俺のユニバーサルライフは要するにあまりいいものではなく青春的な展開などあり得ない

ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ

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第6章  家庭訪問は結構ストレスが溜まるものであり、それは次第につらくなる

041  家庭訪問は結構ストレスが溜まるものであり、それは次第につらくなるⅢ

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「えへへ、……」
 本当に妹と言うやつは兄や姉には甘えたい体質なのだろう。俺たち二人は二人兄妹だし、家に両親は全く帰ってこないから一人の娘としては寂しいのかもしれない。だから、俺に甘えたくなるし、自分の寂しい感情を押さえているのかもしれない。本当に出来た妹だ。俺には絶対に出来ないことだ。だから、この笑顔をずっと守りたいし、妹を手放したくはない。
 あれ?俺って、まさかシスコンなのか?いや、そうに違いない。俺はそんなのは気にしない。妹の事になれば地獄まで付き合うつもりだ。そんな兄を頼らなくなる日はいつになるのか。俺は今かと今かと心配でもある。
「今日はデザートまで頼んでもいいぞ」
「本当。それなら……パフェ!」
「うわっ、容赦ねぇ―」
 俺たち二人は冷たい風に当たりながら、夜の街を少しだけ楽しんだ。

 次の日の朝、今日が月曜日だと思うとやる気が一気になくなるのは何故だろう。これが金曜日だったら誰もが仕事を熱心にやるし、プレミアムデーとか言って、色々とイベントを考える。一週間、俺は頑張れるのかと心配であった。
 俺は目覚まし時計を確認すると、デジタル式は七時半を過ぎていた。
 ああ、と俺は思わず焦ってしまった。すぐに起きて急いで一階に降りる。
「朝食は!」
 リビングに電気はついていなく、テーブルにはラップで包まれていた作り置きがあった。俺は、ちょっぴり安心感と罪悪感が生まれた。
 たまには俺を起こしに来てくれよ……。
 欠伸をしながら、椅子に座って朝食を食べようとした時、隣には置き手紙がそっと置いてあるのに気付いた。
『昨日はありがとう。そして、今日は大変だろうけどよろしく。時間は午後の二時五十分だからね……。忘れないでよ。家庭訪問だから。それでは……』
 連続パンチが俺に向かって飛んでくるような衝撃の事だった。俺はすっかり忘れていたのだ。家庭訪問というのがあることに……。
 これは少し前の話である。

「やっぱり駄目だったか……。それで、俺が出ないといけないのか?」
「う、うん。でも、適当に家の事は佑理がいい子だという風に言ってくれればそれでいいよ。進路とか学校の生活態度は聞き流してもいいからね」
 どうやら、高校の方では外の仮面をかぶっている佑理なのである。このタイプにはいくつか法則があって、先生の前ではいい子ぶりをして、点数稼ぎをしようとする奴。そして、面倒五個にはなりたがらない、普通の一般生徒に紛れ込むタイプ。俺の予想では後者の方だ。
 しかし、俺はあいつの担任が誰なのか全く知らないのであって、分かるキーワードはとにかく面倒めんどうな教師であることだということだ。
「それで、お前の担任って誰だっけ?」
「それはな・い・しょ!でも、お兄ちゃんにはそこまでは迷惑はかけないから大丈夫だって……」
 もう、迷惑しているんですけど……。とにかく、教えてくれないのであれば、俺はそれに従うことしかできないのである。
「どうでもいいけど、延長とかは勘弁だからな」
 そう言って、俺は頭をかきながら、家庭訪問の内容が書いてあるプリント用紙を見つめた。

 今日は大学の授業が珍しく休校で休みとなっていた。佑理はこれを見越して頼んでいたのかもしれない。だとしいたら、どうやって俺の時間割をのぞいたのだろう。大学の授業日程は全てインターネットを通じて連絡が入ってくる。だから、出席番号IDとパスワードが認証されない限り開かないことになっているのだ。
「どこかでこっそりと見ていたな」
 急いで朝食を食べて、私服に着替えた。必要な荷物をバックに詰めた後、扉の鍵をしっかりと閉めて自転車に乗って出かける。
 今日は四月にリニューアルした延岡駅のカフェテリアと図書館が組み合わさった。スタバみたいなところに行こうとしていた。
 自転車を漕いでいると、電車の音が聞こえてくる。日豊にっぽう本線はほとんど、一時間おきに電車が来るような仕組みになっている。都会とは違って、田舎の方にいるとこれは普通であって、そのため時刻表を見ながら時間に追われる日々なのだ。東京みたいに何分おきに来る電車は夢のような魔法の道具なのである。
 目的の場所に近づくと、交番で警察官が立っていて、挨拶を交わしながら左カーブを曲がる。セブンの前に駐輪場があり、停めるにも場所が狭くて苦労する。
 俺は自転車に二重ロックをすると、そのまま入り口に入って、階段を登る。平日のこの時間は人気のない建物の中を一人、すたすたと歩いて行くのだ。
 俺はようやく到着すると開店時間まで後二十分を切っていた。
 自動販売機でエメラルドの一五〇ミリリットルの缶コーヒーを買って、ベンチで時間までそれを少しずつ飲みながら待つ。
 俺以外に暇な人が何人か同じように待っている。
 人がいるのにこの空間は話し声も聞こえなければ、電車の音は大きく聞こえる。
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