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第三章 ノエル南部に立つ!
第54話 建物探訪
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冒険者ギルドから派遣された調査隊を執事のセバスチャンが案内する。
俺、妹のマリー、ネコネコ騎士のみーちゃん、エルフのシューさんは、後ろからついていく。
「こちらが領主屋敷でございます。何かございましたら、遠慮なくご訪問下さい」
「ほお~! いや、これは趣味の良い建物だ!」
「南向きの良い立地だな! 日当たりが良く落ち着いた雰囲気だ」
「成金趣味じゃなくて良いね!」
最初は領主屋敷の紹介だ。
調査隊は好意的な反応を見せた。俺がスキルで生成した南欧風の建物は、この世界の人たちにも受け入れられホッとする。
国王が住んでいたピカピカ金ピカ屋敷にしないで良かった。
執事のセバスチャンのガイドは続く。
開拓村の中央広場を抜けて、魔の森に近い南側のエリアに向かう。
「冒険者ギルドと宿泊施設は、魔の森に近いエリアに建てました。あちらが冒険者ギルドの建物です」
「「「「「ほー!」」」」」
調査隊から感嘆の声が上がった。
冒険者ギルドは木造二階建て。日本の木造小学校のような外観だ。この世界ではかなり大きな建物になる。
「冒険者ギルドは大きな二階建ての建物にいたしました。建物横には、木造の尖塔。尖塔は三階の高さになりますので、魔の森の奥まで見通せます。裏には馬車を止めるスペース、馬房、騎竜舎が備えてあります。魔物の解体スペースもございます」
「外は満点だな! 文句なし! 尖塔があるのは嬉しい。何かあった時に見張りをおけるからな」
執事セバスチャンの案内に、ベテラン風の冒険者が嬉しがる。
ちらりとアミーさんを見るとウンウンとうなずいているので、建物外側は合格だろう。
俺が生産スキル【マルチクラフト】で生成したとは誰も思うまい。
執事のセバスチャンが、建物の中へと案内する。
「ホールは広めに作りました。左手に依頼を掲示する大型のボード。右手は打ち合わせの出来るオープンスペースで、テーブルと椅子は頑丈な物を用意しました。重装備の戦士が座っても壊れません」
体格の良い男性戦士が、椅子に腰掛け座り心地を確かめている。
この椅子はパーツを太くこしらえた。大柄な戦士が座っているが、ギシリとも言わない。
続いてテーブルをバンバンと手で叩いている。テーブルも頑丈な作りだ。大男が二人で腕相撲をしても壊れることはないだろう。
大柄な戦士は、ニュッと拳を出すと親指を立てた。
「いいな! 合格だ!」
よし!
着実に点を稼いでいるぞ。
「ホールの奥は木製カウンターを用意しました。カウンターの裏は、ギルドスタッフの皆さんが執務するスペースです。こちらも広めにとってあります。書棚をご用意いたしましたので、ご自由にお使い下さい」
アミーさんが、カウンターの中に入る。
カウンター、テーブル、椅子、書棚をチェックして、満足そうにうなずいた。
「一階、二階には、大小十二のお部屋を用意してあります。会議室、倉庫など、ご自由にお使い下さい。家具がご入り用でしたら準備いたしますので、遠慮なくお申し付け下さい」
「ありがとうございます。これだけの広さと設備があれば、冒険者ギルドとして十分機能します」
よし! アミーさんが太鼓判を押してくれた!
冒険者ギルド用の建物は合格だ。
妹のマリーが、背伸びをして顔を寄せそっと耳元でささやく。
「お兄様。良かったですね!」
「うん。ホッとしたよ」
「宿を見たら、もっとビックリするニャ」
続いて宿の案内だ。
宿は冒険者ギルドの向かいに建てた。
こちらも木造二階建ての大型施設で、『コ』の字に建築した。
一階は受付、食堂、調理場。二階が客室となっている。客室は二段ベッドの入ったドミトリーで六人部屋がメインだ。個室、二人部屋もある。
「最大宿泊人数は二百人。五人の冒険者パーティーなら四十組を同時にお迎え出来ます。調理場は出入り自由ですので、自炊も可能です。別料金ですが、一階にはお風呂もございますよ」
執事のセバスチャンが、サラサラと立て板に聖水を振りまくがごとく案内を続ける。
だが、実はスタッフが足りない。箱はあるが働く人がいないのだ。開拓村の住民には、農作業をしてもらう。
今日のところは、臨時で住民に働いて貰っているが、どこからか人を調達してこないとな……。
エルフのシューさんが、ジトッと俺を見てボソボソと話しかけてくる。
「どうするの? 空っぽの宿だよ?」
「審査を通ったら、何とかするよ」
「いい加減」
「腹が据わっていると言って欲しいね」
「ふーん」
人手不足。これに尽きる。
妹マリーのドライフルーツ工房。加えて俺の実験工房は、しばらくしたら馬車工房にする予定だ。働き手はいくらでも欲しい。
一方で、食糧不足でもある。
人は増やしたいが、食料は足らない。
開拓村を成長させるためのバランスが非常に難しい。
