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第四章
オブラートってもんを学べ
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互いの声が揃い喉を潤す。途端に感じた空腹感に、そうだずっと飯を食っていなかったと思い出し、迷いなく大きな肉を口に入れた。
「随分がっつくね」
「昨日から何も食ってねえもん」
それにノクトが呆れたような顔をした。
間違いなく健康的な生活をしている人間からのその視線は結構心にくるものがある。ノクトの顔が整っているものだから効果はさらに上がっている。
頬張った料理を咀嚼してからやや気まずい思いをしながら口を開く。
「だってさぁ、忙しくってさぁ」
「ルークはどうした。彼が君の不摂生を見過ごすはずがないと思うんだが」
予想していなかった切り口に言葉が詰まる。美味いと思えていた料理の味が少し落ちたと感じるくらいには、その話題は今のオレには重たい。
だが誤魔化すことも嘘を吐くことも、オレは本来苦手なのだ。だってストレスだから。
「別れたのか?」
「そもそも付き合ってねえ」
素早く打ち返した言葉にノクトが眉を寄せた。
「恋人じゃないのか」
独り言のようなその声にオレは眉を寄せ、違う料理を一口で頬張った。
「だって釣り合わねえもん、オレじゃ」
「……? すまない、言っている意味がよくわからない」
「だから! 釣り合わねえの! 見ろオレの顔! どっからどう見ても平凡!」
ノクトがじっとオレの顔を見て心底わからないと言った顔で首を傾げた。そうだ、この男はこういう性格だったと思い出して溜息を吐いた。
「いいですかノクト君。オレみたいなのは一般的に普通っていうんですよ。お前はイケメンな。相当上の方のイケメンな。絵画みたいに整った顔しやがって。このイケメンが」
「褒めているのかい、それは」
「褒め半分嫉み半分」
野菜とハムがたっぷり挟んであるサンドイッチを頬張る。気分のせいで味が落ちたように感じるが、この空腹の前には全てがご馳走だ。迷わず食べ進めながらノクトを見る。
攻略対象だったのだからもちろん顔がいい。それに加えて性格もよければ、スタイルだって文句なしだ。まさに完璧と言って差し支えないくらいのスペックがノクトにはある。
「……いいなぁノクトは」
サンドイッチを一つ平らげたところで少しだけ腹が落ち着いた気がする。
お茶を飲みながら呟いた言葉に、まだ何にも手をつけていないノクトが不思議そうに聞いてきた。
「何がいいんだ?」
「全部だよ。顔もスタイルもいいしさ、性格もいいじゃん。強いし」
オレはリアスというキャラクターは嫌いじゃない。何十周とやり込んだゲームだ。全てのキャラクターに愛着があるに決まっている。
けれどそれでも自分ごとと捉えた時、オレの容姿はやはり平凡なのだ。
「……オレがノクトみたいなイケメンだったらな。そしたら、そしたらなぁ」
そうしたら、その先が口に出せないくらいオレは臆病だ。
だって望んだところで手に入らないし、言うだけ無駄だ。
そんな虚しい思いをするくらいなら、全部飲み込んで忘れてしまった方がいい。
「はー、やめやめ。飯食お。ていうかノクトも食えよ、オレが全部食っちまうぞ」
ルークのことを考えるとどうしても気分が落ち込む。それにノクトを巻き込むのも気が引けて、また新しい料理に手を伸ばしたところでそれまで沈黙していたノクトの声が響いた。
「もしかして君は、自分の見た目に自信がなくて落ち込んでいるのか?」
「お前はオブラートってもんを学んでこいよ。騎士団の必修科目にろ」
「随分がっつくね」
「昨日から何も食ってねえもん」
それにノクトが呆れたような顔をした。
間違いなく健康的な生活をしている人間からのその視線は結構心にくるものがある。ノクトの顔が整っているものだから効果はさらに上がっている。
頬張った料理を咀嚼してからやや気まずい思いをしながら口を開く。
「だってさぁ、忙しくってさぁ」
「ルークはどうした。彼が君の不摂生を見過ごすはずがないと思うんだが」
予想していなかった切り口に言葉が詰まる。美味いと思えていた料理の味が少し落ちたと感じるくらいには、その話題は今のオレには重たい。
だが誤魔化すことも嘘を吐くことも、オレは本来苦手なのだ。だってストレスだから。
「別れたのか?」
「そもそも付き合ってねえ」
素早く打ち返した言葉にノクトが眉を寄せた。
「恋人じゃないのか」
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「だって釣り合わねえもん、オレじゃ」
「……? すまない、言っている意味がよくわからない」
「だから! 釣り合わねえの! 見ろオレの顔! どっからどう見ても平凡!」
ノクトがじっとオレの顔を見て心底わからないと言った顔で首を傾げた。そうだ、この男はこういう性格だったと思い出して溜息を吐いた。
「いいですかノクト君。オレみたいなのは一般的に普通っていうんですよ。お前はイケメンな。相当上の方のイケメンな。絵画みたいに整った顔しやがって。このイケメンが」
「褒めているのかい、それは」
「褒め半分嫉み半分」
野菜とハムがたっぷり挟んであるサンドイッチを頬張る。気分のせいで味が落ちたように感じるが、この空腹の前には全てがご馳走だ。迷わず食べ進めながらノクトを見る。
攻略対象だったのだからもちろん顔がいい。それに加えて性格もよければ、スタイルだって文句なしだ。まさに完璧と言って差し支えないくらいのスペックがノクトにはある。
「……いいなぁノクトは」
サンドイッチを一つ平らげたところで少しだけ腹が落ち着いた気がする。
お茶を飲みながら呟いた言葉に、まだ何にも手をつけていないノクトが不思議そうに聞いてきた。
「何がいいんだ?」
「全部だよ。顔もスタイルもいいしさ、性格もいいじゃん。強いし」
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けれどそれでも自分ごとと捉えた時、オレの容姿はやはり平凡なのだ。
「……オレがノクトみたいなイケメンだったらな。そしたら、そしたらなぁ」
そうしたら、その先が口に出せないくらいオレは臆病だ。
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そんな虚しい思いをするくらいなら、全部飲み込んで忘れてしまった方がいい。
「はー、やめやめ。飯食お。ていうかノクトも食えよ、オレが全部食っちまうぞ」
ルークのことを考えるとどうしても気分が落ち込む。それにノクトを巻き込むのも気が引けて、また新しい料理に手を伸ばしたところでそれまで沈黙していたノクトの声が響いた。
「もしかして君は、自分の見た目に自信がなくて落ち込んでいるのか?」
「お前はオブラートってもんを学んでこいよ。騎士団の必修科目にろ」
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