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第三章
これってもしかして
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「その居場所がなくなると思って、お前は焦ってあんなことしたっての?」
その言葉には無言が返ってきた。つまり図星ということだ。
「ちゃんと言ってくれたらよかったじゃん」
「頭に血が上った」
組んでいた指を解いて、ルークの手がオレに伸びる。
顔に触れる直前で躊躇したのはオレが拒絶するかどうか不安になったからだろう。
「触れば?」
「……いいのか」
「ひどいことはされたけど、別に嫌いになったわけじゃねえよ。オレも本気で抵抗しなかったし」
ルークの手が頬に触れる。包むように撫でられて少しこそばゆい。
「お前はお人好しだ」
「優しくて懐が深くていい男だろ。感謝しろ、優しいオレに」
「ああ、そうだな」
ルークが近付いて、徐に膝に抱き上げられた。それに驚きはしたものの、縋り付くようにオレを抱き締めるから、何も言えなくなってしまった。
「もう急にああいうことすんなよ。普通に怖えから。オレじゃなきゃお前騎士団に突き出されてたぞ」
「わかった」
「あとオレはもう酒飲むのやめます」
「そうしてくれ。心臓に悪い」
「とりあえずしばらく家事全部ルークがやれよ。店は臨時休業」
「俺が店番をすればいいだろう」
「嫌だよ。ルーク目当ての客で殺到するじゃん。お前はもっと自分の顔のよさに自覚もってくださーい」
そう言うとルークが笑った。疲れ切っていた顔に少し生気が戻ったのを見て少し安心していれば、また辛気臭い顔に戻った。抱き締めている腕に力が籠り、シーツ越しにルークの体温が伝わる。
「ひどいことをしてすまない」
「おう」
「体は、辛いか?」
「さっきベッドから落ちたオレ見ただろ」
「……悪かった」
「いいよ。でも無理矢理はもうなしな、約束」
シーツの中から片方を出し、小指を立てる。それを見たルークが不思議そうにしているのに、オレはああと頷いた。
「指切り。もうひどいことしませんって約束すんだよ。ほらお前も指出せ」
「……こうか?」
「おっけ。嘘ついたら針千本飲ます。絶対に」
差し出された小指と自分の絡める。その行為をじっと見ているルークに真顔で伝えると、若干頬を引き攣らせた。
それに満足しつつ、ふと飛び出しそうになった言葉を急いで飲み込む。
オレ以外にああいうことすんなよ。そう言いかけた。
それは一見普通の言葉に見えて、ただの独占欲の塊だ。オレとルークはなんでもない。ただの同居人で、ただ距離が近いだけ。そこに名前なんてないし、付けてはいけない気がした。
散々ルークに偉そうなことを言っても、オレはとても臆病だ。
決定的な追求を避けたまま、オレは口を開く。
「腹減った。なんか作って」
「俺に料理をしろと」
「オレができねえんだからしょうがないだろ。ほら、何事も挑戦だ。頑張れ」
何も言えなくなったルークがオレをソファに下ろしてキッチンへ向かう。その姿を見ながら「このままでいいんだ」ってオレは自分に言い聞かせた。
◇◆◇◆◇
そう思っていた時期がオレにもありました。
「っ、ぁ、もう、無理……っ」
「リアス、もう少し頑張ってくれ」
「無理、ホントに無理だって、──っ!」
ルークと初めて体を繋げてしまってから、オレたちの距離感はさらにバグった。
どれくらいバグったかというと、あの日から結構な頻度で肌を重ねてしまっている程度にはバグってしまった。
一回やったら二回も同じとか、そういう話ではないのだ。
「リアス、リアス……っ」
後ろからオレを深く貫き、容赦無く腰を打ち付けながらルークが甘い声でオレを呼ぶ。
もう最初に感じていた痛みなんて一切なくて、溶けそうな快感だけがずっと襲ってくる。頭の中が気持ちいいだけで埋まり、全身が溶けそうだ。
そうして中に三度目の精を吐き出され、広がっていく熱に多幸感で胸が満たされる。
行為が終わると、ルークは甲斐甲斐しくオレの世話を焼いてくれる。大切な宝物を扱うみたいに慎重に、そして丁寧に全身を綺麗にしてくれて、そして同じベッドで眠るのだ。
ルークの腕の中でようやく行為後の火照りから体が冷めたオレは遠い目をした。
──これってセフレじゃね?
