのか。
僕だけではなく、隣にいるレイですらも驚いているのが伝わってきた。
しかも、父の言葉を遮る人はいないようだ。
宰相も神官も、僕たちの願いを聞き入れるつもりなのだろうか。
父は、肘掛けをトンと叩いてから言った。
「この国を去ることは許さぬ」
僕はその一言に、ぶわりと感情が揺れ動いた。
身体の熱が目元に集まり、唇が戦慄く。
堪えなければ、涙が溢れ出てきそうだ。
国外追放を免れるなんて、予想していなかった。
父は僕とレイの関係を認め、リデアス国に置いてくれるようだ。
父の条件は、まだ終わらない。
もう一本、指を立ててから続ける。
「わしから邸を贈る。そこに住むように」
住処まで与えられて、僕は感嘆して声が出てしまいそうになった。
魔王アルサイール討伐は、そこまで称賛されることなのか。
それともこれは、父の情けなんだろうか。
父は、次いで3本目の指を立てる。
「それから、エスティンを泣かせるな。こう見えて、涙もろいのだ」
その一言は、僕ではなくレイに向けられたものだった。
レイは、今度こそ深々と頭を下げた。
「承知しました」
僕も、同時に顔を伏せた。
「エスティンよ。今まで、すまなかった」
最後にそう言われて、僕は返す言葉がなかった。
父には父の事情があり、理由があったのだ。
僕はそれを責める気はない。
今はただ、新たな人生を歩む許可を出してもらえたことを喜びたい。
「罪滅ぼしになるとは思わん。この程度で、許されることではない」
「父上、私は……──」
続く言葉が思い浮かばなかった。
過去から今までの事が脳内を駆け巡り、自身の想いを言い表すことができない。
この容姿に生まれなければと、何度思ったかわからない。
それでも、父母を責める気にはなれなかった。
王であり、王妃である彼らには、僕では計り知れない重責がある。
ドミートスを始めとした神殿側の思惑を知った今となっては、命を守ってくれたことに感謝の念まで抱いている。
父に話しかけたところで、感情に思考が追い付かず、言葉が宙に浮いた。
すると、僕の代わりにレイが言った。
「過去はやり直せない。ですが、俺たちは二人で歩む未来をいただいた。今は、ただ感謝します」
レイの言葉に、少しだけ場の空気が和らいだ。
「おめでとう、ルカーシュ。私からも、祝いの品を贈らせてくれ」
兄のエメリックは、柔らかな声を僕に掛けて来た。
「あとで、邸の方に届けさせる」
兄からの贈り物なんて、小さい頃にもらって以来だ。
一体何を届けてくれるのだろう。
「ありがとうございます。エメリック兄様」
僕が答えると、ふふっと笑う声がした。
「あなたの幸せを、私も祝福をいたします」
母は、そういうと玉座から立ち上がって僕の方へと降りて来た。
そして、ぎゅっと僕を抱き締めて、耳元で囁いた。
「あなたは、昔から見る目があるわね。素敵な人を選んだわ」
頬にキスをして身を離した母は、涙を浮かべている。
僕は頷きながら、何とか微笑むことができた。
謁見の間を出る時には、レイに支えてもらわないと歩けないくらいに感情が高ぶっていた。扉が閉まると同時にぽんぽんと頭を撫でられて、僕は声を殺してしばらく泣いた。
レイが僕の背中を撫でさすってくるから、余計に涙が止まらなかった。
こうして僕は、レイと共に生きることを許されると同時に、祝福された。
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