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第五章
幼馴染
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白くて細い指だけれど生まれながらのお姫様の手とは全く違う。聖女として生まれ、戦いながらこの世界を平和に導いた戦士の手だ。
「ルークを庇ったら、あなたも罪人になるのよ……?」
その時初めてエスタの声が震えた。
か細く揺れる声を聞いて、オレも今日初めて胸の奥が痛んだ。多分エスタが本当にしたかった話はこれだ。
「うん、わかってる」
「わかってないわよ! なんでリアスはっ」
顔から手を離し、ぼろぼろと大粒の涙を溢しているエスタがオレを見て動きを止める。顔をくしゃくしゃに歪めて、小さな女の子のように素直な泣き顔を晒していた。
「ごめんエスタ。もう決めたんだ」
「っ、私より大事だっていうの⁉︎ 私はリアスの幼馴染よ! 特別なんだから! 私がいつだってリアスの一番だったのに!」
「エスタはずっと特別だよ。オレの幼馴染であり家族じゃん。あと唯一の友達」
「親友って言って」
「ああ、親友」
綺麗な目から雨粒みたいに涙が溢れている。
オレのためにこんなに泣いてくれているのが嬉しいと思うのは、きっと不謹慎だろう。
「……これから、どうするのよ」
「旅に出る。ダリアたちが壊した町とか回って復興の手伝いとかできたらなって」
指ではなく手の甲で涙を拭いたエスタがじっとオレを見る。涙で濡れた目はキラキラと輝いているが、その奥には不満の色がありありと浮かんでいて苦笑する。
そんなオレに苛立ったようにエスタの眉間に皺が寄り、両手がオレの頬を引っ張った。
「いててて」
「どうして黙ってたの。ルークだって」
「普通言えなくね?」
「私にくらい言ってくれたってよかったじゃない」
「言えねえよ。本当は誰にも言うつもりなんてなかったんだ」
「それにしては情報管理が杜撰よ。街で噂になっているもの。だから私の耳にも入ってきたの」
その通りすぎて何も言い返せない。
「……それはそうなんだけどさ。なんか、ルークに普通を知ってほしかったんだ。どうやって人が生きてて、何を見て何を感じてるのかとか、そういうの。その為には閉じ込めるわけにもいかねえし、まあ正直いつかはバレると思ってた。想像よりずっと早かったけど」
思えばよくここまでバレずに過ごせたと思う。
ノクトが黙ってくれていたことが何よりの幸運だと思うけれど、エスタの耳にまで入るようになってしまったのなら本当に潮時なのかもしれない。
エスタの手が頬から離れ、まだまだ不機嫌そうな顔でオレを睨む。
頬を膨らませ、全身で不機嫌を表す姿は子供の頃から一切変わっていない天真爛漫なエスタそのものだ。この世界に転生するまで、エスタがこんなに表情豊かな人だとオレは知らなかった。
「黙っててごめん」
「本当にね」
「うん」
「いつ旅に出るの?」
「早けりゃ早い方がいいだろ。多分エスタにも知らせずに出ると思う」
「……」
ぐ、と唇をへの字に曲げてオレを見る。不満でしょうがないといった顔だけれど、こればかりは譲るわけにはいかない。
「戻ってくるの?」
か細い声にオレは曖昧に笑った。
「ルークを庇ったら、あなたも罪人になるのよ……?」
その時初めてエスタの声が震えた。
か細く揺れる声を聞いて、オレも今日初めて胸の奥が痛んだ。多分エスタが本当にしたかった話はこれだ。
「うん、わかってる」
「わかってないわよ! なんでリアスはっ」
顔から手を離し、ぼろぼろと大粒の涙を溢しているエスタがオレを見て動きを止める。顔をくしゃくしゃに歪めて、小さな女の子のように素直な泣き顔を晒していた。
「ごめんエスタ。もう決めたんだ」
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「親友って言って」
「ああ、親友」
綺麗な目から雨粒みたいに涙が溢れている。
オレのためにこんなに泣いてくれているのが嬉しいと思うのは、きっと不謹慎だろう。
「……これから、どうするのよ」
「旅に出る。ダリアたちが壊した町とか回って復興の手伝いとかできたらなって」
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そんなオレに苛立ったようにエスタの眉間に皺が寄り、両手がオレの頬を引っ張った。
「いててて」
「どうして黙ってたの。ルークだって」
「普通言えなくね?」
「私にくらい言ってくれたってよかったじゃない」
「言えねえよ。本当は誰にも言うつもりなんてなかったんだ」
「それにしては情報管理が杜撰よ。街で噂になっているもの。だから私の耳にも入ってきたの」
その通りすぎて何も言い返せない。
「……それはそうなんだけどさ。なんか、ルークに普通を知ってほしかったんだ。どうやって人が生きてて、何を見て何を感じてるのかとか、そういうの。その為には閉じ込めるわけにもいかねえし、まあ正直いつかはバレると思ってた。想像よりずっと早かったけど」
思えばよくここまでバレずに過ごせたと思う。
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「本当にね」
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「……」
ぐ、と唇をへの字に曲げてオレを見る。不満でしょうがないといった顔だけれど、こればかりは譲るわけにはいかない。
「戻ってくるの?」
か細い声にオレは曖昧に笑った。
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