1 / 1
異世界とは。
しおりを挟む
「....くそ。」
目の前の光景を見てそう呟く。
そこには俺の机に色とりどりのチョークで書かれた罵詈雑言。
その中でも特に濃く書かれている文字。
それは《死ね》と書かれていた。
毎週金曜日の【制裁】を俺はため息を吐きつつ見る。
【制裁】とはクラスの有馬日向が始め、他3人の取り巻きたちが行う俺にするいじめだ。
俺の彼女に大分惚れ込んでたからな。
男の嫉妬は怖い上に容赦ないな。
放課後の教室のドアがガラッと開かれる。
そこには幼馴染の雁夜 春人と 冬白 雪が立っていた。
あっ、やばい。
俺の机を見て春人と雪が殺気立つ。
「あいつら、5回しめてもまだやるか。黒、6回目行ってくる。」
「雪のだーりん...傷つけ、た?春人は甘い。
いよいよ、雪の、出番。殺して、くる。」
俺の為にこんなに怒ってくれるのは嬉しいがどっちもやりすぎるんだよな。
春人のしめかたはやばかった。
初めての【制裁】の日。
怒り狂った春人はあいつらを探し出して腕と足を一本ずつ折った。
俺が止めなければもう一本ずつ逝っていたな。
雪に至ってはその時には、殺すとしか言わなくなって困ったものだ。
正直【制裁】よりも、それによって怒る優しい2人に困らされる。
だが100%俺の為に怒ってくれている2人を俺は愛おしく思う。
こんな親友と彼女がいることに感謝だな。
...まぁ。学校で俺に話しかけてくれるのはこの2人しかいないのが少し辛いが。
まぁいいや。こいつらさえいてくれれば。
「帰りモスドナルドでも行くか。」
近所のファストフード店の名前をぼそっと呟くと雪と春人の二人は
「「行く!!!」
そう声を揃えて言った。
顔を見合わせて3人で笑いあう。
何時までもこんな幸せが続けばいいのに。
俺がそう思った時だった。
どごぉぉぉぉぉん!という
激しい爆発音とともに俺の意識はそこで途切れた。
「...ろ!黒!!」
俺の名前が美しく透き通るような声で呼ばれる。
何度も何度も聞いた愛しい声だ。
「起きろ黒!」
力強い声が俺の心臓を熱くする。
こんな声の持ち主は一人しかいない。
体がだるいくて起きるのが辛いがこれ以上心配をかけるわけにはいかないな。
「俺は大丈夫だよ。雪、春人。」
俺がそう2人に言いつつ体を起こすと俺の目の前には、目に涙を浮かべた2人がいた。
「「黒!」」
2人はまた声をそろえて俺の名前を呼び抱きつく。
「よしよし。心配かけてごめんな。」
俺は雪の白いきれいな髪を撫でつつそう言う。
それよりここはどこだ?目に入るのはただただ広く妙に神々しい部屋だ。
その中央には見知らぬ女性が立っている。
美人だな。
俺がそう思ったのも束の間。
「やっと全員が起きたか。それでは状況を説明してやろうかな。私は時の神クロノス。おまえらの元いた世界でお前ら死んだ。ちなみに死因は隕石の落下。学校にいるときに隕石が落ちて死ぬとかどんな確立だよってね。まぁでもお前らはすごく幸運だ。私の管理している世界がつまらなくてね。面白そうな人間を送ろうと思ってたところだったんだ。もう一度生きるチャンスをやる。だがそこはモンスターあり。魔王ありの無茶苦茶なところだ。
私からのチャンスを受けるのならそんな世界でも生きていけるよう『力』をやるがどうする?
ちなみに断ったら魂は回帰され、お前らは輪廻をめぐることになる。」
とクロなんちゃらさんはのたまった。
いきなり喋りすぎだろ....。
俺は異世界転移ものの小説読んでたから
話にギリギリついていけるが隣の雪と春人は口をあけてぽかーんとしている。
雪は可愛いし春人はいけめんだな。
とりあえず状況を説明してやるか。
俺が雪と春人に出来る限りわかりやすく説明をする。
5分ほどしてようやく春人が話を理解することができた。
雪はそれからさらに10分ほどかかってしまった。元々の頭が良い分理解に苦しんでいた。
ようやく2人とも話を理解したときに俺は
こう問いた。
「春人、雪どうしたい?」
俺は2人にそういうと春人は生まれながらの茶髪をなびかせ
「俺は生きたい。お前らとまた騒ぎたいしな。」
と無駄に爽やかな笑顔でそう言う。
「雪も、生きる。黒と春人とまだ生きたい、よ?」
一方こちらは無表情ながらも少し顔を赤らめてそう言う。
聞くまでもなかったな。
2人の答えは共に『新たな人生』を生きるというものだった。
2人をおいては逝けないな。
そこで一息つくと俺は2人の目をしっかりと見据え、
「なら生きよう。2度目の人生を!」
そう言ったのだった。
目の前の光景を見てそう呟く。
そこには俺の机に色とりどりのチョークで書かれた罵詈雑言。
その中でも特に濃く書かれている文字。
それは《死ね》と書かれていた。
毎週金曜日の【制裁】を俺はため息を吐きつつ見る。
【制裁】とはクラスの有馬日向が始め、他3人の取り巻きたちが行う俺にするいじめだ。
俺の彼女に大分惚れ込んでたからな。
男の嫉妬は怖い上に容赦ないな。
放課後の教室のドアがガラッと開かれる。
そこには幼馴染の雁夜 春人と 冬白 雪が立っていた。
あっ、やばい。
俺の机を見て春人と雪が殺気立つ。
