死神のレクイエム

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

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第1章  白銀の少年

005  白銀の少年①Ⅰ

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 太陽が南の空の丁度真ん中に来る前、時計の短針はまだ、十一を指していた頃。
「なあ、なんで高校生になってこんな事をしないといけないんだ?」
 エアコンも起動していない蒸し暑い教室。窓を開けても入ってくるのは生暖かい風。
 八嶋正寿やしままさとしは、目の前にあるプリントを睨みつけながら格闘していた。蒸し暑い、この教室で、ほとんどの生徒が生死の境目をさ迷っている。額から首を伝って上半身から足にかけて、汗がだらだらと流れる。目がかすんでいる。
 まだ、五月のじめじめした季節。神代町の神代かみしろ北高等学校二年一組。前の席の女子の制服が汗で透けて、ブラの部分がくっきりと見える。目のやり場にも困るというのはこういった状況であり、正寿は下敷きで仰ぎながら少しでも涼しくしようと頑張っていた。
 そして、時間が刻々と過ぎていき、気づいた時にはもう午後十二時十分を回っていた。チャイムが鳴り、今日の授業は終了した。コンビニで買っておいた弁当をバックの中から取り出して、制服の第二ボタンまで外した。
「今日の授業終わった―」
 正寿はすべての脱力感が抜け、最初に発した言葉がこれだった。正寿と一緒に彼の同級生が昼食を取っていた。
「ねぇー、今日の正寿君はコンビニの弁当なんだ……」
「ああ、うちの妹が寝坊してしまって、今日は朝からコンビニに直行して、朝食の買い出しに昼食まで買ったんだよ」
「お前、妹に頼りすぎじゃないか? いくら三人妹たちがいるからって一人が四人分毎日作っていればそう言う日もあるだろう?」
 気の緩い声の持ち主が椅子を傾けながら壁により反り、パンを口にしている。正寿は溜息をついた。ご飯の上にある牛肉を一切れ割り箸で摘み取る。
「しょうがねぇーだろ? 春乃の奴が絶対に自分が作っているときは手伝わせてくれないんだから……」
「だとして、それはないな」
「いや、お前に言われたくない。だが、この後暇だよな……」
 そう呟くと、正寿の友人の一人は額に手を当てて、もう一人は自分の友人と笑っていた。
 今日は土曜日であり、土曜課外といった特別授業なのである。
「それよりもたった一ヶ月の間に一回は土曜課外があるのはどうよ。休みは明日しかないじゃねぇーか。それにこの梅雨つゆの季節の間に殺されそうな暑さが来ているし、イライラだけしか残らねぇ‼」
 正寿はむしゃくしゃして、弁当をものすごい勢いで食べつくしていく。正寿のグループは本来、男子三名・女子二名の五人グループだが、一人、今日は風邪で学校に来ていない。
「私だってそうよ。土曜日なのに白雪と買い物に行けないんだからお互い様よ。文句があるなら学校側に言いなさいよね」
 ストローを人差し指で撫でるように回しながら、いかにも男勝りの少女は、黒色の長髪に先の方はシュシュで一つに纏めている。彼女の名は毛利楓もうりかえで
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