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痴情の踟蹰
110_ジーノ_
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「おかえり」
この瞬間に彼女がいつもと違うことに気がついた。
けれど僕は知らないフリをする。
「君の好きなチョコレート買ってきたんだ」
甘いとろける様なミルクチョコ。
彼女の口に軽く押し入れると素直に食べた。
唇を重ね、侑梨の熱で溶けたチョコを2人で分け合う。
「──甘いね」
「貴方は私が甘いチョコ好きなの知ってるから……」
──そうだね。
ユーリが僕に罪悪感を抱えている理由も知っている。
けれど、僕は口にしない。
彼女に謝る機会を与えれば、この関係は破綻するだろう。だから気づかないフリをする。
「貴方も並んだの?この時期のチョコレートショップは凄い人なのに」
普段なら多くの並んでいる人たち同様に並んだのかと解釈するが、今日の彼女の『貴方も』に確信する。
「君が好きそうだったからね」
彼女の冷えた指を取る。
「前のマンションの荷物整理できたの?」
「……うん」
管理人さんから連絡があり残りの荷物の処分と配達の準備を整えに行ったはずだ。
「──僕も行けばよかったよ」
貴方は用事があったでしょう?
彼女の瞳が揺れている。
「……ペンギンだけは、連れて帰ったの」
カバンには水族館で渡したペンギンが入っている。
「あの時のキスもチョコの味だったね」
もう一度、ゆっくりとキスをする。
「身体が冷えてるね──バスルームに行こう」
彼女の服を脱がし、確認する。
どこにも不審な跡はない
僕の上へ跨り、僕と向き合う様にお湯に浸からせる。
「いつ見てもキレイな身体だ」
首筋にキスをし、胸の頂きを舌で絡めるように舐める。
それだけで彼女の腰が仰反る。
「好きだよ。ユーリ」
「んっ…っぁ」
先週、彼女に生理が来た。
僕は何度でもユーリの中に出すよ。
僕の首に縋り付く彼女を思い切り揺さぶる。
お湯が揺らぎ小さな波を作る。
体位を変え後ろを向かせ立たせる。
壁に彼女の手を貼り付け自分の手を重ね指と指を絡める。
後ろから立ったまま彼女の中に入る。
彼女の中が絡みつくようにうねる。
──僕は知っている。
けれど、知らないフリをする。
彼女が僕に抱かれている時、
三島に抱かれている妄想していることを──
この瞬間に彼女がいつもと違うことに気がついた。
けれど僕は知らないフリをする。
「君の好きなチョコレート買ってきたんだ」
甘いとろける様なミルクチョコ。
彼女の口に軽く押し入れると素直に食べた。
唇を重ね、侑梨の熱で溶けたチョコを2人で分け合う。
「──甘いね」
「貴方は私が甘いチョコ好きなの知ってるから……」
──そうだね。
ユーリが僕に罪悪感を抱えている理由も知っている。
けれど、僕は口にしない。
彼女に謝る機会を与えれば、この関係は破綻するだろう。だから気づかないフリをする。
「貴方も並んだの?この時期のチョコレートショップは凄い人なのに」
普段なら多くの並んでいる人たち同様に並んだのかと解釈するが、今日の彼女の『貴方も』に確信する。
「君が好きそうだったからね」
彼女の冷えた指を取る。
「前のマンションの荷物整理できたの?」
「……うん」
管理人さんから連絡があり残りの荷物の処分と配達の準備を整えに行ったはずだ。
「──僕も行けばよかったよ」
貴方は用事があったでしょう?
彼女の瞳が揺れている。
「……ペンギンだけは、連れて帰ったの」
カバンには水族館で渡したペンギンが入っている。
「あの時のキスもチョコの味だったね」
もう一度、ゆっくりとキスをする。
「身体が冷えてるね──バスルームに行こう」
彼女の服を脱がし、確認する。
どこにも不審な跡はない
僕の上へ跨り、僕と向き合う様にお湯に浸からせる。
「いつ見てもキレイな身体だ」
首筋にキスをし、胸の頂きを舌で絡めるように舐める。
それだけで彼女の腰が仰反る。
「好きだよ。ユーリ」
「んっ…っぁ」
先週、彼女に生理が来た。
僕は何度でもユーリの中に出すよ。
僕の首に縋り付く彼女を思い切り揺さぶる。
お湯が揺らぎ小さな波を作る。
体位を変え後ろを向かせ立たせる。
壁に彼女の手を貼り付け自分の手を重ね指と指を絡める。
後ろから立ったまま彼女の中に入る。
彼女の中が絡みつくようにうねる。
──僕は知っている。
けれど、知らないフリをする。
彼女が僕に抱かれている時、
三島に抱かれている妄想していることを──
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