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第五章「ヴェタン王国で暗躍する!」前編
地味に違和感
しおりを挟む今日はとうとう、修学旅行。十泊するのだよ……ハハハ。
「では、しおりの注意事項を見てください」
ワオ……注意事項いっぱーい。
特に妙なのは、旧制度時代に使われていた建物を触らないとか、剣を持って行くのは禁止とか。
身を守れないと思うけど仕方がないのかもしれない。まあ、秩序の国だし……表向きはね。
ま、僕には関係ないことだし。
■
電車に乗って五時間。すっかり夜になってしまった。
車内の電気は消えている……筈なんだけど、どうやら違うみたいだ。
僕は音を立てずに、電気のついている部屋の前へ。
「禁止事項が多すぎますね……」
「ですね……」
なんだ、職員会議か。
僕は興味を失い、部屋に戻った。
■
寒い夜。
クロウが乗る電車の屋根に立っている人影……正体はウェルタだ。
「妙です。なぜ、ボスは電車に乗るのです……走ったほうが速いです」
「黙りなさい。ウェルタ。主の考えを尊重しなさい」
「はい……です」
隣に居るのはネオンだった。
「ミレイア様の指示でついてきていますので、文句はミレイア様に言ってください」
「ヒエェ……」
「嫌なら黙っていなさいね」
「……」
ウェルタは黙った。
■
「やっと着いた……」
ここはヴェタン王国。
僕は視線を外壁に向けた。
「多すぎる」
そう、この国を守る高い壁には、衛兵が多すぎる。
妙だ。
更に、人が少ない。街が綺麗なのは察しがつく。
「人は家から出ていない」
しかも、歩いている人と目が合っても目を逸らされる。
なんだろう。とても妙だ。
僕は地図を見た。
今は自由行動だし色々探ろう。
「……?」
地図と違う……。ここは道があったと書いてあるが、土が盛られている。
もう、何が普通なのかわからない。
「皆さん!!戻ってきてください!!」
僕はこっそり、モブらしく戻ってきた。
「旧制度館へ行きますよ」
■
旧制度館はとても妙だった。もう異常しかない。
壁に触ろうとすると、神父に叱られる。
「ここが四大英雄、フィネラのお墓です」
「おー」
みんなは驚いている。この神父は怪しい。
その時……。
『君……』
声が聞こえた。
「?」
『君だよ……私はフィネラ』
フィネラ、か。生きてるって思ってた。
『君は只者じゃないね。……未知の力を持っているわね』
見る目があるね。
『……私を助けてよ。クロウ君』
名前までわかったのね。でも外れだよ。
助ける者の名前はラグナだ。覚えてくれ。
『わかった。ラグナ、ね』
そうだよ。ま、助けてあげるから。待ってて。
■
「こちらが、邪神龍の尻尾です」
そんな感じで、最後の展示物を説明され終わった。
外はすっかり夜。では始めようか。
消灯時間が過ぎ、教師陣も寝静まった。
「我は征く。助けを求める者の場所へ」
「主様」
「ネオン。どうした」
「助けるとは、誰のことで?」
「フィネラ」
「四大英雄のエルフですか……」
「ああ」
「ですが、ブルーメタリックは助けることはしないはず―――」
ラグナは言葉を遮って言った。
「たまには良いだろう。毎回同じ目的のために動くのではなく、まんべんなく……」
「さすが主。失礼しました」
そう言い、ネオンは霧となって消えた。
この国にも悪は居る。
「我は世界最強になる。そのためには悪を倒す」
そう言い、ホテルから姿を消したラグナ。
この国で何が起きるのだろうか……。
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