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その翌日から僕は発情期が来て、学校に行かなかった。
身体が熱くて心臓の鼓動が聞こえた。セックスなんてしたくないのに、身体を開かれたくて堪らなくなる。
いつもの様に父が来て、父が僕に覆い被さってくる。
「……父さん、……抑制剤をください。」
僕の言葉に父はいつもの様に答える。
「イリス、……抑制剤は人間の摂理に逆らう行為だ。
父さんが相手をするから、安心しなさい。」
僕は彼の言葉を思い出す。
「――イリス。欲望と理性を制御する事は難しいと思う?」
僕は発情期で辛い中、父に問うた。
「…父さん、…これは、正しい行為ですか?」
父は僕の服を脱がせながら、問いに答える。
「……あぁ。イリス、君も辛いだろう?
だから、これは、君を鎮めるための正しい行為だ。」
そう言って、父は僕の身体を貫いた。
貫かれた気持ちよさに喘ぎながら、僕はオースティンの問いを思い出す。
あの質問を問うた君はどんな気持ちだったんだろう。
母親に犯された13歳の君は何も悪くない。
……悪いのは理性のない、僕の様なオメガだ。
父に何度も揺さぶられて、心は苦しいはずなのに口からは聞いていられない様な声が出る。
――僕は苦しいよ、オースティン。
熱に魘されて快がりながら涙が頬を伝った。
発情期が終わって、僕はこっそり父の鞄からオメガの発情抑制剤をばれないように少しだけ盗んだ。
これは父にとっては良くない行為で、心臓がひやりとしたけれど、これで次は父と身体を重ねなくても済むと思うとホッとした。
――一週間後、僕は学校に戻った。
でも、僕は放課後中庭に行けなかった。
何となくオースティンの顔を見るのが気まずいと思った。
何日かして、自分の受け持つクラスで授業を終わりにして、次のクラスに向かおうとしたら、廊下にオースティンがいた。
「イリス、放課後来れない?」
オースティンが僕を見てくる。
僕はその金の瞳をまっすぐ見れなかった。
「……ごめんね、オースティン。…忙しいんだ。」
そう断れば、オースティンは眉を寄せる。
「……俺が、あんな話したから?」
「…違うよ。今は、忙しいんだ。」
「じゃあ、いつなら来れる?イリス。」
そう聞かれて、僕は言葉に詰まって答えられなかった。
オースティンは優秀な生徒だ。これから魔法学と論文を極めればもっと大きな賞賛を得られると思う。
彼の未来を育てるためにも、逃げられないと思った。
「……一週間後なら。」
「分かった。……待ってる。」
オースティンの目はまっすぐに僕をいつも向いていて、僕はそんな目から逃げたかった。
次の授業するクラスに向かいながらため息を吐いた。
一週間後中庭に行けば、オースティンが待っていた。
「……イリス、この間は…ごめん。」
オースティンは僕にそう謝ってきた。
「……ううん。君は何も悪くないよ。僕も、ごめんね。
君の気持ちを考えられなかった。…辛かったよね。」
そう伝えれば、オースティンは俯く。
「……母さんの事は、もう諦めてる。
……あれは、事故だ。」
オースティンはため息を吐きながら、僕を見る。
僕はベンチに座る。
「……それでも君はまだ13歳だ。
悪いのは、欲望を制御できない…僕たちオメガだ。」
僕は遠くの方を見つめながら、彼に話す。
オースティンも僕の座るベンチに腰掛けて、僕を見て問いかける。
「……イリスは、いつも発情期の時は学校を休むよね?……抑制剤は飲まないの?」
「……父が、抑制剤は良くないと…。」
「…どうして抑制剤はよくないの?」
オースティンは素朴に疑問に思ったのだろう。
僕は遠くを見ながら、盗んだ抑制剤を思い出した。
「僕は…分からない。」
オースティンは眉を寄せて僕に聞く。
「……イリスは発情期、辛くないの?」
僕は俯いて答える。
「……辛いよ。」
「……一週間、一人で耐えてるの?」
オースティンが心配そうに聞いてくるのが分かった。
僕は顔を上げて、オースティンを見た。
僕はなるべく彼に心配をかけない様にしようと思って、少し微笑んで答えた。
「…一人じゃないから、大丈夫だよ。」
オースティンは金の瞳を大きく開いて驚いている様に見えた。その後に眉を寄せて、苦しそうに僕を見た。
「……相手は、誰なの?」
僕はオースティンから目を逸らした。
オースティンの質問に、答えられなかった。
身体が熱くて心臓の鼓動が聞こえた。セックスなんてしたくないのに、身体を開かれたくて堪らなくなる。
いつもの様に父が来て、父が僕に覆い被さってくる。
「……父さん、……抑制剤をください。」
僕の言葉に父はいつもの様に答える。
「イリス、……抑制剤は人間の摂理に逆らう行為だ。
父さんが相手をするから、安心しなさい。」
僕は彼の言葉を思い出す。
「――イリス。欲望と理性を制御する事は難しいと思う?」
僕は発情期で辛い中、父に問うた。
「…父さん、…これは、正しい行為ですか?」
父は僕の服を脱がせながら、問いに答える。
「……あぁ。イリス、君も辛いだろう?
