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第四章
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騎士がいない部屋をゆっくり端から見渡す。
私の部屋の2倍、3倍も広くて、今、座ってるベッドも上半身を何とか曲げれるとこまで曲げて見た結果、騎士の様な筋肉質の大男が余裕で三人は寝れそうなぐらいに広い。
そこから少し離れた奥の方にあるのは、彫刻が凝っているクローゼット、その並びに私の心惹かれる様な花の彫刻が施されたドレッサーがある。
部屋の端から端まで一定の間隔で窓がありクローゼットの近くにはバルコニーへ出れる透明のドアがあった。
当たり前だが、いくつもある窓もバルコニーへ繋がるドアも外から見えないような施しがされている、その上でしっかり自然の光が入るように造られていた。
…バルコニーからはどんな景色が見えるのかしら?
ふと、気になってゆっくり立ってみる。
足がガタガタと震えているものの何とか立つことができたので、一歩、一歩、微妙な一歩だが、全神経を足に集中させて久々に前に向かって歩く。
普通に歩くことがまだ出来ない今、こんなにもバルコニーが遠いと感じ体力を使うのかと思うと止めたくなる。
現状況ではベッドからもだいぶ離れているが、バルコニーまでの距離に比べれば短いものの戻る気もせずどうしたものかと頭を悩ます。
はしたないけれど、いっそうのこと地べたを腕の力で進むのもありよね。と自分の意志に弱さを感じていると背後から視線を感じた。
「…騎士?」
戻ってきたのかしら?と声を出すと共にバランスを崩して、背中から地面へダイブしかけた私を、どの距離にいたのか分からないが背後から抱きしめ受け止めてくれた。
「サフィ…心配させるな」
「…ごめなさい」
強く抱きしめられて、首元に顔を埋める騎士に謝るしかできなかった。
「サフィ、怪我はないか?」
「騎士が受け止めてくれたから大丈夫よ」
そのまま騎士に横向き抱っこをされて、先程まで座っていたベッドへ逆戻りとなる。
あれ程頑張って進んだのに、騎士の足なら数える程度でベッドについた。
そのままベッドに降ろされ、騎士に腕や足首に怪我をしてないか触り確かめられる。
「何処へ行く気だった?」
少し不機嫌な声で問われる
「…バルコニー」
「バルコニー?」
「えぇ、外がどんな風景なのか気になったの」
少し考えてから、
「あぁ、そうか。お望みの物を持ってきた。身なりを整えてから朝食に行こう。その後でも構わないか?」
騎士には珍しく提案をしっかりと伝えてくれた。
「…ありがとう。」
私の言葉を聞いて、不機嫌な雰囲気がやわらいだ騎士にまた横抱きにかかえられる。
何処に足を向けるのかと思えば、気になっていたドレッサーの椅子を引いてそこへ座らせてくれた。
そのまま、ドア付近に置いていた私の頼んだセットを持ってこちらへ戻ってくる。
私が髪をとかし、顔を洗うのを真後ろで静かに見つめる騎士に、何処か別の所を見て欲しいと言いたくなったが、先程の行動でエネルギーをいつもの数十倍使ってしまったようで言葉で訴える気にもなれず、力の入りきらない手を動かして整える。
鏡に映る首の傷が視界に入り、触りたくなるがまた1人の時にすればいいと
「お待たせ致しましたわ。」
身支度が終わったことを伝える。
「待たせてなどいない、いつまでも見ていられる。」
聞こえなかったことにして
「朝食を食べに行きたいわ。」
「あぁ、行こう。」
そう言ってまた抱き上げるので、
「ねぇ、車椅子か杖か何かないの?」
「…ない。」
騎士の、その間はウソよ。
此処には無いだけね、きっと。
此処にはメイドがいないのかしら?
もう何も言うこともせず黙って騎士に横に抱き上げられたまま食堂へ向かった。
私の部屋の2倍、3倍も広くて、今、座ってるベッドも上半身を何とか曲げれるとこまで曲げて見た結果、騎士の様な筋肉質の大男が余裕で三人は寝れそうなぐらいに広い。
そこから少し離れた奥の方にあるのは、彫刻が凝っているクローゼット、その並びに私の心惹かれる様な花の彫刻が施されたドレッサーがある。
部屋の端から端まで一定の間隔で窓がありクローゼットの近くにはバルコニーへ出れる透明のドアがあった。
当たり前だが、いくつもある窓もバルコニーへ繋がるドアも外から見えないような施しがされている、その上でしっかり自然の光が入るように造られていた。
…バルコニーからはどんな景色が見えるのかしら?
ふと、気になってゆっくり立ってみる。
足がガタガタと震えているものの何とか立つことができたので、一歩、一歩、微妙な一歩だが、全神経を足に集中させて久々に前に向かって歩く。
普通に歩くことがまだ出来ない今、こんなにもバルコニーが遠いと感じ体力を使うのかと思うと止めたくなる。
現状況ではベッドからもだいぶ離れているが、バルコニーまでの距離に比べれば短いものの戻る気もせずどうしたものかと頭を悩ます。
はしたないけれど、いっそうのこと地べたを腕の力で進むのもありよね。と自分の意志に弱さを感じていると背後から視線を感じた。
「…騎士?」
戻ってきたのかしら?と声を出すと共にバランスを崩して、背中から地面へダイブしかけた私を、どの距離にいたのか分からないが背後から抱きしめ受け止めてくれた。
「サフィ…心配させるな」
「…ごめなさい」
強く抱きしめられて、首元に顔を埋める騎士に謝るしかできなかった。
「サフィ、怪我はないか?」
「騎士が受け止めてくれたから大丈夫よ」
そのまま騎士に横向き抱っこをされて、先程まで座っていたベッドへ逆戻りとなる。
あれ程頑張って進んだのに、騎士の足なら数える程度でベッドについた。
そのままベッドに降ろされ、騎士に腕や足首に怪我をしてないか触り確かめられる。
「何処へ行く気だった?」
少し不機嫌な声で問われる
「…バルコニー」
「バルコニー?」
「えぇ、外がどんな風景なのか気になったの」
少し考えてから、
「あぁ、そうか。お望みの物を持ってきた。身なりを整えてから朝食に行こう。その後でも構わないか?」
騎士には珍しく提案をしっかりと伝えてくれた。
「…ありがとう。」
私の言葉を聞いて、不機嫌な雰囲気がやわらいだ騎士にまた横抱きにかかえられる。
何処に足を向けるのかと思えば、気になっていたドレッサーの椅子を引いてそこへ座らせてくれた。
そのまま、ドア付近に置いていた私の頼んだセットを持ってこちらへ戻ってくる。
私が髪をとかし、顔を洗うのを真後ろで静かに見つめる騎士に、何処か別の所を見て欲しいと言いたくなったが、先程の行動でエネルギーをいつもの数十倍使ってしまったようで言葉で訴える気にもなれず、力の入りきらない手を動かして整える。
鏡に映る首の傷が視界に入り、触りたくなるがまた1人の時にすればいいと
「お待たせ致しましたわ。」
身支度が終わったことを伝える。
「待たせてなどいない、いつまでも見ていられる。」
聞こえなかったことにして
「朝食を食べに行きたいわ。」
「あぁ、行こう。」
そう言ってまた抱き上げるので、
「ねぇ、車椅子か杖か何かないの?」
「…ない。」
騎士の、その間はウソよ。
此処には無いだけね、きっと。
此処にはメイドがいないのかしら?
もう何も言うこともせず黙って騎士に横に抱き上げられたまま食堂へ向かった。
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