みんなの心の傷になる死にキャラなのに、執着重めの皇太子が俺を死なせてくれない

兎束作哉

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第7部3章 対話を目指して

03 君のこと

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 簡単に立ち入れるようになったその場所は、一人で歩いていたら寂しい場所だった。


「いい色、匂いなのにね……ごめんね」


 咲き乱れる薔薇たちは何も悪くない。俺がただ、寂しい気持ちで歩いていて、ちょうどその花々が青色だったから、気持ちがブルーになっているだけ。
 気持ちを紛らわせるためにここに来たが、一人で歩くのがこんなに寂しいことだったんだと気づいてしまってから、足取りが重たくなる。
 皇宮の青い薔薇が咲くこの庭園は、俺が昔から好きな場所の一つだ。

 ここでセシルと出会って、何度も怒られて。あと、死にかけた場所。
 そんな思い出の場所だからこそ、俺はここにこれば気持ちが和らぐと思ったのだ。しかし、実際にその場所を訪れてみても、俺の心から寂しさが消えてくれることはなかった。むしろ、より悪化して『セシル』に会いたい気持ちが強くなる。


「まあ、暇つぶしだしね……」


 この後、フロリアン卿が皇宮に来てくれることになっている。そのときに、忘却竜についての新たな情報、そしてこれからの動きについて確認することになっている。それまでの暇つぶしにちょうどいいと思ったのだが、会議の前にこんなブルーな気持ちになてしまって、この先が思いやられる。
 はあ、と口から出たため息は、誰に聞かれるでもなくスッと消えていく。
 部屋にいるとさらに気がめいりそうだったため、外に出てきたのだが、これも間違いだっただろうか。


(海とか、いいな……海に行こっかな)


 浜辺を歩いて、波の音に耳を傾けて。そしたら少しは気持ちが安らぐかもしれない。
 今の俺には余裕がないから、そういうちょっとした休暇が必要だと思うのだ。

 俺は、庭園の真ん中で足を止める。
 そういえば、この位置からセシルの執務室が見えるんだっけ? と思ったが、見る勇気などなかった。

 一か月は知らぬ間に過ぎていき、六月に入った。
 サテリート帝国に梅雨という概念はないが、雨が降ると決まってフィルマメントが傘をさして外に行きたいというのでそれに付き合っている。あれ以降、一緒にお風呂に入るなんていうこともなければ、セシルが夜に俺の部屋に尋ねてくることもない。
 本人が自覚して、自分の無意識な行動を制御しているからかもしれない。
 まあ、どちらにしても俺とセシルの溝は埋まらなかった。記憶を取り戻すトリガー的なものがあればいいのだが何もわからないままただ時間がだけが過ぎていく。
 思い出がその間に色あせてしまったらどうしようという不安を胸に抱いたまま、無常にも時間は過ぎていくのだ。


「俺、あの日セシルに助けてもらったのに、ありがとうって言えてないや」


 ウヴリに連れ去られそうになったとき、真っ先に動いてくれたのはセシルだった。もちろん、そこにゼラフもいたけれど、誰よりも早く剣を抜き、強大な竜に立ち向かった英雄はセシルだったのだ。途中まで互角の勝負を繰り広げていたようにも見えたが、やはりウヴリの力は規格外で、セシルは圧倒されて倒されてしまった。
 あんなものを見た後に、俺が戦えたかと言われたら首を縦に振ることはたぶんできないだろう。
 俺があの時一緒に剣を引き抜いて戦っていたら――少し未来が変わっていただろうか。
 俺はそんなことを思いながら大きく育った青薔薇に近づき手を伸ばす。大きな花弁には、朝露が乗っており、その朝露を落としたい衝動に無性に駆られた。
 昔からこの変な癖は変わっていない。
 もう少しで指先が薔薇に触れる……そんなときだった。


「ニル――ッ!!」


 声が聴こえた気がした。
 一瞬、幻聴かと思ったが、俺が彼の声を聞き間違うはずがない。
 まあ、今の俺は精神的にやられていると自覚しているので、都合のいい幻聴が聞こえてもおかしくないが、脳に――ではなく、直接鼓膜を刺激するような声が聴こえた気がしたのだ。そうなれば、生身の人間が声を出した以外考えられない。

