君に真理を問う。

SHIKA

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 ――次の日に早速僕は2人を呼び出した。
 
「ソルド、君は親子交流会でオースティンの家の人が来ない事が気になったんだね。」
 そうソルドに確認すれば、ソルドは頷く。
「オースティン、君はその事を聞かれたのが嫌だったんだよね。」
 その後またオースティンに確認すれば、オースティンも頷いたので僕は安心した。

「……ソルド、人は聞かれたら嫌だと思う事もあるんだ。人の家庭の事情はそれぞれだ。
 そして、オースティン。君も聞かれたら嫌な質問はきちんと嫌だと言わなければならない。
 相手に言わなければ、君の思いは伝わらない。」

 そう言えば、2人は頷く。
「……素直に話を聞いてくれてありがとう。
 2人とももう嫌なことはないかい?」
 
 そう確認すれば、ソルドがオースティンに言う。
「……オースティン、ごめん。俺がしつこかったかも。」
「……俺も、ごめん。」
 
 僕は目を丸くした。謝りなさいと言っていないのに、2人とも素直に謝れることが素晴らしいと僕は思った。
「……ソルド、オースティン。
 君たちは素直に謝れて、とても素敵だね。」
 そう伝えれば、2人とも少し照れた様な様子で僕も微笑んだ。
 
「…よし、じゃあ次は僕の座学の時間だから2人とも席に着こう。」
 2人はそう言えば頷いて席に着く。
 僕は今日も授業を進める。今日は大地を動かす原理についてだ。
 分かりやすいように、そして子供達自らが疑問をもってやってみたいと思えるように、そんな授業を僕は目指している。



 ――「先生。空を浮いてから、飛べるようにするにはどうしたらいい?」
 僕が授業を終わりにして次のクラスに行こうと思っていた時だ。
 オースティンに声をかけられて、僕は驚いた。
 彼は自分から声をかけるような子ではない。
 僕は少し嬉しくなった。
 
「…オースティン、今日放課後少し時間があるかい?」
 そう聞けばオースティンは頷く。
「…じゃあ、この間の中庭で復習をしよう。」
 そうオースティンに笑って話せば、オースティンはホッとした表情で頷いたので僕も穏やかな気持ちになった。

――「オースティン、君すごく上手になったじゃないか!」
 僕は驚いていた。
 オースティンとこの間の空に浮く魔法を復習していたのだけれど、耐久時間が格段に伸びて確実に上手くなっていたのだ。
 オースティンは褒める僕を驚いた様に見つめる。
「…オースティン、君練習してたのかい?」
 そう問えば、オースティンは答える。
「……少し。家で。」
 
「そうだったのか!努力して、偉いじゃないか。」
 そうニコリと笑って言えば、彼の金の瞳が動揺した様に揺れる。
 
「本当は9歳にはここまで教えないんだけど、
 君だったら、飛べる魔法が使えそうだ。」
 そう言って僕は詠唱を唱えると空に浮かぶ。
 そのまま詠唱を唱えて、好きな様にくるくるとオースティンの周りを回りながら話す。
 
「詠唱は浮く魔法に似ていて追加するだけだからすぐ出来ると思う。
 コツは風を操る向きだ。足の裏に集中させるといい。
 風の魔法のバランスを取ることが難しいんだ。
 でも、それをクリアすればできるよ、オースティン。」
 そう言ってオースティンの前に降り立つ。
 
 オースティンは唖然とした表情で僕を見ていたけれど、詠唱を教えれば真剣な表情をして練習し始める。
 
 やっぱり最初だから難しい様だったけれど、何度も練習するその姿に僕は頬を緩めながらその様子を見ていた。

 
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