だから、これは、君を鎮めるための正しい行為だ。」
そう言って、父は僕の身体を貫いた。
貫かれた気持ちよさに喘ぎながら、僕はオースティンの問いを思い出す。
あの質問を問うた君はどんな気持ちだったんだろう。
母親に犯された13歳の君は何も悪くない。
……悪いのは理性のない、僕の様なオメガだ。
父に何度も揺さぶられて、心は苦しいはずなのに口からは聞いていられない様な声が出る。
――僕は苦しいよ、オースティン。
熱に魘されて快がりながら涙が頬を伝った。
発情期が終わって、僕はこっそり父の鞄からオメガの発情抑制剤をばれないように少しだけ盗んだ。
これは父にとっては良くない行為で、心臓がひやりとしたけれど、これで次は父と身体を重ねなくても済むと思うとホッとした。
――一週間後、僕は学校に戻った。
でも、僕は放課後中庭に行けなかった。
何となくオースティンの顔を見るのが気まずいと思った。
何日かして、自分の受け持つクラスで授業を終わりにして、次のクラスに向かおうとしたら、廊下にオースティンがいた。
「イリス、放課後来れない?」
オースティンが僕を見てくる。
僕はその金の瞳をまっすぐ見れなかった。
「……ごめんね、オースティン。…忙しいんだ。」
そう断れば、オースティンは眉を寄せる。
「……俺が、あんな話したから?」
「…違うよ。今は、忙しいんだ。」
「じゃあ、いつなら来れる?イリス。」
そう聞かれて、僕は言葉に詰まって答えられなかった。
オースティンは優秀な生徒だ。これから魔法学と論文を極めればもっと大きな賞賛を得られると思う。
彼の未来を育てるためにも、逃げられないと思った。
「……一週間後なら。」
「分かった。……待ってる。」
オースティンの目はまっすぐに僕をいつも向いていて、僕はそんな目から逃げたかった。
次の授業するクラスに向かいながらため息を吐いた。
一週間後中庭に行けば、オースティンが待っていた。
「……イリス、この間は…ごめん。」
オースティンは僕にそう謝ってきた。
「……ううん。君は何も悪くないよ。僕も、ごめんね。
君の気持ちを考えられなかった。…辛かったよね。」
そう伝えれば、オースティンは俯く。
「……母さんの事は、もう諦めてる。
……あれは、事故だ。」
オースティンはため息を吐きながら、僕を見る。
僕はベンチに座る。
「……それでも君はまだ13歳だ。
悪いのは、欲望を制御できない…僕たちオメガだ。」
僕は遠くの方を見つめながら、彼に話す。
オースティンも僕の座るベンチに腰掛けて、僕を見て問いかける。
「……イリスは、いつも発情期の時は学校を休むよね?……抑制剤は飲まないの?」
「……父が、抑制剤は良くないと…。」
「…どうして抑制剤はよくないの?」
オースティンは素朴に疑問に思ったのだろう。
僕は遠くを見ながら、盗んだ抑制剤を思い出した。
「僕は…分からない。」
オースティンは眉を寄せて僕に聞く。
「……イリスは発情期、辛くないの?」
僕は俯いて答える。
「……辛いよ。」
「……一週間、一人で耐えてるの?」
オースティンが心配そうに聞いてくるのが分かった。
僕は顔を上げて、オースティンを見た。
僕はなるべく彼に心配をかけない様にしようと思って、少し微笑んで答えた。
「…一人じゃないから、大丈夫だよ。」
オースティンは金の瞳を大きく開いて驚いている様に見えた。その後に眉を寄せて、苦しそうに僕を見た。
「……相手は、誰なの?」
僕はオースティンから目を逸らした。
オースティンの質問に、答えられなかった。
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