 身体が反射的に声の主のほうを見る。
 どこ、なんて探すまでもなく、一寸たりともズレることなく、彼の姿を目が捕えていた。思わず息を飲み、目を見開く。窓ガラスに反射して、彼の姿が眩しくて見にくかったが、それでもその輝かしい姿に俺の胸は高鳴ったのだ。


「セシル?」


 名前を呼べば、さらに、彼の視線がこちらに向いた気がした。気のせいじゃないだろう。
 だが、段々と現実味を帯びてきた頭は、今彼がどこから飛び降りたのかを理解し、怒りと呆れも続けてやってくる。
 彼は、俺の目の前にふわりと無事に着地し、銀色に輝く髪をかきあげた。


「ニル」
「……セシ……じゃない!! バカ、どうして三階から飛び降りたの!」


 感動は束の間だった。
 もしかしたら、こんな無茶をするセシルは、すでに記憶が戻っているんじゃないかと思ったが、まだなんとなく彼の記憶が戻っていないんだろうなということを察してしまった。それはいいのだが、問題は、三階から飛び降りたことだ。いくら風魔法で衝撃を吸収、空気抵抗を限界まで抑えたとはいえ、もし失敗すれば落下死してしまう恐れだってあるのだ。
 俺との記憶がないセシルであれば、そんなことしないと思っていたがために開いた口が塞がらない。
 セシルは見事に着地を決めると、その夜色の瞳を輝かせ俺のほうを見た。
 まっすぐとそんな瞳で見つめられてしまえば、俺はその場から動けなくなる。あまりの美しさに吸い込まれそうになり、俺はぶんぶんと首を横に振った。


「セ、セシルどうしたの?」
「今何をしようとしていた?」
「え、何って朝露……あ………………」


 聞き覚えの、見覚えのあるそのシチュエーションに胸がきゅっと締め付けられる。
 まさか、そんなはずはないのに――と、俺はゆるゆると首を横に振るうことしかできなかった。


(記憶、戻ってないんだよね……)


 セシルは、俺の手に視線を落とすと何のためらいもなくギュッと掴み上げた。そういえば、彼は記憶が戻ってから俺に触れてくれなかったなと思い出し、彼の行動に違和感を覚える。
 無意識にやっているのであれば、これ以上何もしないでほしい。これ以上期待して傷付きたくない。そう心では思っているのに、彼に触れられたところが熱くて、ずっと握っていてほしいと思ってしまう。


(どうしよう……俺……)


「セシル、手、放してよ」
「皇宮の薔薇は確かにきれいだが、すべての棘を切り落としているわけではない。お前のきれいな手に傷がついたらどうするんだ」
「それを言うためだけに、三階から飛び降りたの?」
「……そうだ」
「おかしいね、セシル」


 何とか平常心を保とうとまた笑ってみるが、自分でもはっきりと分かるくらい口角が上がらなかった。
 頑張って笑おうとしているのに、頬が固まって動かない。笑って安心させないと。セシルは、そういったけど、実際まだちぐはぐだ。
 だから、今のセシルに期待しちゃダメ――そう思っていれば、冷たいものが頬を伝う感覚に俺はハッとした。目の前のセシルも、夜色の瞳を大きく見開いて俺のほうを見ている。


「ニル……っ」
「あれ、何でかな。何で……ごめん、セシル、手、放して。涙、ふくから、ごめん、ごめん……みっともないよね」
「……っ!!」


 片手で顔の半分を覆うが、決壊した涙腺は止まるということを放棄した。
 セシルに迷惑かけたいわけじゃないし、心配させたいわけじゃない。なのに、流れ出した涙は、彼に止めてほしいというように目の端からぽろぽろと零れ落ちる。フィルマメントも同じように泣いていたな、なんて頭の中によぎっては消えていく。
 セシルは、俺が手を放してくれと言っても一向に手を放す気配はなかった。それどころか、息を飲み、俺のことを抱きしめる。


