幻想世界の創造師

@UnderDog

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異世界とは。

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「....くそ。」
目の前の光景を見てそう呟く。
そこには俺の机に色とりどりのチョークで書かれた罵詈雑言。
その中でも特に濃く書かれている文字。
それは《死ね》と書かれていた。
毎週金曜日の【制裁】を俺はため息を吐きつつ見る。
【制裁】とはクラスの有馬日向ありまひゅうがが始め、他3人の取り巻きたちが行う俺にするいじめだ。
俺の彼女に大分惚れ込んでたからな。
男の嫉妬は怖い上に容赦ないな。
放課後の教室のドアがガラッと開かれる。
そこには幼馴染の雁夜 春人かりや はるひと 冬白 雪ふゆしろ ゆきが立っていた。
あっ、やばい。
俺の机を見て春人と雪が殺気立つ。
「あいつら、5回しめてもまだやるか。黒、6回目行ってくる。」
「雪のだーりん...傷つけ、た?春人は甘い。
いよいよ、雪の、出番。殺して、くる。」
俺の為にこんなに怒ってくれるのは嬉しいがどっちもやりすぎるんだよな。
春人のしめかたはやばかった。
初めての【制裁】の日。
怒り狂った春人はあいつらを探し出して腕と足を一本ずつ折った。
俺が止めなければもう一本ずつ逝っていたな。
雪に至ってはその時には、殺すとしか言わなくなって困ったものだ。
正直【制裁】よりも、それによって怒る優しい2人に困らされる。
だが100%俺の為に怒ってくれている2人を俺は愛おしく思う。
こんな親友と彼女がいることに感謝だな。

...まぁ。学校で俺に話しかけてくれるのはこの2人しかいないのが少し辛いが。
まぁいいや。こいつらさえいてくれれば。
「帰りモスドナルドでも行くか。」
近所のファストフード店の名前をぼそっと呟くと雪と春人の二人は
「「行く!!!」
そう声を揃えて言った。
顔を見合わせて3人で笑いあう。
何時までもこんな幸せが続けばいいのに。
俺がそう思った時だった。
どごぉぉぉぉぉん!という
激しい爆発音とともに俺の意識はそこで途切れた。

「...ろ!黒!!」
俺の名前が美しく透き通るような声で呼ばれる。
何度も何度も聞いた愛しい声だ。
「起きろ黒!」
力強い声が俺の心臓を熱くする。
こんな声の持ち主は一人しかいない。
体がだるいくて起きるのが辛いがこれ以上心配をかけるわけにはいかないな。
「俺は大丈夫だよ。雪、春人。」
俺がそう2人に言いつつ体を起こすと俺の目の前には、目に涙を浮かべた2人がいた。
「「黒!」」
2人はまた声をそろえて俺の名前を呼び抱きつく。
「よしよし。心配かけてごめんな。」
俺は雪の白いきれいな髪を撫でつつそう言う。
それよりここはどこだ?目に入るのはただただ広く妙に神々しい部屋だ。
その中央には見知らぬ女性が立っている。
美人だな。
俺がそう思ったのも束の間。
「やっと全員が起きたか。それでは状況を説明してやろうかな。私は時の神クロノス。おまえらの元いた世界でお前ら死んだ。ちなみに死因は隕石の落下。学校にいるときに隕石が落ちて死ぬとかどんな確立だよってね。まぁでもお前らはすごく幸運だ。私の管理している世界がつまらなくてね。面白そうな人間を送ろうと思ってたところだったんだ。もう一度生きるチャンスをやる。だがそこはモンスターあり。魔王ありの無茶苦茶なところだ。
私からのチャンスを受けるのならそんな世界でも生きていけるよう『力』をやるがどうする?
ちなみに断ったら魂は回帰され、お前らは輪廻をめぐることになる。」
とクロなんちゃらさんはのたまった。
いきなり喋りすぎだろ....。
俺は異世界転移ものの小説読んでたから
話にギリギリついていけるが隣の雪と春人は口をあけてぽかーんとしている。
雪は可愛いし春人はいけめんだな。
とりあえず状況を説明してやるか。
俺が雪と春人に出来る限りわかりやすく説明をする。
5分ほどしてようやく春人が話を理解することができた。
雪はそれからさらに10分ほどかかってしまった。元々の頭が良い分理解に苦しんでいた。

ようやく2人とも話を理解したときに俺は
こう問いた。
「春人、雪どうしたい?」
俺は2人にそういうと春人は生まれながらの茶髪をなびかせ
「俺は生きたい。お前らとまた騒ぎたいしな。」
と無駄に爽やかな笑顔でそう言う。
「雪も、生きる。黒と春人とまだ生きたい、よ?」
一方こちらは無表情ながらも少し顔を赤らめてそう言う。
聞くまでもなかったな。
2人の答えは共に『新たな人生』を生きるというものだった。
2人をおいては逝けないな。
そこで一息つくと俺は2人の目をしっかりと見据え、
「なら生きよう。2度目の人生を!」
そう言ったのだった。
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