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第3章 闇の奥底
Ⅷ
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「分かった。ちょっとしたトラップでも仕掛けておくさ」
ボーデンは、荷物を置いている席に小さな魔法陣を描く。他にもメモ帳に似たような魔法陣を描き、人から見えない死角になる場所に張り巡らせる。
国際魔法師のボーデンにとっては、罠を仕掛けるのは、朝飯前である。
「これでいいだろう……」
魔法陣を張り巡らせた後、いつでも魔法を発動できるようにしておく。
「ええ、それくらいだったら周りの人にも迷惑はかからないわ。でも、戦うんだったら上でやってよね」
「ああ、分かっているよ。俺からは仕掛けずに、動きがあれば自動的に場所を転送できるようにしてある。俺に何かあったらサポートを頼むぞ」
「はいはい」
二人に歩み寄る、不気味な影はこちらを睨みつけたまま動こうとしない。
このまま安全に旅を続けられば、周りに危害を加えなくて済む。
一方、その頃––––
「ふむふむ、この列車に彼が乗っているのですね。さてさて、向こうに気づかれたようですし、動こうにも動けませんねぇ。まったく困ってものです。どうしましょうか……」
黒髪に黒のスーツ、黒の帽子をかぶった男が、不気味な笑みを浮かべながら、次の一手を考えていた。
「相手は国際魔法師と、もう一人は……一般人? んー、これだけでは分かりませんね。こちらから仕掛けるのは、少し不利になるかも知れませんが、致し方ないですね」
男は、自問自答で頷きながら、思考を巡らせる。
風が強く吹いている。一つでも気を抜けば、体が持っていかれそうなスピードを保っている。
空は、雲が少しずつ多くなっていき、太陽が隠れ始める。
男がいる場所は車内ではなく、列車の上なのだ。
「それじゃあ、乗客を使って、一つ、手を打ってみましょう。『夢見る少女は、裏切らない』と言ったのは一体誰でしょうね」
男はしゃがみ込んで、後ろの車両にある屋根に右手を置いた。
「さあ、遊ぼうか」
男は、魔法を発動させた。
「––––‼︎」
「‼︎」
二人は目を覚まして、男の張り巡らせた魔法に反応する。
ボーデンは、荷物を置いている席に小さな魔法陣を描く。他にもメモ帳に似たような魔法陣を描き、人から見えない死角になる場所に張り巡らせる。
国際魔法師のボーデンにとっては、罠を仕掛けるのは、朝飯前である。
「これでいいだろう……」
魔法陣を張り巡らせた後、いつでも魔法を発動できるようにしておく。
「ええ、それくらいだったら周りの人にも迷惑はかからないわ。でも、戦うんだったら上でやってよね」
「ああ、分かっているよ。俺からは仕掛けずに、動きがあれば自動的に場所を転送できるようにしてある。俺に何かあったらサポートを頼むぞ」
「はいはい」
二人に歩み寄る、不気味な影はこちらを睨みつけたまま動こうとしない。
このまま安全に旅を続けられば、周りに危害を加えなくて済む。
一方、その頃––––
「ふむふむ、この列車に彼が乗っているのですね。さてさて、向こうに気づかれたようですし、動こうにも動けませんねぇ。まったく困ってものです。どうしましょうか……」
黒髪に黒のスーツ、黒の帽子をかぶった男が、不気味な笑みを浮かべながら、次の一手を考えていた。
「相手は国際魔法師と、もう一人は……一般人? んー、これだけでは分かりませんね。こちらから仕掛けるのは、少し不利になるかも知れませんが、致し方ないですね」
男は、自問自答で頷きながら、思考を巡らせる。
風が強く吹いている。一つでも気を抜けば、体が持っていかれそうなスピードを保っている。
空は、雲が少しずつ多くなっていき、太陽が隠れ始める。
男がいる場所は車内ではなく、列車の上なのだ。
「それじゃあ、乗客を使って、一つ、手を打ってみましょう。『夢見る少女は、裏切らない』と言ったのは一体誰でしょうね」
男はしゃがみ込んで、後ろの車両にある屋根に右手を置いた。
「さあ、遊ぼうか」
男は、魔法を発動させた。
「––––‼︎」
「‼︎」
二人は目を覚まして、男の張り巡らせた魔法に反応する。
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