騎士とお嬢様。

奏 -sou-

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第一章

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その後も、落ち着いた音楽からロマンチックな音楽や、それに合わせてダンスやピアノ以外の楽器が使われたり、音楽に酔いしれる心地になりながらお腹いっぱいに食べて、また眠気が誘う。

「サフィ、そろそろ宿へ帰ろう」
「えぇ、そうね。素敵な時間をまだ堪能したいけど、瞼が重いわ。」

ボーッとしている私の知らぬ間に支払いを済ませてくれてたようで、名残惜しい中ドアを開けて外へ出る。

時間がどれだけ経過してたのか分からないけど、バーに来る前より肌寒く感じ、少し目が覚める。

「サフィ、だいぶ時間が経っていたようだ。危険だから首に腕を回せ。」

そう言ってしゃがんだ騎士に腰に腕を回されて、否定する間もなく、首に軽く腕を回すことになった。
軽々と自分の二の腕に私のお尻をおき、片手で抱き上げる。

幼い時なら違和感なく、その高さから見える周りにワクワクしたものだけど、忘れてもらっては困る。私はこれでもいい歳といえる歳にもなったし一応女でもあるし、何より恥ずかしい。

「騎士、恥ずかしいのだけど、、」
「この方が宿へ早くつくから我慢しろ。」

『100歩譲って、おんぶもあったんじゃないかしら?』巨乳ではないけど、これでもCはある胸が騎士の片耳側に歩く震度で当たってることやガッチリと落とさないために足をしっかり持ってくれてる事での密着度に、まだ背中なら良かったと夜空を見上げる。

無事宿に着いても降ろしてくれず、やっと降ろしてくれたのはベッドの上。

その後、甲斐甲斐しく靴を脱がせてバスローブに着替えさせられて、ハブラシに歯磨き粉を付けて渡される始末

さすがに、それ以上はやらせる訳にもやっても欲しくなく、洗面台へそそくさと向かって、口の中をゆすぎ顔を洗って置いおいたタオルで拭いて戻る。

「騎士、シャワー浴びないの?」
「浴びてきた。…歯を磨いてくる」
「そう、先に寝ているわね。」

やっぱり下にいた女と寝たのね。
確信に変わり、少し残念な気持ちになる。
愛のない行為を良いとは思えないし、私の中で騎士は尊敬しておきたい立ち位置なのでこういうことを目の当たりにしたり、臭わせるような発言はあまり聞きたくない。『…まぁいいわ。あと数日でお互い開放されるんだもの。』それも誕生日パーティーの日まで。

ベッドの横についていたライトの電源を入れて、部屋の明かりを消してダブルベッドの端に寄って目をつむる。

数分後、ベッドが軋み、騎士がベッドの上に乗ってきたことが感じ取れた。

騎士の横のライトをカチッという音で消したと思えば、半分以上を広く使えるようにしているのに、私に近寄ってくる気配がした。

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