吸血鬼と異世界人

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

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第3章  闇の奥底

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 エルザは、ラミアにジッと見つめられて、少し戸惑う。

 周りの軍人達が、朝食を食べ終え、食堂を後にしていく。最初にいた人数より過半数になっていた。もう少しで、勤務時間になるのだ。

「それも良いかもしれませんね、と言ったら嘘ではありませんが、人間、どちらの道に進んだ方がいいのか正解はありません。私だって、時々は迷う事だってあるんですよ。だから、今、若いうちは、今のままで行こうと思っています」

 エルザは、何か思い深そうに何かを浮かべてそう述べた。

 それからは最近の事などを話しながら、時間が来るまで楽しんだ。

 昨日の夜には、十時半に出発予定だったのだが、エルザ達の取ってくれた便は九時過ぎ発だ。長話を続けていると、時間が無くなってしまう。この寮から駅までの距離はそこまで無いが、車で十分くらいの程度である。

 朝食を食べ終えると、すぐに部屋に戻り、出発の準備をする。いつもの黒のコートを羽織り、服に食料、書類などをカバンの中に詰め込んで、背中にバッグをからう。

 ラミアも手ぶらで何も持たずにボーデンを待つ。

「さて、行くとするか!」

 準備を終え、部屋を出る。二階から一階に降り、警備員に通行許可証を渡す。正門の前には、車が停まっており、運転席にエルザが座っている。

「乗りなさい。駅まで最短ルートで送っていくわ」

 窓から身を乗り出して、声をかけてくる。

 二人は後部座席に乗り、車は発進する。エルザの運転技術はうまいが、スピードに乗って、乗り心地しんきょうあらく、目が回りそうにもなった。街の交差点を何度も曲がり、行く行く人々が、エルザの運転する車に注目する。

「ちょっと飛ばしすぎじゃ無いですか⁉︎ 軍人が交通違反してますよ!」

 ボーデンはしっかりとラミアに抱きつき、身の危険性を肌で感じる。

「彼女、一応、軍人よね?」

 ラミアも運転の荒さにビックリする。

「大丈夫よ! 免許はS級ライセンスを取っているから事故さえ起こさなければ、何も言われないわ。事故さえ、起こさなければね……」

 エルザは運転に集中して、ハンドルを切る。

 車は十分よりも半分の五分でサールバーツ駅に到着した。

 車を道路の端に停め、車から降り、駅のホームへと向かう。

 ホーム内では、多くの旅行者や通勤・通学を利用している人々で混雑していた。ボーデン達も人混みに紛れて、メルシュヴィルに向かう列車の方へと移動していく。

 ホーム内にある数字の『3』が書かれてある三番ホームが、ボーデン達の乗るメルシュヴィル行きの列車である。
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