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ミドルノート
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「パーティ?」
「そうだ。陛下が御子ができたことを大変喜び、その旨を発表する場を設けたいと」
「陛下はジョエスタ様を本当に愛していらっしゃるのですね」
大輪の薔薇のような微笑みをする。
「オリヴィア。お前も出れぬか?」
「私は──」
「パーティは二夜連続だけれど、はわたくしの体調を考えて早々にに退席して良いとの仰せ。それに仮面舞踏会にし、瞳には黒いアイマスクを着用し名も明かさぬで良い。わたくしの側にいなければオリヴィアをローブの魔女とは思うまい。どこぞの貴族の娘と思うであろう。……偶には誰か別の者とも話したかろう」
「ジョエスタ様。私は貴方様のお側にいられる事に大変嬉しく思っております」
「悪阻で香りがダメなわたくしにお前は今は不要。ゆっくり自分の時間を堪能せよ──偶には誰かと踊り、食事をしながら笑えば良い。お前は少々、一人に慣れすぎだ。一週後のパーティにオリヴィアも参加するよう、ドレスも作らせる。出席せよ」
「ジョエスタ様。私はマナーも知りません」
「オリヴィアほど所作の綺麗な者をわたくしは知らぬ。相手がいなければギルフォードの横にでもくっついておけ。当日のわたくしの警護は第一近衛隊。会場並びにその周辺は第二近衛隊だ。第3近衛隊は実際は会場外だが特別に入れてやる。普段の近衛隊の制服よりも正装したギルフォードでも見てやれ」
そう笑うジョエスタ様は楽しそうだ。
戸惑いと嬉しさが綯交ざる。
こんな心躍ることは久しぶりだ。
ジョエスタ様がオリヴィアに選んだドレスは鈴蘭を模したデザインだった。純白でシンプルな流れるよう細身のそのドレスの裾は長く腰元には細長い楕円の葉を模したエメラルドグリーンのワイヤー入りの布地に銀細工と真珠で施された鈴蘭の花が咲いている。
その中に一つ、艶々の赤い実が付いている。
「知っておるだろう?鈴蘭は根に、花に、葉に、全てに毒を持つ。けれど一番気をつけなければならぬのはその実よ。真っ赤で艶のあるその姿に騙されてつい、食べてしまいたくなる」
「ジョエスタ様。素敵なドレスをありがとうございます」
「──以前、わたくしは鈴蘭の香水が欲しくて調香師に何度も作らせたが、あの香りを天然の鈴蘭から作ることは出来なかった。来年、また鈴蘭が咲く頃にオリヴィアなら作れるのではと思った事もあったけれど──あの香りはわたくしの香りではない。あれはオリヴィア。お前の香り。あの香りを纏える者はお前しかいない。このドレスはわたくしが作らせた。これを着るお前を見るのが楽しみじゃ」
「ジョエスタ様。来年、鈴蘭の香水の精製を試みます」
「よい。必要ない。わたくしにはお前の作った薔薇の香水がある。あれこそがわたくしの香り。もし精製出来たのならそれはオリヴィアのもの」
「──では、来年は香りの薄い御子のお部屋の為の香りを精製致します」
「それは良いな。また一つ、楽しみが増えた。オリヴィアに会えてわたくしは幸せよ」
「私もです。ジョエスタ様」
「──この鈴蘭の葉の色に何を連想する?」
「エメラルドグリーンの……ギルフォードの瞳を思います」
「……それは良いな。また一つ、楽しみが増えた。オリヴィアわたくしは幸せよ」
そう微笑むジョエスタ様に私は何も言えなかった。
「そうだ。陛下が御子ができたことを大変喜び、その旨を発表する場を設けたいと」
「陛下はジョエスタ様を本当に愛していらっしゃるのですね」
大輪の薔薇のような微笑みをする。
「オリヴィア。お前も出れぬか?」
「私は──」
「パーティは二夜連続だけれど、はわたくしの体調を考えて早々にに退席して良いとの仰せ。それに仮面舞踏会にし、瞳には黒いアイマスクを着用し名も明かさぬで良い。わたくしの側にいなければオリヴィアをローブの魔女とは思うまい。どこぞの貴族の娘と思うであろう。……偶には誰か別の者とも話したかろう」
「ジョエスタ様。私は貴方様のお側にいられる事に大変嬉しく思っております」
「悪阻で香りがダメなわたくしにお前は今は不要。ゆっくり自分の時間を堪能せよ──偶には誰かと踊り、食事をしながら笑えば良い。お前は少々、一人に慣れすぎだ。一週後のパーティにオリヴィアも参加するよう、ドレスも作らせる。出席せよ」
「ジョエスタ様。私はマナーも知りません」
「オリヴィアほど所作の綺麗な者をわたくしは知らぬ。相手がいなければギルフォードの横にでもくっついておけ。当日のわたくしの警護は第一近衛隊。会場並びにその周辺は第二近衛隊だ。第3近衛隊は実際は会場外だが特別に入れてやる。普段の近衛隊の制服よりも正装したギルフォードでも見てやれ」
そう笑うジョエスタ様は楽しそうだ。
戸惑いと嬉しさが綯交ざる。
こんな心躍ることは久しぶりだ。
ジョエスタ様がオリヴィアに選んだドレスは鈴蘭を模したデザインだった。純白でシンプルな流れるよう細身のそのドレスの裾は長く腰元には細長い楕円の葉を模したエメラルドグリーンのワイヤー入りの布地に銀細工と真珠で施された鈴蘭の花が咲いている。
その中に一つ、艶々の赤い実が付いている。
「知っておるだろう?鈴蘭は根に、花に、葉に、全てに毒を持つ。けれど一番気をつけなければならぬのはその実よ。真っ赤で艶のあるその姿に騙されてつい、食べてしまいたくなる」
「ジョエスタ様。素敵なドレスをありがとうございます」
「──以前、わたくしは鈴蘭の香水が欲しくて調香師に何度も作らせたが、あの香りを天然の鈴蘭から作ることは出来なかった。来年、また鈴蘭が咲く頃にオリヴィアなら作れるのではと思った事もあったけれど──あの香りはわたくしの香りではない。あれはオリヴィア。お前の香り。あの香りを纏える者はお前しかいない。このドレスはわたくしが作らせた。これを着るお前を見るのが楽しみじゃ」
「ジョエスタ様。来年、鈴蘭の香水の精製を試みます」
「よい。必要ない。わたくしにはお前の作った薔薇の香水がある。あれこそがわたくしの香り。もし精製出来たのならそれはオリヴィアのもの」
「──では、来年は香りの薄い御子のお部屋の為の香りを精製致します」
「それは良いな。また一つ、楽しみが増えた。オリヴィアに会えてわたくしは幸せよ」
「私もです。ジョエスタ様」
「──この鈴蘭の葉の色に何を連想する?」
「エメラルドグリーンの……ギルフォードの瞳を思います」
「……それは良いな。また一つ、楽しみが増えた。オリヴィアわたくしは幸せよ」
そう微笑むジョエスタ様に私は何も言えなかった。
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