騎士とお嬢様。

奏 -sou-

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第四章

01

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ーー時は進み、結婚式前日


挙式はエドウィー王子の国でするとのことなので戻って来ないでいいように準備をして馬車に積込む。

行先は、私を迎えに来た馬車に乗れば大丈夫だとサランが情報を持ってきてくれた。

本来ならば、護衛やメイドを数名連れて向かう筈が、連れていくことが出来るのはメイド1人と私1人で向かう様に言付かっていると御者に言われ、他の者達は後から来ることも婚約の条件だと言う。

そんな話、あの時していたかしら?

エドウィー王子が去った後も、あれ程私の世話を飽きずしていた騎士がここ数日いない今、何かあれば自分の身と付き添わせるメイドを教わった剣術で守るしかない

また、エドウィー王子とはあの日のあの一時が偽りだったかのように私は何度か文を送るが、連絡は1度も来ず迎えのよこし方も丁寧とは言えたものでは無い。

あの日は、幻だったのかしら…寂しいものね。

もう出発しないと雨が降りそうな天気なのと道のりは長いと御者に言われ、今日に限って両親や兄さん達は仕事でおらず手紙を残す。

その上で、お城にいた数名の馴染みある人達にお別れの挨拶や、後で会いましょうと言葉を交わしサランと一緒に馬車に乗り込んだ

道中、雨足が強くなりだし御者が何かを叫んだかと思えば急に黒ずくめの男達に囲まれ雨の中外へ放り出される。

「サラン!!!」
「サファリーアお嬢様!」

また、外に出されて分かったことは不安定な曲がり道で、柵が無いため1つ間違えば急な崖を転げ落ちることになるような道で敵に囲まれていた。

サランを守らなければとサランが何処にいるのか確かめれば、剣先を首にあてがわれ私を掴もうとして伸ばした手は行き場を無くしたまま、外に出ようとしたら格好で此方を見ていた。

「何処の誰だか知りませんが、サランを傷つけたらタダでは帰しません。今のうちに、ひいては頂けませんか。」

雨の地面を叩きつける音が強く、声を張らないとそこまで距離があいているわけでもないがこの音に掻き消されてしまう。

「ふっ、タダでは帰さないねぇ?まぁ、お嬢ちゃんには傷をつけるなと言われてるからねぇ、けけけっ、さぁ、連れてけ!!!!」

リーダー各なのか、その男が口元のマスクをとって周りに指示を出せば、その声に、私の両手首を背後から掴んで小刀の先を首にあてがっていた男や、私たちを囲んでいた周りも動き出す。

「お、お嬢様ああぁ!私が代わりに行きます!どうか、お嬢様を離して下さい!」

雨なのか涙なのか頬を濡らして、声を張り上げてサランが私を助けようと自分の首に剣先をあてがっている男に震え声で頼む。

「はっ、いい度胸してるねぇおネエちゃん。オラと楽しまねぇかこの後。けっけけ、まぁ旦那がお望みなのはあのお嬢ちゃんなんだよ。お前なんか連れていったらオラ達の首が飛ぶわ。残念だったなぁ」

そういいながら、サランの身体を撫で回すよに見て、己のボロボロの唇を舐めずり回している男に吐き気を覚えた。

サランを守らなきゃ!

どうにか、自分に突きつけられてる短剣を奪い取り、あの男共々葬る覚悟で立ち向かわないと、しっかりするのよサファリーア!

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