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第一章 冒険者になろう!(初日)
第9話 魔の森からダンジョンへ
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魔の森――世界中に広がる森だ。
魔物森の中には、人を襲う危険モンスター――魔物が生息している。
魔物と戦えるのは、神から戦闘スキルを授かった冒険者だけ。
『魔の森に近づいてはいけないよ』
とスラムの子供でも大人に習う。
俺たちは、城塞都市トロザの西門を出て魔の森へ向かった。
城塞都市トロザの周りは、農地になっている。
小麦畑の間に狭い道が続いている。
「この道は農民が使う道だ。もし、農民が魔物に襲われていたら助けてやれ」
タイソン教官が、歩きながら大声で注意をする。
「そこ! 無駄なおしゃべりをするな! 城壁の外へ出たら、いつ魔物に襲われるかわからんのだ! 小麦畑の中からゴブリンが現れるかもしれんぞ! 周囲を警戒しながら歩け!」
俺たち新人冒険者はダラダラ歩いていたが、タイソン教官の指導で周囲を注意するようになった。
三十分ほど歩くと農地エリアを抜けた。
目の前に草原が広がり、草原の先に森が広がっている。
誰からともなく、つぶやきが漏れた。
「あれが魔の森か……」
ゴクリとつばを飲み込む音も聞こえた。
魔の森は、鬱蒼としていて暗い。
木々は背が高く、二十メートルはありそうだ。
前世日本で見たビル街にあるビルとビルの間の細い路地のようで、危険な香りが立ちこめている。
木の幹は太く人が隠れることも出来そうだ。
俺は腕を組みジッと魔の森を見ながら、どういうことが起こりうるか脳内でシミュレーションをしてみた。
下手に剣を振れば、剣が木にひっかかるかもしれない。
魔物が木の幹に隠れているかもしれない。
暗いから視界が悪く、魔物の発見が遅れるかもしれない。
(ああ、やらかし猫の危険予知だな……)
俺は前世日本で見た工事現場に登場する指さし確認をするおっちょこちょいな猫を思い出していた。
「では、オマエたちに問う! これからあの魔の森に入るが、気をつけなくてはならないことは何だ? ジャイル! 言ってみろ?」
「えっ!? ええと……魔物をやっつける?」
「魔物を倒すのは当たり前だ! 魔の森で気をつけることを考えろと言ってるのだ? オマエは?」
タイソン教官がジャイルを指名したが、ジャイルは上手く答えられなかった。
次に指名された女の子もダメ。その次の男の子もダメ。
すると俺の隣に立つミレットがスッと手を上げた。
タイソン教官がミレットを指さした。
「タイソン様。ここから見る限り魔の森はとても暗いです。魔物が見つけづらいのではありませんか? 木の陰に魔物が隠れていないか気をつけることが肝要かと思います」
「お見事です!」
ミレットの答えにタイソン教官が軽く頭を下げる。
ミレットの的確な答えに、俺はウンウンとうなずく。
ミレットは、ただのお嬢様じゃないな。
なかなか出来る!
「今の答えの通りだ。魔の森の中は暗く、木々が視界を遮る。狡猾な魔物になると、木の幹に隠れたり、高い木の枝に潜んだりする。不意打ちをくらわないように気をつけるのだ! この中で探知スキルを持つ者はいるか?」
タイソン教官の問いに三人が手を上げた。
「よし! 探知スキルを持つメンバーがいるパーティーは先頭に立て! 魔物の気配を探知したら周囲に知らせるのだ!」
探知スキルを持つパーティーを先頭に立てて、俺たちは魔の森に足を踏み入れた。
魔の森の中は暗い。
歩いていると目が慣れてきたが、それでも木の幹や下草の影になっている場所は見えづらい。
(おや?)
しばらく歩いて気が付いたが、魔の森の中に道がある。
人が一人歩けるほどの細い道だが、下草が踏み固められ所々地面が露出している。
タイソン教官はむやみやたらに魔の森を歩かせているわけではないようだ。
俺は振り向きパーティーメンバーで魔法使いのミレットに声を掛けた。
「ミレット。道があるのはわかる?」
「ええ。見えています。多分、ダンジョンへ向かっているのだと思います」
「ダンジョンへ?」
「魔の森の中には無数のダンジョンがあるそうです。冒険者がよく利用するダンジョンがいくつかあると聞いたことがあります」
「ほうほう。そうなんだ」
「ふふふ! ほうほうなんて、おじさんみたい! ふふ!」
グサッときた!
転生したから中身はおじさんなんだよ!