「セシルッ……やめて」
「やめない。お前が泣いていると、胸が苦しい。分からない……すまない。記憶がないせいで、何度もお前を傷つけている……そんな自覚はあるんだ。あるが、あるんだが……」


(ああ、セシルも苦しいんだ……)


 一人で被害者ぶっていた自分が情けない。
 俺の背なかに腕を回しぎゅっと抱きしめたセシルを見ていると、俺は少しだけ胸が軽くなった気がした。
 一緒に苦しんでいる。
 そんなの喜んじゃいけないのだが、彼が何も感じていないわけじゃない、彼も苦しんだってわかったら、バカみたいに安心してしまった。
 俺は最低な人間だ。
 背丈は大きく変わらないが、俺よりもたくましいセシルの身体。そんな大きな体が震えていることに気が付いた。
 自分の行動と心が乖離しているセシルは、さぞ気持ち悪い生活を送っているのだろう。靄が晴れないようなそんな生活を。でも、気持ち悪くても、苦しくても、俺のもとに来てくれて、何かといいつついてくれる。


「セシル、ごめん」
「謝るな……お前が、謝るな」
「……あのね、セシル。セシルは、前もこうやって俺のこと怒ったんだよ」


 覚えていない? と聞いてしまったが、セシルは「すまない」とすぐに返した。
 俺は、苦笑しつつも「そうだね、ごめんね」と謝罪を口にする。


「セシルね。俺が庭園の薔薇に手を伸ばした時、いつも止めてたんだ。ちっちゃい時からそうなんだけど。俺が怪我しないようにって……昔はもっと、言葉足らずで、怒りっぽくて。それが俺にはわかんなかったんだけど、トゲで怪我すると危ないって言ってくれて……そこでようやくわかったったんだ。セシルの優しさに、気づいた瞬間だったんだよ」
「……言葉足らずか」
「うーん、今もそうだね。けど、まあ……そりゃ、全部を理解できるわけじゃないけどさ。セシルのことだから、足りない言葉を自分の中で補って、どうにかこうにか君を理解しようとしてるよ。君の言葉足らずはきっとならないから」
「何だか、酷い言われようだな」
「事実だから」


 でも、俺はそんなセシルが好きだ。
 言葉が足らないときは足らなさすぎるし、かといって足りすぎるときはストレートすぎてこっちが恥ずかしくなっちゃう。塩梅がよくわからないというか、落差がすごいというか。
 ストレートに気持ちを伝えてくれるときがあるから、そのとき、恥かしくて俺は彼に気持ちを伝えられなくなってしまう。
 俺は、伝えなさすぎだと思う。


(セシルの心臓が、脈打ってる……)


 ドクン、ドクンと力強く脈打つそれは確かに彼の音だった。
 温度も、匂いも、セシルだ。
 これは変わらない。彼の記憶がなくったって変らないものはそこにある。


「でも、嫌いじゃないよ。君のこと」
「嫌いだったら、お前は俺を見限るだろ」
「どうだろ。俺はもともと騎士だったよ。いくら、主君がやらかしても、一度忠誠を誓った人を俺は裏切ったりしないし、見限ったりもしない。騎士として、最後まで一緒に堕ちていくよ」
「……お前はそんなやつじゃないだろう。一緒に堕ちるなど」
「騎士は、主君にあれこれと言える立場じゃないけどさ。でも、自分にも何か責任があるんじゃないかって思っちゃうよ。だから……導けなかった、支えられなかったって俺は俺を許せないと思う。見限ることは簡単だよ。捨てることも、逃げることも……でも、俺は逃げないよ。一度決めたことを曲げたりしない。誰かに鞍替えたりしない」


 ニル……と、少しか細い声でセシルは俺の名前を口にした。


(変わらないんだよ。俺は……君もそうだよ。きっと)


 ぎゅっと抱きしめた後、ようやく引っ込んだ涙を拭って俺は彼から離れた。セシルは俺が離れる瞬間、一瞬だけ寂しそうな表情をしたものの、いつもの何を考えているか分からない仏頂面に戻って「もう大丈夫なのか?」と問うた。