「あいつら、5回しめてもまだやるか。黒、6回目行ってくる。」
「雪のだーりん...傷つけ、た?春人は甘い。
いよいよ、雪の、出番。殺して、くる。」
俺の為にこんなに怒ってくれるのは嬉しいがどっちもやりすぎるんだよな。
春人のしめかたはやばかった。
初めての【制裁】の日。
怒り狂った春人はあいつらを探し出して腕と足を一本ずつ折った。
俺が止めなければもう一本ずつ逝っていたな。
雪に至ってはその時には、殺すとしか言わなくなって困ったものだ。
正直【制裁】よりも、それによって怒る優しい2人に困らされる。
だが100%俺の為に怒ってくれている2人を俺は愛おしく思う。
こんな親友と彼女がいることに感謝だな。
...まぁ。学校で俺に話しかけてくれるのはこの2人しかいないのが少し辛いが。
まぁいいや。こいつらさえいてくれれば。
「帰りモスドナルドでも行くか。」
近所のファストフード店の名前をぼそっと呟くと雪と春人の二人は
「「行く!!!」
そう声を揃えて言った。
顔を見合わせて3人で笑いあう。
何時までもこんな幸せが続けばいいのに。
俺がそう思った時だった。
どごぉぉぉぉぉん!という
激しい爆発音とともに俺の意識はそこで途切れた。
「...ろ!黒!!」
俺の名前が美しく透き通るような声で呼ばれる。
何度も何度も聞いた愛しい声だ。
「起きろ黒!」
力強い声が俺の心臓を熱くする。
こんな声の持ち主は一人しかいない。
体がだるいくて起きるのが辛いがこれ以上心配をかけるわけにはいかないな。
「俺は大丈夫だよ。雪、春人。」
俺がそう2人に言いつつ体を起こすと俺の目の前には、目に涙を浮かべた2人がいた。
「「黒!」」
2人はまた声をそろえて俺の名前を呼び抱きつく。
「よしよし。心配かけてごめんな。」
俺は雪の白いきれいな髪を撫でつつそう言う。
それよりここはどこだ?目に入るのはただただ広く妙に神々しい部屋だ。
その中央には見知らぬ女性が立っている。
美人だな。
俺がそう思ったのも束の間。
「やっと全員が起きたか。それでは状況を説明してやろうかな。私は時の神クロノス。おまえらの元いた世界でお前ら死んだ。ちなみに死因は隕石の落下。学校にいるときに隕石が落ちて死ぬとかどんな確立だよってね。まぁでもお前らはすごく幸運だ。私の管理している世界がつまらなくてね。面白そうな人間を送ろうと思ってたところだったんだ。もう一度生きるチャンスをやる。だがそこはモンスターあり。魔王ありの無茶苦茶なところだ。
私からのチャンスを受けるのならそんな世界でも生きていけるよう『力』をやるがどうする?
ちなみに断ったら魂は回帰され、お前らは輪廻をめぐることになる。」
とクロなんちゃらさんはのたまった。
いきなり喋りすぎだろ....。
俺は異世界転移ものの小説読んでたから
話にギリギリついていけるが隣の雪と春人は口をあけてぽかーんとしている。
雪は可愛いし春人はいけめんだな。
とりあえず状況を説明してやるか。
俺が雪と春人に出来る限りわかりやすく説明をする。
5分ほどしてようやく春人が話を理解することができた。
雪はそれからさらに10分ほどかかってしまった。元々の頭が良い分理解に苦しんでいた。
ようやく2人とも話を理解したときに俺は
こう問いた。
「春人、雪どうしたい?」
俺は2人にそういうと春人は生まれながらの茶髪をなびかせ
「俺は生きたい。お前らとまた騒ぎたいしな。」
と無駄に爽やかな笑顔でそう言う。
「雪も、生きる。黒と春人とまだ生きたい、よ?」
一方こちらは無表情ながらも少し顔を赤らめてそう言う。
聞くまでもなかったな。
2人の答えは共に『新たな人生』を生きるというものだった。
2人をおいては逝けないな。
そこで一息つくと俺は2人の目をしっかりと見据え、
「なら生きよう。2度目の人生を!」
そう言ったのだった。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
聖女が降臨した日が、運命の分かれ目でした
猫乃真鶴
ファンタジー
女神に供物と祈りを捧げ、豊穣を願う祭事の最中、聖女が降臨した。
聖女とは女神の力が顕現した存在。居るだけで豊穣が約束されるのだとそう言われている。
思ってもみない奇跡に一同が驚愕する中、第一王子のロイドだけはただ一人、皆とは違った視線を聖女に向けていた。
彼の婚約者であるレイアだけがそれに気付いた。
それが良いことなのかどうなのか、レイアには分からない。
けれども、なにかが胸の内に燻っている。
聖女が降臨したその日、それが大きくなったのだった。
※このお話は、小説家になろう様にも掲載しています
【完結】アル中の俺、転生して断酒したのに毒杯を賜る
堀 和三盆
ファンタジー
前世、俺はいわゆるアル中だった。色んな言い訳はあるが、ただ単に俺の心が弱かった。酒に逃げた。朝も昼も夜も酒を飲み、周囲や家族に迷惑をかけた。だから。転生した俺は決意した。今世では決して酒は飲まない、と。
それなのに、まさか無実の罪で毒杯を賜るなんて。
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる