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最終章
03
しおりを挟む「騎士、旅から戻ってきてから変よ」
「どこがだ」
「ねぇ、顔を見せて頂戴。話しずらいわ」
騎士の身体を後ろへ引っ張ってみるが、ビクともしない。
「はぁ、そういう所よ。」
「何処もおかしくなんてない。」
いえ、現にこの状態がおかしいと思って欲しいわ
「旅から戻って、姿を急に見せなくなったと思えば誕生日会の日に私の婚約者を紹介した時から…次の日だってそうよ。エドウィー王子にくいかかるは私の邪魔ばかり…」
ガバッと体を離したかと思えば
「邪魔に思っていたのか?」
「私は、誠実な男性と温かい家庭を作りたかったの!」
「誠実、アイツが本当に誠実な王子だとでも思うのか?サフィ、お前の立場じゃ俺以外の男となど温かい家庭なんて作れないだろ。」
騎士が鼻で笑いエドウィー王子を馬鹿にしたような言葉とその自信溢れる言葉に苛立ちを覚えた。
「どこからその自信が湧いてくるのか知らないけれど、不誠実な貴方では私の望む家庭なんて作れないし、エドウィー王子のことを悪く言わないで頂戴!貴方だけにはきっと言われたくないはずよ!」
「…不誠実だと?」
「不誠実じゃない!私が知らないとでも思っているの?女性絡みに巻き込まれるこっちの身にもなって欲しいぐらいに知ってることはあるのよ」
言いたいことをまくし立てるかのように騎士へとぶつけた事で息が上がり、肩が呼吸に合わせて動く
「…騎士、もういいでしょう、私を膝から下ろして頂戴」
「サフィ、俺にはずっとお前だけしかいない必ず幸せにしてみせる。」
何故、私の言葉を無視するの?
「幸せにする相手は私ではないわ」
「何を言ってるんだ?サフィ以外にいるはずがない。出会ってからずっとサフィお前を俺の嫁にすることだけを考えてきた。」
片手を私の頬にあてがい、騎士の瞳の奥に黒に近い青色が闇を抱えてみえる程お互い顔の距離が近くこの色に吸い込まれるんじゃないかと苛立ちよりも恐怖心が少しずつ膨れ上がる。
「どういう、こと?私たち兄妹のように過ごしできたわよね?それに、あの女たちは?」
「あぁ、あの女どもに気持ちも何もない。サフィが女性になる迄に手を出すのを我慢するためのただの吐き捨てだ。そして、前にも言ったがお前のことを妹の様に思い見てきたつもりは無い。出会ったあの日、俺に手を差し出し微笑んだサファリーアをみて俺だけの天使が舞い降りてきたと思った。直ぐに籍を入れたかったが当時まだ年齢の壁があった上に俺自身の力もまだまだ弱く、サフィを守り囲える力も無かった。でもいずれ俺達が結婚するのは決まっていた事だ、それをあの男が邪魔をしてきやがった!」
本当に悔しそうに腰に回っていた腕にも力が込められて、その痛みにうっと声が出れば、ハッとして直ぐに腕の力を緩められ、「すまない」とおでこにキスを落としてくる。
騎士の告白に、喜びよりも恐怖を感じた。
私の運命は私のもののはずなのに、この男に出会って歯車をずらされてしまっていたなんて。
当時5歳の私にそれが分かるはずなんて無いのよ。
あぁ、あの日に戻って出会わないように教えて上げたいくらいに目の前の現実にダメージを受けたわ。
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