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第三章 東の国の大きなお風呂編
※重なる熱
唇が触れて、角度を変えて、今度は少し深くなる。ただ唇同士が触れ合っているだけなのに、そこから生まれる感覚にステラの息は上がる。
「っ、ふ…」
頭の中にぼんやりと「キースにはこんな触られ方していない」とそんな考えが浮かんだけれど、そんなものは些末なことだとステラはリヴィウスの温もりを受け入れた。だって、ただ唇が触れ合っているだけなのにこんなにも嬉しい。
「ステラ、口を開けろ」
「…ぁ…っ、ん…ぅ…っ」
言われた通り口を開けるとまた唇が重なって、そこからリヴィウスの舌が入り込む。唇も手も冷たいのに舌は熱くて、それがステラの舌を撫でた途端また痺れるような感覚が襲って鼻に掛かったような声とも吐息とも付かないものが漏れる。
リヴィウスの舌が、唇が、手が、ステラの体に触れる。いつの間にか整えられていた服はまた乱されて、汗ばんだ肌をリヴィウスのほのかに温かな手が撫でていく。これもまたただ触れられているだけ。
それなのに全身を支配するのは言いようが無い程の感覚だった。
「どこまで触られた?」
胸を唇でなぞっていたリヴィウスの低い声にステラは弱々しく首を振った。
「わか、りません…」
記憶の中にあるのは上半身を撫でられたということだけ。けれど眠っている間に何をされたのかステラは知らない。だから首を振ったのに、リヴィウスはまた不機嫌そうに息を吐いた。
「リヴィ」
「違う、ステラにじゃない」
いつの間にかリヴィウスも服を肌蹴ていてふとした拍子に肌が触れ合い安堵とむず痒くなるような感覚をステラに植え付けていく。それに熱っぽい息を吐けば、それごと飲み込まれるみたいに唇が重なって、今度は大きな手が胸を這った。
大きな手が、その手のひらがステラの胸の尖りを掠める。瞬間走った刺激に堪らず唇を離すけれど、それを許さないと言わんばかりにまた塞がれる。くぐもった声が響いて、リヴィウスの手がそこに触れる度にステラの体は魚みたいに跳ねて、全身の血液が沸騰しそうなくらい熱くなる。
「リヴィ…っ」
「ん?」
普段そんな優しい声なんて出さないくせに、さっきまで不機嫌だったくせに、今のリヴィウスはご機嫌な様子でステラを見つめている。僅かに口角を上げて、雪のように白い髪の間から見える目は柔らかく細められていた。
その表情にステラの胸がきゅうっと狭くなる。
「…っ、ぁ、リヴィ、そこは…っ」
「こうすれば早く楽になれる。大丈夫だ」
リヴィウスの手がステラの中心に触れる。自分以外の誰も触れたことがないその場所にリヴィウスが触れる、そう思っただけで堪らない気持ちになるし、恥ずかしくてしょうがなかった。けれど体が熱くて仕方がなくて、リヴィウスの体温が心地良くて、ステラは強い拒否も出来ず彼の温度を受け入れた。
聞いたことがない自分の声だった。自分が自分じゃなくなるような感覚がして、必死にリヴィウスに縋ったけれど、どうしてだかこんな時にはステラのお願いを聞いてくれなくて、むしろ動きがもっと執拗なものになる。
いやらしい水音が聞こえて、自分の呼吸の乱れる音が重なる。それに耳を塞ぎたくなるような声が混ざって、どんどん視界が白に染め上げられていく。
「ゃ、いや、いやですリヴィ…っ、やだ、やだっ」
「大丈夫、大丈夫だステラ」
何にも大丈夫なんかじゃない。こんなの知らない。ステラは子供のように首を横に振る。目からは涙だって溢れていた。けれどリヴィウスは止まってくれなくて、やがて全身を焼くような感覚が臨界点に達し、ステラは声にならない声を上げながら腰を跳ねさせた。
全身を倦怠感と、それを上回る熱が包む。ステラはここに来てようやく媚薬のなんたるかを理解した気がした。もう何もしたくないと思えるほど体は疲弊しているのに、自分でも理解できない体の奥側からドロドロとした熱が際限なく生まれる。
しかもその熱が何を望んでいるのかわかってしまった。
まだ僅かに働いてくれる頭で状況を整理して、ステラは思わずリヴィウスを睨んだ。見下ろす人物は何食わぬ顔で見てきている気がする。そんな曖昧な表現になってしまうのは止まらない涙のせいで視界が滲んでいるからだ。
「文句なら後で聞くと言っただろう」
「……ばか」
多分言わないとした自分の発言を早々にステラは破った。それに珍しくリヴィウスがわかりやすく笑っている気がしたけれど、その表情は確認出来なかった。それはステラが泣いているのもあるが、また距離が無くなったからだ。
