騎士とお嬢様。

奏 -sou-

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第三章

07

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騎士が選んでくれたドレスに着せ替えられた後
青色のリボンを首元で結びながら

「サフィこれからヘンリーと会う」
「そうなの?いってらしゃい」

『兄さんと会うなんて珍しい。』騎士の急な話に此処で私に構っていて大丈夫なのかと目線を合わせる

「…あの男と二人っきりになるな」

目線が合えばエドウィー王子と二人っきりになるなとか本当に過保護な発言に、他に言うことは無いのかと心の中でため息が漏れる。騎士を安心させるためにまだエドウィー王子と一緒にいるか分からないメイドの話を出す。

「先に案内してくれたメイドがいてくれるからならないのじゃないかしら?」
「俺がいない間何か起こったら「騎士ったら心配し過ぎよ!」」

また、あの嫌な夢を思い出しているかのような瞳が不安気に揺れてる騎士のリボンを結び終わった両手を私の両手で包み込んでギュッと握って笑顔で

「大丈夫よ、騎士はお兄さまとの時間を大切にして頂戴。何かあれば直ぐに騎士を呼ぶわ」
「…あぁ」

騎士を安心させる為の言葉に少しは納得してくれたようで、兄さんと何時から会うのか知らないけどきっと兄さんは待ってるに違いないわ。とお互い相手を待たせている状態であることをもう少し気にして欲しいと

「ほら、お兄さまもきっと待ってるに違いないわ!私の着替えも騎士が手伝ってくれたからすぐに終わったし向かいましょう!」

椅子から腰を上げて騎士の手を引っ張るように部屋から出た。

その後も、心配だと言い張る騎士が鍛錬場まで着いてきてなんなら庭の入口まで送ろうとした騎士に「これ以上は心配ないわ」と、お庭の道とは真逆の方向にいるお兄さまの元へ行くように促した。

****

無事、騎士と別れてエドウィー王子の元へ急ぐ

メイドの姿は既に見当たらず、庭の入口付近にある休憩所のイスに座るエドウィー王子は、花たちを見つめているその姿がとても絵になっていて『王子様って此方のことを言うのね。』と再度認識する。

ボーッと一瞬ではあるが見つめてしまい魅入ってる場合じゃないと、ハッとしてエドウィー王子に声をかける。

「エドウィー王子、お待たせ致しました。」

私の声に静かに顔を此方に向けて、爽やかな笑みで 「花たちが美しくて時を忘れていましたので、待った気はしていませんよサファリーアさん、気になさらず」

エドウィー王子の待たせたことを咎める処か、紳士的な対応に

「ありがとうございます。」
軽く膝を折り曲げて会釈をし心の広さに感謝を述べる

「エドウィー王子、中をご案内致しますわ。」
「サファリーアさん、よろしくお願いします。」

立ち上がり私の横に並び庭の入口の中へ進む。
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