その言葉には無言が返ってきた。つまり図星ということだ。
「ちゃんと言ってくれたらよかったじゃん」
「頭に血が上った」
組んでいた指を解いて、ルークの手がオレに伸びる。
顔に触れる直前で躊躇したのはオレが拒絶するかどうか不安になったからだろう。
「触れば?」
「……いいのか」
「ひどいことはされたけど、別に嫌いになったわけじゃねえよ。オレも本気で抵抗しなかったし」
ルークの手が頬に触れる。包むように撫でられて少しこそばゆい。
「お前はお人好しだ」
「優しくて懐が深くていい男だろ。感謝しろ、優しいオレに」
「ああ、そうだな」
ルークが近付いて、徐に膝に抱き上げられた。それに驚きはしたものの、縋り付くようにオレを抱き締めるから、何も言えなくなってしまった。
「もう急にああいうことすんなよ。普通に怖えから。オレじゃなきゃお前騎士団に突き出されてたぞ」
「わかった」
「あとオレはもう酒飲むのやめます」
「そうしてくれ。心臓に悪い」
「とりあえずしばらく家事全部ルークがやれよ。店は臨時休業」
「俺が店番をすればいいだろう」
「嫌だよ。ルーク目当ての客で殺到するじゃん。お前はもっと自分の顔のよさに自覚もってくださーい」
そう言うとルークが笑った。疲れ切っていた顔に少し生気が戻ったのを見て少し安心していれば、また辛気臭い顔に戻った。抱き締めている腕に力が籠り、シーツ越しにルークの体温が伝わる。
「ひどいことをしてすまない」
「おう」
「体は、辛いか?」
「さっきベッドから落ちたオレ見ただろ」
「……悪かった」
「いいよ。でも無理矢理はもうなしな、約束」
シーツの中から片方を出し、小指を立てる。それを見たルークが不思議そうにしているのに、オレはああと頷いた。
「指切り。もうひどいことしませんって約束すんだよ。ほらお前も指出せ」
「……こうか?」
「おっけ。嘘ついたら針千本飲ます。絶対に」
差し出された小指と自分の絡める。その行為をじっと見ているルークに真顔で伝えると、若干頬を引き攣らせた。
それに満足しつつ、ふと飛び出しそうになった言葉を急いで飲み込む。
オレ以外にああいうことすんなよ。そう言いかけた。
それは一見普通の言葉に見えて、ただの独占欲の塊だ。オレとルークはなんでもない。ただの同居人で、ただ距離が近いだけ。そこに名前なんてないし、付けてはいけない気がした。
散々ルークに偉そうなことを言っても、オレはとても臆病だ。
決定的な追求を避けたまま、オレは口を開く。
「腹減った。なんか作って」
「俺に料理をしろと」
「オレができねえんだからしょうがないだろ。ほら、何事も挑戦だ。頑張れ」
何も言えなくなったルークがオレをソファに下ろしてキッチンへ向かう。その姿を見ながら「このままでいいんだ」ってオレは自分に言い聞かせた。
◇◆◇◆◇
そう思っていた時期がオレにもありました。
「っ、ぁ、もう、無理……っ」
「リアス、もう少し頑張ってくれ」
「無理、ホントに無理だって、──っ!」
ルークと初めて体を繋げてしまってから、オレたちの距離感はさらにバグった。
どれくらいバグったかというと、あの日から結構な頻度で肌を重ねてしまっている程度にはバグってしまった。
一回やったら二回も同じとか、そういう話ではないのだ。
「リアス、リアス……っ」
後ろからオレを深く貫き、容赦無く腰を打ち付けながらルークが甘い声でオレを呼ぶ。
もう最初に感じていた痛みなんて一切なくて、溶けそうな快感だけがずっと襲ってくる。頭の中が気持ちいいだけで埋まり、全身が溶けそうだ。
そうして中に三度目の精を吐き出され、広がっていく熱に多幸感で胸が満たされる。
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ルークの腕の中でようやく行為後の火照りから体が冷めたオレは遠い目をした。
──これってセフレじゃね?
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