「っ、ふ…」
頭の中にぼんやりと「キースにはこんな触られ方していない」とそんな考えが浮かんだけれど、そんなものは些末なことだとステラはリヴィウスの温もりを受け入れた。だって、ただ唇が触れ合っているだけなのにこんなにも嬉しい。
「ステラ、口を開けろ」
「…ぁ…っ、ん…ぅ…っ」
言われた通り口を開けるとまた唇が重なって、そこからリヴィウスの舌が入り込む。唇も手も冷たいのに舌は熱くて、それがステラの舌を撫でた途端また痺れるような感覚が襲って鼻に掛かったような声とも吐息とも付かないものが漏れる。
リヴィウスの舌が、唇が、手が、ステラの体に触れる。いつの間にか整えられていた服はまた乱されて、汗ばんだ肌をリヴィウスのほのかに温かな手が撫でていく。これもまたただ触れられているだけ。
それなのに全身を支配するのは言いようが無い程の感覚だった。
「どこまで触られた?」
胸を唇でなぞっていたリヴィウスの低い声にステラは弱々しく首を振った。
「わか、りません…」
記憶の中にあるのは上半身を撫でられたということだけ。けれど眠っている間に何をされたのかステラは知らない。だから首を振ったのに、リヴィウスはまた不機嫌そうに息を吐いた。
「リヴィ」
「違う、ステラにじゃない」
いつの間にかリヴィウスも服を肌蹴ていてふとした拍子に肌が触れ合い安堵とむず痒くなるような感覚をステラに植え付けていく。それに熱っぽい息を吐けば、それごと飲み込まれるみたいに唇が重なって、今度は大きな手が胸を這った。
大きな手が、その手のひらがステラの胸の尖りを掠める。瞬間走った刺激に堪らず唇を離すけれど、それを許さないと言わんばかりにまた塞がれる。くぐもった声が響いて、リヴィウスの手がそこに触れる度にステラの体は魚みたいに跳ねて、全身の血液が沸騰しそうなくらい熱くなる。
「リヴィ…っ」
「ん?」
普段そんな優しい声なんて出さないくせに、さっきまで不機嫌だったくせに、今のリヴィウスはご機嫌な様子でステラを見つめている。僅かに口角を上げて、雪のように白い髪の間から見える目は柔らかく細められていた。
その表情にステラの胸がきゅうっと狭くなる。
「…っ、ぁ、リヴィ、そこは…っ」
「こうすれば早く楽になれる。大丈夫だ」
リヴィウスの手がステラの中心に触れる。自分以外の誰も触れたことがないその場所にリヴィウスが触れる、そう思っただけで堪らない気持ちになるし、恥ずかしくてしょうがなかった。けれど体が熱くて仕方がなくて、リヴィウスの体温が心地良くて、ステラは強い拒否も出来ず彼の温度を受け入れた。
聞いたことがない自分の声だった。自分が自分じゃなくなるような感覚がして、必死にリヴィウスに縋ったけれど、どうしてだかこんな時にはステラのお願いを聞いてくれなくて、むしろ動きがもっと執拗なものになる。
いやらしい水音が聞こえて、自分の呼吸の乱れる音が重なる。それに耳を塞ぎたくなるような声が混ざって、どんどん視界が白に染め上げられていく。
「ゃ、いや、いやですリヴィ…っ、やだ、やだっ」
「大丈夫、大丈夫だステラ」
何にも大丈夫なんかじゃない。こんなの知らない。ステラは子供のように首を横に振る。目からは涙だって溢れていた。けれどリヴィウスは止まってくれなくて、やがて全身を焼くような感覚が臨界点に達し、ステラは声にならない声を上げながら腰を跳ねさせた。
全身を倦怠感と、それを上回る熱が包む。ステラはここに来てようやく媚薬のなんたるかを理解した気がした。もう何もしたくないと思えるほど体は疲弊しているのに、自分でも理解できない体の奥側からドロドロとした熱が際限なく生まれる。
しかもその熱が何を望んでいるのかわかってしまった。
まだ僅かに働いてくれる頭で状況を整理して、ステラは思わずリヴィウスを睨んだ。見下ろす人物は何食わぬ顔で見てきている気がする。そんな曖昧な表現になってしまうのは止まらない涙のせいで視界が滲んでいるからだ。
「文句なら後で聞くと言っただろう」
「……ばか」
多分言わないとした自分の発言を早々にステラは破った。それに珍しくリヴィウスがわかりやすく笑っている気がしたけれど、その表情は確認出来なかった。それはステラが泣いているのもあるが、また距離が無くなったからだ。
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