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第六章
開き直り
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眉尻を下げている表情に少し腹が立った。言い返してやろうかと思った時、ルークがノクトを見た。
「だが手放すつもりは微塵もない。お前や聖女には悪いがリアスはもう俺のものだ。ああ、リアスを助けてくれたことには感謝している」
オレは目を丸くし、ついで感覚で感謝を述べられたノクトは風が巻き起こるのではと思うくらいの溜息を吐き、眉間にこれでもかと皺を刻んだ。
「開き直ったな」
「お前たちのおかげでな」
もう一度深く息を吐いたノクトがゆっくりとオレを見る。
疲労が滲む表情に若干同情しつつ、それでも真剣な眼差しに気を引き締めた。
「オルロンはそれでいいのかい? もう普通には生きられないんだよ」
その問いにオレは数秒と開けずに頷いた。
「ルークと生きるって決めた時に覚悟はできてる。ありがとう、ノクト」
「……そうか。君がいいなら、それが正解なんだろうな」
複雑な顔で笑ったノクトが目を伏せ、再び厳しい目でルークを見る。こんなにも感情をわかりやすく顔に出すノクトを見るのは初めてで少し新鮮だった。
「ルーク。お前にエスタから伝言がある」
「聖女から?」
「大事にしなかったら呪う、だそうだ」
その言葉をノクトに伝えているエスタが容易に想像できて思わず笑ってしまった。けれどルークはどこか苦虫を噛み潰したよう表情を浮かべていた。
「ちなみにこれは僕も同意見だ。もしオルロンを蔑ろにすることがあれば許さない。その時は僕が奪いに行く」
「それだけはありえない。誓ってもいい」
一瞬バチりと火花が散ったような気がしたけれど、多分気のせいだろう。
「なあ、エスタはオレになんか言ってなかった?」
「伝えるべきことは伝えたと言っていたよ」
その言葉に最後に会った時のことを思い出して頬を緩めた。
「そっか。じゃあオレからの伝言頼める?」
「ああ」
「幸せになれよって伝えといて。あと世界一かわいいって」
オレの言葉にノクトが目を丸くしたあとに笑い、そして深く頷いた。
「わかった。伝えておく」
そんなやり取りをしたのがもうずっと前だ。
エスタのおかげでオレたちは法の及ばない場所に逃げることができて、そしてノクトのおかげでオレたちの存在はこの世界から消えたことになった。
傍から見ればとても看過できない状況だと思うけれど、オレたちにはこれが何よりもの最適解だ。
「でもエスタもノクトも元気そうでよかった」
新聞を畳んでテーブルに置き、息を吐きながらルークに凭れかかる。
「顔を見たいとは思わないのか?」
髪を撫でながら言われた言葉に小さく笑い、すぐに不安になるルークの膝に跨った。
「顔なんて見れなくても生きてるってわかるだけでいいんだよ。それにさ、あと二十年とか経ったら普通に会いに行ける気もするんだよな」
ルークの腕が腰に回り、軽く抱き締められる。
「どうしてだ?」
「その頃にはダリアのことはもう過去になってる。見た目だって変わってるし、世界もそうだよ。二十年も前に死んだって言われてるやつが生きてるなんて誰も思わない」
「希望的観測だな」
「いいじゃん。人生なんてそれくらいでいいんだよ」
近い距離で目が合ってそのまま唇を重ねた。
キスが深くなり、呼吸が少し乱れる。服の裾からルークの手が入り込んで背中を撫でられた拍子に思わず唇を離すと、妖しい光を灯した瞳と目が合った。
「だが手放すつもりは微塵もない。お前や聖女には悪いがリアスはもう俺のものだ。ああ、リアスを助けてくれたことには感謝している」
オレは目を丸くし、ついで感覚で感謝を述べられたノクトは風が巻き起こるのではと思うくらいの溜息を吐き、眉間にこれでもかと皺を刻んだ。
「開き直ったな」
「お前たちのおかげでな」
もう一度深く息を吐いたノクトがゆっくりとオレを見る。
疲労が滲む表情に若干同情しつつ、それでも真剣な眼差しに気を引き締めた。
「オルロンはそれでいいのかい? もう普通には生きられないんだよ」
その問いにオレは数秒と開けずに頷いた。
「ルークと生きるって決めた時に覚悟はできてる。ありがとう、ノクト」
「……そうか。君がいいなら、それが正解なんだろうな」
複雑な顔で笑ったノクトが目を伏せ、再び厳しい目でルークを見る。こんなにも感情をわかりやすく顔に出すノクトを見るのは初めてで少し新鮮だった。
「ルーク。お前にエスタから伝言がある」
「聖女から?」
「大事にしなかったら呪う、だそうだ」
その言葉をノクトに伝えているエスタが容易に想像できて思わず笑ってしまった。けれどルークはどこか苦虫を噛み潰したよう表情を浮かべていた。
「ちなみにこれは僕も同意見だ。もしオルロンを蔑ろにすることがあれば許さない。その時は僕が奪いに行く」
「それだけはありえない。誓ってもいい」
一瞬バチりと火花が散ったような気がしたけれど、多分気のせいだろう。
「なあ、エスタはオレになんか言ってなかった?」
「伝えるべきことは伝えたと言っていたよ」
その言葉に最後に会った時のことを思い出して頬を緩めた。
「そっか。じゃあオレからの伝言頼める?」
「ああ」
「幸せになれよって伝えといて。あと世界一かわいいって」
オレの言葉にノクトが目を丸くしたあとに笑い、そして深く頷いた。
「わかった。伝えておく」
そんなやり取りをしたのがもうずっと前だ。
エスタのおかげでオレたちは法の及ばない場所に逃げることができて、そしてノクトのおかげでオレたちの存在はこの世界から消えたことになった。
傍から見ればとても看過できない状況だと思うけれど、オレたちにはこれが何よりもの最適解だ。
「でもエスタもノクトも元気そうでよかった」
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「希望的観測だな」
「いいじゃん。人生なんてそれくらいでいいんだよ」
近い距離で目が合ってそのまま唇を重ねた。
キスが深くなり、呼吸が少し乱れる。服の裾からルークの手が入り込んで背中を撫でられた拍子に思わず唇を離すと、妖しい光を灯した瞳と目が合った。
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