隠伏の魔法使い

六菖十菊

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ミドルノート

013 ロン

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少し前まで雨が降らなくて困ったけれど、今度はなんだか日照時間が短くなってきている。
そんな言葉をよく聞くようになった。
秋から冬に入るのだから当たり前なのだけれど、それでも例年より日照時間が短くこのままでは秋の実りを充実さすには厳しくなる。
そうなれば冬に影響が出る。

リヴィアとオリヴィアは大丈夫だろうか?
蓄えなどないだろう。
今、どこにいるのだろう。
オリヴィアの美しさならどこからか噂が流れてもおかしくはないのに、情報はどこからも入らない。
リヴィアの腕前ならすぐに噂になるだろうに情報が得られない。

──どうなっている?
誰かがリヴィア達を隠しているのか?

けれど王宮からの誘いを断ったリヴィアを匿うのはかなりのリスクがある。
それほどの深い関係の相手がいたのだろうか?
──思えば陛下の要望でリヴィアの入城が決まったのに、それを断り逃げたリヴィアへの捜索は意外なほどにあっさりと終了した。
しかも第3近衛隊が中心となると思っていた編成は、お飾りの第二近衛隊で進められた。

リヴィアが王宮に呼ばれたのは王妃の為に作った香水を王妃が大変気に入ったからだ。
それなら王妃ももう少しリヴィアに関心があってもいいのに最近はお抱えの怪しいローブの女と一緒にいるのを目にする。
王宮内の噂では魔女ではないかと。
王妃を誑かし取り込もうとしていると噂さえあるが、王妃は普段通り明朗快活で以前と変わりはない。
普段から自国の宗教観に重きを置いていない王妃への不満をここぞとばかりに陰口として吐き出しているだけだ。
──けれど──ではあれは誰だ?

第一近衛隊ですら近寄ることを拒まれ、近寄る事が出来るのは第三近衛隊隊長ギルフォードだけだ。
あのローブの女性が現れた頃と、リヴィアとオリヴィアが消えた時期はほぼ同じだ。
あの頃は空いた時間は全て捜索に潰していた。
だから取り留め気にしていなかったけれど……
──でも、それなら王宮入りを隠す必要はない。
リヴィアもオリヴィアも陛下と王妃に求められたのだから。
もし──あの女性がオリヴィアなら、隠す必要が何故ある?
分からない。
けれど──あのローブの姿の女性が誰なのか確かめたい。

どうしたらいい?
彼女は王妃の宝。
無作法にローブを捲ることは無理だ。

──隊長は知っている?
あの女性の姿を。
だから護衛に任されている。
そう思うと苛立ちも尚強く感じる。

「そりゃ優しいだけの男が近衛の隊長を務まる訳はないよなぁ……」

侮蔑の言葉が漏れる。
まだ──決まった訳ではない。
まだ。
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