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第五章
目に見える位置
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「……うぅ」
罪悪感に潰されそうになる。
どうにかルークを安心させる手立てはないものかと考えた時、はっとした。また存在を忘れていた。
眠っているルークを見て、起きませんようにと願いながらそっと腕の中から抜け出す。それから音を立てないように違う部屋に行き、ブレスレットの入っている箱を手に取った。
またゆっくりとした足取りで寝室に戻ると、眠っていたはずのルークが起きていて目を見開く。
「うわ、起こした? 悪い」
上半身を起こしてオレを見たルークは明らかに安堵した様子だった。
それにまた胸が痛くなり、すぐに隣に戻る。するとルークの腕がオレの体に巻き付いて強く抱き締められ、息が苦しくなった。
「ルーク」
「……」
何も言わない時、ルークは何を考えているのだろうか。
オレはルークじゃないからわからないけれど、もしオレなら多分今不安で仕方がないと思う。
「どこもいかない。今忘れ物取りに行ってたんだ」
ルークは感情を言葉にするのが多分得意じゃない。オレもそこまで得意というわけではないけれど、こんなことでルークが不安になるならそんなものはどうでもいいと思った。
「ルーク、ちょっと腕離せ」
言葉はないまま腕の力が緩み、ルークの表情が見えるようになった。
不安そうだ。迷子の子供のようだとも思う。こんな顔もオレだから見せてくれているとわかるけれど、そもそもこんな顔にさせる感情を持ってほしくない。
手に持ったままだった箱を開けて、中から銀細工のブレスレットを取り出す。
「利き手出して」
「……それはなんだ」
「プレゼント。本当はユウの町で渡したかったんだけどさ、オレのせいで渡せなかったから」
差し出された手首にブレスレットを嵌める。さすが入念に打ち合わせをしただけあって僅かな余裕を残した状態でぴたりと嵌まり、ルークによく似合うデザインだ。
この世界で守護を意味する言葉が彫られていて、中央にあるルークの瞳と同じ色をした鉱石にもたくさんの加護を付与してもらった。この世界で一つだけのルークへの贈り物だ。
「これと一緒にさ、好きだって言うつもりだった。遅くなってごめん」
「……」
沈黙に少し不安が顔を出す。なぜならルークの目がブレスレットから全く逸れないからだ。
「も、もしかして、そういうの嫌いか? 重たかった? さすがにアクセは重いか⁉︎」
「、なぜ、今なんだ?」
「え?」
「どうして、今これを渡そうと思ったんだ」
全く想定していなかった言葉に目を丸くする。
どうして? そう自分の中で問いかけた時、ユウの町で職人のジジイと話した内容を思い出した。どんなアクセサリーを渡すのかと考えていたときだ。
目に見える位置か、見えない位置か。それを聞かれた。そして俺は見える位置のものを選んだ。その時はその理由を深く考えなかったけれど、今ならわかる。
「お前はオレのって目に見える形の物を渡したかった」
そう言うとルークが目をゆっくりと見開いた。
罪悪感に潰されそうになる。
どうにかルークを安心させる手立てはないものかと考えた時、はっとした。また存在を忘れていた。
眠っているルークを見て、起きませんようにと願いながらそっと腕の中から抜け出す。それから音を立てないように違う部屋に行き、ブレスレットの入っている箱を手に取った。
またゆっくりとした足取りで寝室に戻ると、眠っていたはずのルークが起きていて目を見開く。
「うわ、起こした? 悪い」
上半身を起こしてオレを見たルークは明らかに安堵した様子だった。
それにまた胸が痛くなり、すぐに隣に戻る。するとルークの腕がオレの体に巻き付いて強く抱き締められ、息が苦しくなった。
「ルーク」
「……」
何も言わない時、ルークは何を考えているのだろうか。
オレはルークじゃないからわからないけれど、もしオレなら多分今不安で仕方がないと思う。
「どこもいかない。今忘れ物取りに行ってたんだ」
ルークは感情を言葉にするのが多分得意じゃない。オレもそこまで得意というわけではないけれど、こんなことでルークが不安になるならそんなものはどうでもいいと思った。
「ルーク、ちょっと腕離せ」
言葉はないまま腕の力が緩み、ルークの表情が見えるようになった。
不安そうだ。迷子の子供のようだとも思う。こんな顔もオレだから見せてくれているとわかるけれど、そもそもこんな顔にさせる感情を持ってほしくない。
手に持ったままだった箱を開けて、中から銀細工のブレスレットを取り出す。
「利き手出して」
「……それはなんだ」
「プレゼント。本当はユウの町で渡したかったんだけどさ、オレのせいで渡せなかったから」
差し出された手首にブレスレットを嵌める。さすが入念に打ち合わせをしただけあって僅かな余裕を残した状態でぴたりと嵌まり、ルークによく似合うデザインだ。
この世界で守護を意味する言葉が彫られていて、中央にあるルークの瞳と同じ色をした鉱石にもたくさんの加護を付与してもらった。この世界で一つだけのルークへの贈り物だ。
「これと一緒にさ、好きだって言うつもりだった。遅くなってごめん」
「……」
沈黙に少し不安が顔を出す。なぜならルークの目がブレスレットから全く逸れないからだ。
「も、もしかして、そういうの嫌いか? 重たかった? さすがにアクセは重いか⁉︎」
「、なぜ、今なんだ?」
「え?」
「どうして、今これを渡そうと思ったんだ」
全く想定していなかった言葉に目を丸くする。
どうして? そう自分の中で問いかけた時、ユウの町で職人のジジイと話した内容を思い出した。どんなアクセサリーを渡すのかと考えていたときだ。
目に見える位置か、見えない位置か。それを聞かれた。そして俺は見える位置のものを選んだ。その時はその理由を深く考えなかったけれど、今ならわかる。
「お前はオレのって目に見える形の物を渡したかった」
そう言うとルークが目をゆっくりと見開いた。
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