ソードオブマジック 異世界無双の高校生

王国編

メイクの進化

雪もともはるも俺の元から去った。
あいつらは約束してくれた。
必ず強くなる、と。
俺もうかうかしてられない。
学園長にはともはるとゆきの分の休学届けを出した。
俺はニルヴァーナや他の生徒にまだまだ教えたいことがあったから
自分の修行と並行してやることにした。
雪とともはるが去った夜。
俺は精神世界にいた。
目の前の龍に
「よし。今日もやるか！」
といい、いつもの戦闘を開始しようとしたらバハムートは
「いや、今日から固有スキルの進化を目指して修行をするのじゃ。」
といった。
「そんなことができるのか？」
俺はバハムートにそう聞くと
「お前さんしだいじゃな。」
と不敵な笑みを浮かべた。

「そもそも固有スキルとは何か知っておるか？」
バハムートにそう聞かれ
「神がくれたもんだろ？」
俺にあの激痛とともにスキルをプレゼントしてくれたクロノスの顔が思い浮かぶ。
「まぁ、そうじゃ。だがな神は自分の思い通りのスキルを与えられるわけじゃない。」
へぇ。と俺は相づちを打つ。
「じゃあ、ランダムか？」
「いや、固有スキルとはお前達の『心』が反映される。」
心だと..?
「お主の固有スキル『メイク』は『作る』という特性じゃ。
恐らく虐待されておった時に自分の感情を別のものに作りかえておったからじゃろう。」
...そうだったのか。
「進化させるにはお前が本当の意味であの『トラウマ』を乗り越えなければならぬ。あの思い出と向かい合う覚悟はあるか？」
動悸が激しい。
息が乱れる。
頭が考えることを拒否しようとしてる。
だが、俺は必ず強くならなければいけない。
雪とともはるを必ず守り抜く為にも！
「あぁ。クソみたいなら思い出にケリつけてくる。」
俺はそう答えた。