 大丈夫なのか――その質問は、きっと涙は引っ込んだのかっていう意味なのだろうが、俺はやっと動くようになった頬を上げて「うん」と笑う。
 夜色の瞳は、これでもかというくらい不安に揺れていた。


「もう大丈夫だよ。ありがとう、セシル」
「……かまわないが。本当にすまないな、今の俺では、お前を本当の意味で安心させることはできないらし」
「いやいや、かまわないよ。君が俺のこと気にかけてくれただけで、俺は幸せなんだから。でも、俺に注意するためって言って、三階から飛び降りるのだけはやめてね? ちょっと、心臓とまるかと思ったよ」
「気づいたら飛び出していたんだ」
「俺の名前呼んで?」
「飛び降りるだけでは、お前は気づかなかっただろう?」
「え? 今、屁理屈言ってる?」


 珍しく、子どもっぽく返したセシルに驚いてしまった。
 セシルも、自分で言ったことが半分理解できていないのか首をかしげている。


(なんだか若いな……学生時代思い出す……)


「……バルドゥル卿といたからか」
「ああ、公務中だったよね。勝手に抜け出してきて大丈夫……なの?」
「今は仕事が手につかないから、記憶を取り戻してこいとは言われていた。先ほどまで、一応仕事はやっていたが……」
「ハイマート伯爵といたんだ。そうだね……セシルってハイマート伯爵に対してはちょっと子どもっぽいというか」
「お前も言うのか?」
「なんか、孫とおじいちゃんみたいな関係だって思ってるから」


 はあ……と大きなため息の後「言わないでくれ」とセシルは額に手を当てていた。
 自分でも自覚があるのか、恥かしそうに口を尖らしている。
 そんなセシルを見て笑いながら、俺は彼が飛び降りた窓を見た。窓辺にハイマート伯爵らしき人影が見えたため、手を振れば、その人影は手を振り返してくれた。
 セシルにとって、ハイマート伯爵は俺よりも長い間一緒にいた人だ。皇帝陛下も、ハイマート伯爵には一目置いているし、今や宰相。忙しい人であることには変わらないのに、記憶を失ったセシルの補佐もしているとなれば過労だろうな……なんてことが予想がつく。


(まあ、そういう意味では、ハイマート伯爵としゃべるよりも、俺と話して記憶を少しでも取り戻してもらったほうがいいっていうのは納得……かも)


 ハイマート伯爵の負担軽減のため……というわけでもないが、セシルがきてくれたことで、俺もなんだかうれしかった。記憶がなくとも、大人になってセシルとの時間が減った俺からしてみれば、彼がいるだけでも嬉しい。彼の顔を見るだけでも心が休まるのだ。


「公務に関しては大丈夫だ。今は書類に目を通していただけだからな。ニルのほうは?」
「ああ、俺は今からフロリアン卿と会うことになっていて」
「引き留めて悪かったな」
「ううん、大丈夫。まだ時間があるし、それまでは君と一緒にいたいかな……君さえよければだけど」
「……かまわない」


 セシルは、少し間を空けた後頷いて、俺に手を差し出した。


「ん? どうしたの、セシル」
「……一緒にいるのだろう。いつもは、こうしていたんじゃないのか」
「手をつないで……」
「お前は、この庭園が好きと聞いた。また、薔薇に手を伸ばして怪我したら大変だからな」
「過保護だねえ」
「一緒に回る時間ぐらいあるだろう。だから、手をつなぐ」


 セシルは、難しそうな顔をして「ん」とさらに手を俺の側に近づけた。あまりにも、真剣で眉間にしわを寄せた硬い顔を言うので、いつぞやの彼を思い出す。まるで、感情が赤ちゃんみたいだ。
 俺は、そんなセシルを見てぷっと笑ってから、彼の手を握る。彼の指先が動くのを感じながら、俺はぎゅっと握り込み、恋人つなぎをしてみる。


「ありがとう。セシル。じゃあ、俺のこと案内して」
「……承った」
「承ったって……ほら、行こう、セシル」
「俺が案内するんだ。手を離すなよ。ニル」
「分かってるって」


 くるりと体の向きを変えて歩き出すセシル。銀色の髪に隠れたその耳はほのかに赤く染まっていた。

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