それから三十分、俺たちは森の中を歩いた。
大人数で行動しているせいか、魔物に襲われることはなかった。
途中で分かれ道を一番右へ進み、ダンジョンへ到着した。
「ここがダンジョンか……」
魔物森の中には、人を襲う危険モンスター――魔物が生息している。
魔物と戦えるのは、神から戦闘スキルを授かった冒険者だけ。
『魔の森に近づいてはいけないよ』
とスラムの子供でも大人に習う。
俺たちは、城塞都市トロザの西門を出て魔の森へ向かった。
城塞都市トロザの周りは、農地になっている。
小麦畑の間に狭い道が続いている。
「この道は農民が使う道だ。もし、農民が魔物に襲われていたら助けてやれ」
タイソン教官が、歩きながら大声で注意をする。
「そこ! 無駄なおしゃべりをするな! 城壁の外へ出たら、いつ魔物に襲われるかわからんのだ! 小麦畑の中からゴブリンが現れるかもしれんぞ! 周囲を警戒しながら歩け!」
俺たち新人冒険者はダラダラ歩いていたが、タイソン教官の指導で周囲を注意するようになった。
三十分ほど歩くと農地エリアを抜けた。
目の前に草原が広がり、草原の先に森が広がっている。
誰からともなく、つぶやきが漏れた。
「あれが魔の森か……」
ゴクリとつばを飲み込む音も聞こえた。
魔の森は、鬱蒼としていて暗い。
木々は背が高く、二十メートルはありそうだ。
前世日本で見たビル街にあるビルとビルの間の細い路地のようで、危険な香りが立ちこめている。
木の幹は太く人が隠れることも出来そうだ。
俺は腕を組みジッと魔の森を見ながら、どういうことが起こりうるか脳内でシミュレーションをしてみた。
下手に剣を振れば、剣が木にひっかかるかもしれない。
魔物が木の幹に隠れているかもしれない。
暗いから視界が悪く、魔物の発見が遅れるかもしれない。
(ああ、やらかし猫の危険予知だな……)
俺は前世日本で見た工事現場に登場する指さし確認をするおっちょこちょいな猫を思い出していた。
「では、オマエたちに問う! これからあの魔の森に入るが、気をつけなくてはならないことは何だ? ジャイル! 言ってみろ?」
「えっ!? ええと……魔物をやっつける?」
「魔物を倒すのは当たり前だ! 魔の森で気をつけることを考えろと言ってるのだ? オマエは?」
タイソン教官がジャイルを指名したが、ジャイルは上手く答えられなかった。
次に指名された女の子もダメ。その次の男の子もダメ。
すると俺の隣に立つミレットがスッと手を上げた。
タイソン教官がミレットを指さした。
「タイソン様。ここから見る限り魔の森はとても暗いです。魔物が見つけづらいのではありませんか? 木の陰に魔物が隠れていないか気をつけることが肝要かと思います」
「お見事です!」
ミレットの答えにタイソン教官が軽く頭を下げる。
ミレットの的確な答えに、俺はウンウンとうなずく。
ミレットは、ただのお嬢様じゃないな。
なかなか出来る!
「今の答えの通りだ。魔の森の中は暗く、木々が視界を遮る。狡猾な魔物になると、木の幹に隠れたり、高い木の枝に潜んだりする。不意打ちをくらわないように気をつけるのだ! この中で探知スキルを持つ者はいるか?」
タイソン教官の問いに三人が手を上げた。
「よし! 探知スキルを持つメンバーがいるパーティーは先頭に立て! 魔物の気配を探知したら周囲に知らせるのだ!」
探知スキルを持つパーティーを先頭に立てて、俺たちは魔の森に足を踏み入れた。
魔の森の中は暗い。
歩いていると目が慣れてきたが、それでも木の幹や下草の影になっている場所は見えづらい。
(おや?)
しばらく歩いて気が付いたが、魔の森の中に道がある。
人が一人歩けるほどの細い道だが、下草が踏み固められ所々地面が露出している。
タイソン教官はむやみやたらに魔の森を歩かせているわけではないようだ。
俺は振り向きパーティーメンバーで魔法使いのミレットに声を掛けた。
「ミレット。道があるのはわかる?」
「ええ。見えています。多分、ダンジョンへ向かっているのだと思います」
「ダンジョンへ?」
「魔の森の中には無数のダンジョンがあるそうです。冒険者がよく利用するダンジョンがいくつかあると聞いたことがあります」
「ほうほう。そうなんだ」
「ふふふ! ほうほうなんて、おじさんみたい! ふふ!」
グサッときた!
転生したから中身はおじさんなんだよ!
それから三十分、俺たちは森の中を歩いた。
大人数で行動しているせいか、魔物に襲われることはなかった。
途中で分かれ道を一番右へ進み、ダンジョンへ到着した。
「ここがダンジョンか……」
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