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第2章 二人の旅人
Ⅺ
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受け取った手紙のシールを剥がし、中の手紙を取り出す。二折りされていた手紙を開き、バルトは、黙読する。
書いてある事はバルト以外には分からないが、おそらく何かしら重要な事を伝えているのだろう。バルトは難しい表情で手紙を読み終えると、目の当たりを手で押さえ、天井を見上げた。
「あー」
と、脱力感のある声を漏らす。
「何かあったのですか?」
エルザが訊く。
バルトは、体勢を元に戻し、髪を整えると、立ち上がって窓の所まで行くと、窓を開け、手紙を折り畳んでポケットの中に入れていたライターの火で燃やした。
燃やし終えた後、再び窓を閉じ、ソファーに座りなおす。
「ボーデン」
「なんだ、少佐?」
「少し、頼み事でもしてもいいか?」
「頼み事?」
ボーデンもそれを聞いて、真剣に話を聞こうとする。
ヴィオレットの手紙に何が書いてあったのかは、誰にも知らされていなかったが、バルトがすぐに頼み事をすると言う事は、内容は軍、魔法、国のいずれかに当たる。
ヴィルヘム国には隣接国がいくつもあり、それぞれの国での規則がある。国と国との戦争はないものの、政治的な戦争は、議会である。
ヴィルヘム国とベルフォール国は、隣接国でありながら食糧生産量のトップを争っている。特に麦の生産量や野菜の生産量では僅差でどちらかが一位でどちらかが二位である。
「すぐに隣国のキルヒベルク国・メルシュヴィルに向かってくれ。詳細の手紙はすぐに準備をしよう」
「あの中立国にか? 一体なぜ?」
ボーデンは腕組みをして、詳しい内容を訊き出す。
「メルシュヴィルでここ最近、不穏な動きがあったらしい。俺も行きたい所だが、この手紙には貴様が行くようにと、指示されていた。あの女も貴様だったらどうにかなるかと思っているのだろう」
「怖いっすね。あの大佐も……」
「全くだ。俺の苦労など、これっぽっちも思っちゃいない」
「それって、事実ですよね。苦労なんてしていませんよね」
エルザはヴィオレットの意見に納得していた。
「なるほどね。そのメルシュビルという街は一体どういう所なのかしら?」
書いてある事はバルト以外には分からないが、おそらく何かしら重要な事を伝えているのだろう。バルトは難しい表情で手紙を読み終えると、目の当たりを手で押さえ、天井を見上げた。
「あー」
と、脱力感のある声を漏らす。
「何かあったのですか?」
エルザが訊く。
バルトは、体勢を元に戻し、髪を整えると、立ち上がって窓の所まで行くと、窓を開け、手紙を折り畳んでポケットの中に入れていたライターの火で燃やした。
燃やし終えた後、再び窓を閉じ、ソファーに座りなおす。
「ボーデン」
「なんだ、少佐?」
「少し、頼み事でもしてもいいか?」
「頼み事?」
ボーデンもそれを聞いて、真剣に話を聞こうとする。
ヴィオレットの手紙に何が書いてあったのかは、誰にも知らされていなかったが、バルトがすぐに頼み事をすると言う事は、内容は軍、魔法、国のいずれかに当たる。
ヴィルヘム国には隣接国がいくつもあり、それぞれの国での規則がある。国と国との戦争はないものの、政治的な戦争は、議会である。
ヴィルヘム国とベルフォール国は、隣接国でありながら食糧生産量のトップを争っている。特に麦の生産量や野菜の生産量では僅差でどちらかが一位でどちらかが二位である。
「すぐに隣国のキルヒベルク国・メルシュヴィルに向かってくれ。詳細の手紙はすぐに準備をしよう」
「あの中立国にか? 一体なぜ?」
ボーデンは腕組みをして、詳しい内容を訊き出す。
「メルシュヴィルでここ最近、不穏な動きがあったらしい。俺も行きたい所だが、この手紙には貴様が行くようにと、指示されていた。あの女も貴様だったらどうにかなるかと思っているのだろう」
「怖いっすね。あの大佐も……」
「全くだ。俺の苦労など、これっぽっちも思っちゃいない」
「それって、事実ですよね。苦労なんてしていませんよね」
エルザはヴィオレットの意見に納得していた。
「なるほどね。そのメルシュビルという街は一体どういう所なのかしら?」
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