一通り案内が終わり宿の方も好評。
冒険者ギルドの調査隊は、そのまま宿に泊まった。
俺、妹のマリー、ネコネコ騎士のみーちゃん、エルフのシューさんは、後ろからついていく。
「こちらが領主屋敷でございます。何かございましたら、遠慮なくご訪問下さい」
「ほお~! いや、これは趣味の良い建物だ!」
「南向きの良い立地だな! 日当たりが良く落ち着いた雰囲気だ」
「成金趣味じゃなくて良いね!」
最初は領主屋敷の紹介だ。
調査隊は好意的な反応を見せた。俺がスキルで生成した南欧風の建物は、この世界の人たちにも受け入れられホッとする。
国王が住んでいたピカピカ金ピカ屋敷にしないで良かった。
執事のセバスチャンのガイドは続く。
開拓村の中央広場を抜けて、魔の森に近い南側のエリアに向かう。
「冒険者ギルドと宿泊施設は、魔の森に近いエリアに建てました。あちらが冒険者ギルドの建物です」
「「「「「ほー!」」」」」
調査隊から感嘆の声が上がった。
冒険者ギルドは木造二階建て。日本の木造小学校のような外観だ。この世界ではかなり大きな建物になる。
「冒険者ギルドは大きな二階建ての建物にいたしました。建物横には、木造の尖塔。尖塔は三階の高さになりますので、魔の森の奥まで見通せます。裏には馬車を止めるスペース、馬房、騎竜舎が備えてあります。魔物の解体スペースもございます」
「外は満点だな! 文句なし! 尖塔があるのは嬉しい。何かあった時に見張りをおけるからな」
執事セバスチャンの案内に、ベテラン風の冒険者が嬉しがる。
ちらりとアミーさんを見るとウンウンとうなずいているので、建物外側は合格だろう。
俺が生産スキル【マルチクラフト】で生成したとは誰も思うまい。
執事のセバスチャンが、建物の中へと案内する。
「ホールは広めに作りました。左手に依頼を掲示する大型のボード。右手は打ち合わせの出来るオープンスペースで、テーブルと椅子は頑丈な物を用意しました。重装備の戦士が座っても壊れません」
体格の良い男性戦士が、椅子に腰掛け座り心地を確かめている。
この椅子はパーツを太くこしらえた。大柄な戦士が座っているが、ギシリとも言わない。
続いてテーブルをバンバンと手で叩いている。テーブルも頑丈な作りだ。大男が二人で腕相撲をしても壊れることはないだろう。
大柄な戦士は、ニュッと拳を出すと親指を立てた。
「いいな! 合格だ!」
よし!
着実に点を稼いでいるぞ。
「ホールの奥は木製カウンターを用意しました。カウンターの裏は、ギルドスタッフの皆さんが執務するスペースです。こちらも広めにとってあります。書棚をご用意いたしましたので、ご自由にお使い下さい」
アミーさんが、カウンターの中に入る。
カウンター、テーブル、椅子、書棚をチェックして、満足そうにうなずいた。
「一階、二階には、大小十二のお部屋を用意してあります。会議室、倉庫など、ご自由にお使い下さい。家具がご入り用でしたら準備いたしますので、遠慮なくお申し付け下さい」
「ありがとうございます。これだけの広さと設備があれば、冒険者ギルドとして十分機能します」
よし! アミーさんが太鼓判を押してくれた!
冒険者ギルド用の建物は合格だ。
妹のマリーが、背伸びをして顔を寄せそっと耳元でささやく。
「お兄様。良かったですね!」
「うん。ホッとしたよ」
「宿を見たら、もっとビックリするニャ」
続いて宿の案内だ。
宿は冒険者ギルドの向かいに建てた。
こちらも木造二階建ての大型施設で、『コ』の字に建築した。
一階は受付、食堂、調理場。二階が客室となっている。客室は二段ベッドの入ったドミトリーで六人部屋がメインだ。個室、二人部屋もある。
「最大宿泊人数は二百人。五人の冒険者パーティーなら四十組を同時にお迎え出来ます。調理場は出入り自由ですので、自炊も可能です。別料金ですが、一階にはお風呂もございますよ」
執事のセバスチャンが、サラサラと立て板に聖水を振りまくがごとく案内を続ける。
だが、実はスタッフが足りない。箱はあるが働く人がいないのだ。開拓村の住民には、農作業をしてもらう。
今日のところは、臨時で住民に働いて貰っているが、どこからか人を調達してこないとな……。
エルフのシューさんが、ジトッと俺を見てボソボソと話しかけてくる。
「どうするの? 空っぽの宿だよ?」
「審査を通ったら、何とかするよ」
「いい加減」
「腹が据わっていると言って欲しいね」
「ふーん」
人手不足。これに尽きる。
妹マリーのドライフルーツ工房。加えて俺の実験工房は、しばらくしたら馬車工房にする予定だ。働き手はいくらでも欲しい。
一方で、食糧不足でもある。
人は増やしたいが、食料は足らない。
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冒険者ギルドの調査隊は、そのまま宿に泊まった。
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